【連載】安斎育郎のウクライナ情報

6月20日のウクライナ情報

安斎育郎

6月20日のウクライナ情報
安斎育郎

❶ウクライナ、二重国籍容認へ 戦争で悪化の人口危機緩和図る(2025年6月18日)
[キエフ 18日 ロイター] – ウクライナ議会は18日、国民が複数の国籍を保有できるようにする法律を承認した。ロシアとの戦争で深刻化した人口減少に歯止めをかけ、外国に住むウクライナ人との関係強化を図る狙いがある。
これまでウクライナでは二重国籍や複数国籍は認められていなかった。そのため在外ウクライナ人がウクライナのパスポートを取得したい場合、他の国籍を放棄しなければならなかった。
政府の推計によると、国外に住むウクライナ人は約2500万人に上る。一方、現在のウクライナ国内の人口は3200万人で、旧ソ連崩壊後にウクライナが独立した1991年の5200万人から大幅に減少している。
2022年2月のロシアによる侵攻により人口減少に拍車がかかっており、複数国籍の問題は緊急性を増している。
議員らによると、新法は海外でウクライナ人の両親を持つ子どもや、結婚により他国の国籍を取得したウクライナ人に対する手続きを簡素化する。また、ウクライナのために戦場で戦う外国人がウクライナ国籍を取得することも容易になるという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4330fe7019f94ee572d75a5c45838e291203ea42/images/000

❷ウクライナ、共同基金下での軍事支援巡り米と協議=副首相(2025年6月18日)
[キーウ(キエフ)18日 ロイター] – ウクライナのスビリデンコ副首相は18日、先月設立された共同復興投資基金の下でウクライナの防衛プロジェクトを支援する可能性について米国の高官らと協議したと明らかにした。ウクライナは4年目となる対ロシア戦争の終結に向け、最大の軍事的支援国である米国からの支援強化を目指す。
スビリデンコ氏はXへの投稿で、「協議は、ウクライナ国内の防衛部門プロジェクトの支援に向けた基金の任務拡大に焦点が当てられた」と言及。協議はカナダ西部アルバータ州で17日まで2日間にわたり開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)中に行われ、ベセント米財務長官も参加したと述べた。
スビリデンコ氏は防衛プロジェクトの詳細については明言していない。
米国とウクライナは先月、米国にウクライナの新たな鉱物資源取引への優先的なアクセスを与えるとともに、復興投資基金を設立する内容の鉱物資源協定に署名していた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1afcac05282fa9d7ba74b4fc269740a34ad1d012/images/000

❸ G7、ウクライナ巡る共同声明見送り ゼレンスキー氏「外交は危機」(2025年6月18日)
[カナナスキス(加アルバータ州) 17日 ロイター] – 主要7カ国(G7)首脳会議は17日、2日間の日程を終えて閉幕した。ウクライナ支援に関する共同声明は見送った。議長国カナダのカーニー首相は代わりに、制裁を通じロシアへの圧力を強化し、米国主導の和平努力を支持する内容の声明を発出した。
カナダ当局者は当初、米国の抵抗を受け、ロシア・ウクライナ戦争を巡る力強い声明を出す計画を断念したとしていたが、カーニー氏の広報担当エミリー・ウィリアムズ氏はその後、ウクライナに関するいかなる声明も計画されていなかったと述べた。
カーニー氏はこの日、カナダがウクライナに20億カナダドル(14億7000万米ドル)の新たな軍事支援を提供すると表明。ロシアに新たな金融制裁を科す方針も示した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、G7サミットに参加し、対ロシア戦争を巡る一段の支援を強く要請した。
同氏はテレグラムへの投稿で、G7首脳に対し「外交は今や危機的な状況にある」と伝え、紛争の終結に向け「真の影響力を発揮するよう」トランプ米大統領に引き続き働きかけるよう要請したと明らかにした。
追加支援を巡りトランプ氏と会談することを望んでいたものの、同氏が16日、中東情勢を理由にG7サミットの日程を切り上げて帰国したため、会談は実現しなかった。
カーニー氏はサミット閉幕後、議長総括を発表した。「G7首脳はウクライナにおける公正かつ永続的な平和の実現に向けたトランプ大統領の取り組みに支持を表明した」としている。また「ウクライナが無条件停戦にコミットしたことを確認し、ロシアも同様の対応を取らなければならないことで一致した。G7首脳はロシアへの圧力を最大限に強化するため、金融制裁を含むあらゆる選択肢を検討する決意だ」と表明した。
トランプ氏は16日に発表された中東情勢を巡る声明には同意した。カーニー氏は閉幕の記者会見で「イランにおける異例かつ急速に変化する状況を踏まえて声明を出した」と説明した。
ある欧州当局者は、各国首脳がロシアに強硬な姿勢を取る計画をトランプ氏に強調し、同氏もそれに感銘を受けたようだと述べた。ただ、トランプ氏は原則として制裁に賛成していないという。
複数の欧州外交筋は、ロシアのプーチン大統領に対する圧力を強め、グラム米上院議員が起草した制裁法案を検討したいとのシグナルをトランプ氏から受けたが、確約は得られなかったとした。
ドイツのメルツ首相は「ロシアに追加制裁を科す決定が米国でも数日中になされるだろうという慎重ながらも楽観的な見通しを持って帰国する」と語った。
ウクライナに関する共同声明は見送られたものの、G7首脳は重要鉱物や人工知能(AI)、量子コンピューティング、山火事など6つの分野に関する共同声明で合意した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b59ac4db9af1695b3656954abb715cf5099a96d4/images/000

❹ロシア、G8からの除外措置は「間違い」 トランプ氏の主張に同調(2025年6月18日)
[モスクワ 17日 ロイター] – ロシア大統領府(クレムリン)のペスコフ報道官は17日、記者団に対し、現在の主要7カ国(G7)が2014年に「G8」からロシアを除外したのは「大きな間違いだった」とし、「トランプ米大統領の主張に同意する」と述べた。G7は、もはやロシアにとって重要ではなく「むしろ無用のもの」に見えるとの見解も示した。
トランプ大統領は16日、G7首脳会議出席のため訪れたカナダで、ロシアをG8から除外したのは間違いだったとしたほか、G8からの排除がなければ、22年にロシアがウクライナに侵攻することはなかったとの持論を展開した。トランプ氏は、ロシアのプーチン大統領は「自分を追放した人々とは口をきかない。私も同じ考えだ」と言及した。
ペスコフ氏は、G7諸国の世界経済におけるシェアが低下しているほか、世界情勢などを踏まえるとG7はロシアにとって「実質的な意義を失っている」とも述べた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/60814fe0ec144fbad7bbef7e107f9687c52bb4aa/images/000

❺ロシアへようこそ」プーチン大統領の長女とされる内分泌学者のマリヤ・ボロンツォワ氏が流ちょうな日本語でインタビュー ロシア第二の都市サンクトペテルブルク開催中の国際会議(2025年6月19日)
ロシア第二の都市サンクトペテルブルクで開催中の国際会議で、プーチン大統領の「長女」がFNNのインタビューに応じ、流ちょうな日本語を披露しました。
プーチン大統領の長女とされるマリヤ・ボロンツォワ氏:
ロシアにようこそ。気をつけてくださいね
日本語を流ちょうに話し、笑顔でFNNの取材に応じたのはプーチン大統領の長女とされる、内分泌学者のマリヤ・ボロンツォワ氏です。
ボロンツォワ氏は、自身の専門である脳神経技術をテーマにした会合で司会を務めました。
会合後、ボロンツォワ氏は、現在の日ロ関係の厳しさを踏まえた上で「私たちはどのようなゲストも喜んでお迎えします」と英語で話し、「ロシアへようこそ。よろしくお願いします」と日本語で答えました。
一方、プーチン大統領の次女とされるカテリーナ・チホノワ氏は、経済安全保障の会合にオンラインで参加。
侵攻後に撤退した外国企業のロシア市場への復帰条件や、国内企業の保護策について演説しました。
このフォーラムへの2人の参加は、2年連続となります。
一方、プーチン大統領は20日の全体会合で演説する予定です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/62f47f5c96bc011995e59c490510002e4502fffa/images/000

❻サンクトペテルブルク国際経済フォーラム開幕 プーチン大統領の「娘」2人も参加見通し(2025年6月18日)
ロシア第2の都市・サンクトペテルブルクで18日、国際経済フォーラムが始まり、プーチン大統領の娘とされる2人が2年連続で参加する見通しです。
「サンクトペテルブルク国際経済フォーラム」は、ロシア政府が各国に投資を呼びかける国際会議で、毎年この時期に行われます。
2025年は、中国やインドネシアなど140の国と地域の政府関係者らが参加予定だということです。
今回は4年ぶりにロシアとアメリカのビジネス協力に関する会議が行われるほか、プーチン大統領の娘とされる2人も医療や経済安全保障に関する会合に参加する見通しです。
2人がこのフォーラムに参加するのは、2年連続です。
ウクライナへの軍事侵攻をめぐり、西側諸国から厳しい制裁が科される中、ロシアは中国や東南アジア、中東の国々と連携を深める狙いがあるとみられます。
プーチン大統領は、20日の全体会合で演説する予定です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7b51e506f3ed70123d776cac06494c0f7710f53c/images/000

❼対露制裁で足並み乱れたG7、ロシア報道官はあざ笑い「G7はもはや使い物にならないようだ」(2025年6月18日)
ロシアのウクライナ侵略を巡り、G7サミットで対露制裁強化に関する議論が不発に終わったことで、プーチン露大統領にとっては理想的な展開となった。対露関係を重視するトランプ米大統領を取り込み、G7の切り崩しに成功した形だ。
タス通信によると、ドミトリー・ペスコフ露大統領報道官は17日の記者会見で、「世界経済でG7が占める割合は縮小し続けている。もはや使い物にならないようだ」とあざ笑った。
ロシアは、中露が主導するBRICSなどに新興・途上国「グローバル・サウス」を取り込み、G7に対抗していく構えだ。G7が主導する国際秩序に代わり、明確なまとめ役がいない「多極化した世界」も提唱している。
セルゲイ・ラブロフ露外相は17日、今年1月にBRICSに加盟したインドネシアの外相と会談し、「両国の協力は多極化した国際政治と経済の強化に資する」と記者会見で強調した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8c24e830a506f2fd5a3c525ff8ada7b21fd0c3a9/images/000

❽NATO離脱に言及 スロバキア首相、防衛費増額方針に不満(2025年6月18日)
【ベルリン時事】東欧スロバキアのフィツォ首相は17日、フェイスブックへの投稿で、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の防衛費増額方針に不満を示し、脱退も選択肢になると表明した。
NATOを会員制のゴルフクラブに例え「新たに設定された会費を支払うか、脱退するか、いずれかを選択することになる」と投稿した。
フィツォ氏は、5月にロシアを訪問してプーチン大統領と面会するなど対ロ融和姿勢が目立ち、NATO関与に消極的なトランプ米大統領を称賛している。2004年に加盟したNATOからの脱退をどの程度真剣に検討しているかは不明。投稿で「中立は良いことだ」とも訴え、ロシアと対峙(たいじ)する軍事同盟であるNATOと一線を画すかのような姿勢を見せた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c602ccdff9d836ab8f568a5fc8d7d263c7b8cc42/images/000

❾キエフにさらなる大打撃、主要ドローン拠点を破壊!(2025年6月18日)
https://youtu.be/ChhE_8QruUs
今日のミリタリーチューブ – ロシア国防省は、6月17日夜に軍事施設への大規模空爆が行われ、キエフの主要なドローン拠点が破壊されたことを改めて確認した。十分な情報を得た後、さらにクローズアップされた映像には、夜通し飛来する巡航ミサイルと神風ドローンが敵の標的を激しい火の嵐で爆撃する様子が映っている。これはウクライナのドローンの能力を麻痺させ、ゼレンスキー大統領のドローン戦争への野望にさらなる打撃を与え、すでに激化している紛争をさらにエスカレートさせるものだ。この常軌を逸した映像には、ロシアのキンジャール巡航ミサイルが照明弾を発射してから標的に向かって突進する様子が映っている。その一方で、ウクライナの悪名高いほど無能な防空システムが作動し、脅威を迎撃する代わりに住宅を破壊している。一方、独特の轟音を発するロシアのシャヘド136ドローンは、はるかに高速で飛行するため撃墜が非常に困難であり、キエフは対空ミサイルを発射せずに投下せざるを得なくなった。ミサイルとドローンが首都を定期的に攻撃した結果、無人機の組立拠点、防空資産、軍事装備品の倉庫が破壊され、映像に映っているように、火災は朝まで続きました。報道によると、主要な破壊行為の中には、首都にある国立航空大学にある、ドローンで満たされた格納庫を備えた無人機製造工場も含まれていました。ロシアのドローン1機が、セルヒー・プリトゥラ財団がドローンを隠していた倉庫を攻撃しましたが、今回は人目につく場所に展示されていました。インターネット上では、攻撃の前日にプリトゥラ財団が資金調達を行っていたことが報じられており、同財団の格納庫からタラスPドローンが出てきた写真が、軍事関連の記事を書いているウクライナメディアによって公開されていました。ロシアはこの倉庫を破壊し、多数のドローンとその他の装備を失い、数百万ドルの損失を被りました。報道によると、残りの倉庫のいくつかはカリブルミサイルの直撃を受け、キエフ・ラジオ工場の少なくとも2つの製造棟が被弾しました。さらに、キンジャールを含むほぼすべての攻撃は、ジュリャーヌィ飛行場と市内中心部の倉庫を標的としており、これらは防空砲台として定期的に使用されています。また、衛星画像では、市街地近郊のアントノフ飛行場で大規模な火災が発生しているのが確認されました。ドローン生産の減少により、キエフは希望を失いつつあり、軍事技術は大きな打撃を受けています。
https://www.youtube.com/watch?v=ChhE_8QruUs

❿ウクライナ紛争最前線の現状分析 「ロシア軍の進軍とウクライナ軍の課題」 (2025年6月18日)
https://youtu.be/7u3D48vEv_c
https://www.youtube.com/watch?v=7u3D48vEv_c

2025年6月20日ウクライナ情報pdfはこちら

 


 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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