【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年6月20日 (金) 参院選争点消費税を理解できる書

植草一秀

7月22日に投開票される予定の参議院議員通常選挙。

自民党が公約を発表。

https://x.gd/9gbXe

自民党は参院選公約で、実質1%、名目3%の賃金上昇率を達成して2030年度に賃金の約100万円増を目指すことを示した。

また、2040年に名目GDPを1000兆円として所得を現在から5割以上増加させる目標を盛り込んだ。

消費税に関しては貴重な社会保障財源で税率変更には時間がかかるとし、物価高対策としての減税に否定的な考えを示した。

言うのは自由だが、過去の実績は皆無で、今回の公約に納得性のある根拠も示されておらず、完全な机上の空論だ。

他方、立憲民主党の原口一博衆議院議員が自民党の森山幹事長の消費税をめぐる発言に対する批判を示した。

https://x.gd/DL0ed2

森山氏が6月14日の鹿児島県内での講演で、消費税について言及。

消費税が現在、社会保障の重要な財源になっているとした上で

「消費税を守ることが国民を守ることにつながる。

政治生命をかけて維持していく」

と述べた。

消費税減税を全面的に否定した。

これに対して原口氏が批判。

記事によると原口氏は自身のX(旧ツイッター)に

「消費税を続けることは、国民を貧しくし、日本国を衰退させること。

消費税を守ることが国民を守ることなどというのは、あり得ない。

そんなものに政治生命かけられたのではたまらない。」

と投稿。

さらに、

「消費税の本質を全く理解していない危険過ぎる姿勢ではないか」

などと指摘した。

かくして、参院選の最大争点が消費税問題になる

本ブログ、メルマガで指摘しているように、いま直ちに実行するべき政策は

「消費税率5%への減税」。

同時にインボイスを廃止するべきだ。

将来的には消費税廃止を視野に入れるべきだ。

「社会保障のために消費税が必要」との主張があるが、社会保障の財源が消費税である必要はまったくない。

所得税、法人税を社会保障の財源にしてはいけない理由など存在しない

背後にあるのは財務省基本戦略。

財務省基本戦略とは、1.消費税増税、2.社会保障支出削減、3.利権支出拡大、である。

拙著

『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』(ビジネス社)

https://x.gd/nvmU9

の販売が開始になった。

参院選争点の消費税問題を完全に理解できる書として執筆した。

私は消費税のような課税について、闇雲に全面否定する立場には立っていない。

日本の社会保障制度が十分に拡充され、すべての国民に保障される生活水準が十分に高い状態が確保されているなら、財源を消費税のような税で調達することはあってもおかしくない

福祉国家として知られる北欧では社会保障水準が高い一方で、付加価値税率などが高い。

これは選択肢としてはあり得る。

しかし、日本の社会保障水準は劣悪極まりない。

生活保護など、制度を利用する要件を満たしている人の2割以下しか制度を利用できていない。

その上、役所は「水際対策」と称して、生活保護申請をできるだけ受理しない対応を示している。

最悪の社会保障制度と高率の消費税の組み合わせは〈地獄〉そのものだ。

また、「財源」が叫ばれるが、消費税率5%を直ちに実現できる財源も存在する。

参院選での消費税問題を考察するために、拙著が国民必読の書であることをアピールさせていただくことをお許し賜りたい。

『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄をさらに深堀りする新著が公刊されました。

『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』
(ビジネス社)

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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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