「情報格差」と「察する文化」 宮城道雄(市民記者) 2025年6月10日

宮城道雄(市民記者)

日本人には、会話を交わす事無く、相手のその時々の状況(立場)を「察して」、行動する 独特の文化が有ります。それは、ことわざに有る「和を似て貴しとなす」に繋がる日本民 族の誇れる文化なのです。しかし、昨今、思い通りに成らず泣き叫ぶ子供の様に、相手の 立場を「察する」事無く、批判的な論調を発する存在が目に留まる様に成りました。

2025年 6 月 4 日(水)、ヤフーニュース、「米国に物申せず、中国におもねる」前駐豪 大使の山上慎吾氏が憂う日本外交の異様事態。として、産経新聞の記事が有りました。 内容は、今の日本外交は異様な事態を迎えている。「米国に物申せず、中国におもねる」。

これが今の日本外交だ。と前置きが有り。2月の日米首脳会談の、石破首相の対応を非難 するものになっています。それは、自身が、外務事務次官、外務大臣、首相職を経験する 事無く、世界情勢に於ける日本の立場を、どの様な情報を持って認識しての発言なのでし ょう。情報は、その役職の立場で違いが有る事は、山上氏も十分に認識していると思いま す。

日本は敗戦後、米国の属国として、特殊な国政を強いられています。その様な中で、 石破首相にどの様な情報が有り、石破首相の行動に何らかの制限をもたらしている可能性 はないのか「察して」、意見を述べて欲しいものです。石破首相は、議員時代と首相になっ てからの発言が防衛問題などにトーンダウンしているとの声も聴かれます。その様な事実 を、どの様に捉えているのか、

米国との関係に於いて、山上氏がどの様な情報を得ての発 言なのか知る由も有りませんが、石破首相との「情報格差」は間違いなく有る事は明白で す。それにもかかわらず、純真に日本を思う気持ちでの発言でと思いますが、余りに幼稚 です。それは、その様に、日本人の大切な「察する」文化を忘れた山上氏が、外務省で駐 豪全権大使を務めた事での、「外務省の劣化」の著書で有れば頷けるものが有ります。

日本の特殊な状況で外交が異様なのは当然で有る事を、敗戦後から今日の状況を、「日米 合同委員会」に参加経験の有る先輩官僚から話を聞き一から学び直して欲しいものです。

日本が、異様なのは、山上氏の様な自国の現状も、正確に認識できない方が、外務省で駐 豪全権大使を務めた事実。現在、同志社大学の特別客員教授で有る事、そして、「正論」懇 話会で講演をした事なのです。それは、大学で講義を聴講する学生、「正論」懇話会で聴講 する方々に、記事に有る話では、石破首相に対する不信感を植え付ける事に成るのではな いでしょうか。

結果として、情報格差は、立場が違う事で100%有ると認識して、立場 が違う相手の行動は、日本人として、「察して」考える様にする事で、無用な争いを止め 「和を以て貴しとなす」、国民が「一致団結」した日本に成る事を願うばかりです。

2025年6月10日(火)
批評家 みちお(市民記者)

宮城道雄(市民記者) 宮城道雄(市民記者)

ご支援ください。

ISFは市民による独立メディアです。広告に頼らずにすべて市民からの寄付金によって運営されています。皆さまからのご支援をよろしくお願いします!

Most Popular

Recommend

Recommend Movie

columnist

執筆者

一覧へ