
☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年6月23日):ポール・クレイグ・ロバーツ:トランプを選挙で勝たせてくれたのはネタニヤフなのか?それともMAGAを期待した米国民なのか?
国際※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。
トランプ大統領は、米国民のための大統領であるはずだった。バイデンとは違う。バイデンは、移民・侵入者のための大統領であり、DEI(多様性・平等性・包括性)政策のための大統領であり、ロシアと交戦中のゼレンスキーのための大統領であり、誤解された犯罪者(*)や性的に倒錯した人々のための大統領だった。それならなぜ、トランプは自分がネタニヤフのための大統領であるかのような振る舞いを見せるのだろうか?
*「本来は罰せられるべき犯罪者なのにのうのうと活動できている人々」の意か
イランは米国に何ら害を与えていない。攻撃してきたわけでもないし、制裁をかけたわけでもないし、銀行準備金を凍結したわけでもないし、わが国との貿易を禁じたわけでもないし、わが国の指導者を暗殺したりもしていない。こんなことをイランにおこなったのは米国側なのだ。なぜ米国民はイランにこんなことをしてきたのだろう?答えはネタニヤフがわが国にそうしろ、と言ったからだ。
原子力や医療目的のための燃料製造に使われているイランのウラン濃縮施設の破壊に失敗したネタニヤフは、その仕事を「イスラエル最大の友人」であるトランプに委ねた。なぜトランプはこんな政府の親友になりたいのだろうか?この政府は21ヶ月間もパレスチナの市民を爆撃し、飢えさせ、さらにはイスラエル兵に実行許可を与え、赤ん坊や子どもたちのアタマを銃撃させ、いまや食料や水、薬を届けることを強制的に止めさせることで、パレスチナの人々をこの世から消滅させようとしている政府なのに。ネタニヤフと友だちになりたい人など居るだろうか?こんな大統領選が尊敬に値するだろうか?ネタニヤフのような大虐殺嗜好の友だちを欲っしているだけでなく、ネタニヤフのために米国民を戦争に引き込む覚悟ができている大統領を。私はごめんだ。
どうやらトランプは、ネタニヤフのためになることをするために、米国を傷つけ、米国民の生命を犠牲にしてイスラエルによる新たな戦争の助けにするつもりのようだ。
トランプさんよ。ネタニヤフに言われた以上に、イランと対決するつもりだとしたら、貴殿が求めていた国内の取り組みへどうなるのかね?米国の国境を守るのはやめて、イスラエルの国境を拡げるだけで済ましてしまうつもりなのか?
大イスラエル構想ではなく、ガザを中東における米国の植民地開発の拠点にしようとしていた話はどうなったのかい?ガザを米国の所有地にして、そこを開発計画の第一歩にするつもりじゃなかったのかね?ネタニヤフに、大イスラエル抗争に従うよう説教でも喰らったのかね?
24時間でウクライナを平和にする、っていう話はどうなったい?プーチンと面会して話もしてないし、ロシアがNATOがロシア国境まで迫っていることに懸念を示していることもおわかりになっていないし、明らかな解決方法は、相互安全保障合意にあることも全くわかっておられない。その相互安全保障合意さえあれば、問題は解決するのに。そうしないから、また新たな愚か者がロシアの戦略軍を攻撃しようとするだろうに。どうして貴殿は、核戦争の脅威をロシアと相互安全保障合意を結ぶことより軽くお考えなのか?相互安全保障合意のどこが間違っているというのか?その答えは、米国の軍・安全保障複合体が、貴殿が敵国を排除しようとすることを許さないからではないのかい?そんなことをされたら、連中が予算や権力を使う正当性が無くなってしまうからかね?米国に残った最後の産業は軍事産業だけのようだ。それなしで、わが国は生き残れない、という訳かい?
トランプさんよ。米国内の裁判所が邪魔をして、貴殿がおこないたいと考えている不法移民者の国外追放処分や、貴殿が有する連邦政府の政策や予算執行を管理するための行政権力が行使できない状況や、州や地方の民主党の当局者が貴殿の主張している国境を管理するという努力に反対している状況や、非政府組織や基金が国外追放処分に反対する反乱に資金を出している状況があるのに、なぜ限られた時間や情熱を外国の戦争に向けておられるのかい?ネタニヤフが貴殿をイランとの戦争に引き込んだ後で、貴殿は中国との戦争をおっぱじめる気かい?欧州の愚者たちが、ロシアとの戦争に手を染めたら、貴殿は欧州の援護のために、米国民を送り込むおつもりか?
トランプさんよ、貴殿は米国の大統領に選ばれたのであって、世界の大統領に選ばれたのではない。いまのわが国は多くの問題で沈没しそうになっている。それなのにどうして、他国の問題に首を突っ込もうとするのか?貴殿の愚かな前任者たち、つまりダビヤ(ジョージ・ブッシュ)・チェイニーやオバマ、バイデンのことだが、彼等は既にイスラエルのために5つもの国を破壊してきた。6番目の国として、貴殿がイランを破壊するとなれば、ネタニヤフは7番目の国としてサウジアラビアを、8番目にはパキスタンを指し示すことになろうよ。 9番目はトルコかな?貴殿は大虐殺嗜好者ネタニヤフのために大イスラエル構想を実現させた人物として歴史に名を残すことになるつもりかい?それって自慢できることなのかしら?
貴殿が大統領に選ばれたのはそんなためではない。
貴殿は自身の支持基盤に気を遣った方がいい。米国の支配者層が、貴殿が好き勝手にやっているという結論を下し、民主党よりの共和党員が民主党と手を組み、貴殿を弾劾し始めても、落胆した貴殿の支持基盤である市民たちは貴殿を救おうとはしないだろう。貴殿は弾劾され、有罪判決を受け、貴殿の支持基盤の人にも同じ目に合わされるだろう。DEIの特権が復活し、国境の開放もそれに続くだろう。それと同時にこの国の白人の異性愛者は自身が二級国民扱いされることに慣れっこになってしまうだろう。こんな国になってしまったのは、民主党がそんな国をつくろうとしてきたからだ。いわば、旧約聖書の創世記に出てくる滅ぼされた都市ソドムとゴモラや倒されたバベルの塔のような国を作ろうとしてきたのだから。第三世界からの移民者により国が崩壊するというフランスの小説、『聖者の野営地』のような状況か前進し、ドナルド・トランプさんよ、貴殿が白人追放の最後の扉を開けることになってしまうだろう。
※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS http://tmmethod.blog.fc2.com/
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また英文原稿はこちらです⇒Is Trump’s Constituency Netanyahu or MAGA-America?
筆者:ポール・クレイグ・ロバーツ(Paul Craig Roberts)
出典:自身ブログ 2025年6月19日https://www.paulcraigroberts.org/2025/06/19/is-trumps-constituency-netanyahu-or-maga-america/