
6月29日のウクライナ情報
国際6月29日のウクライナ情報
安斎育郎
❶ウクライナ、結束を確認 NATO首脳会議で一定成果(KYODO、2025年6月27日)
【ハーグ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領はオランダ・ハーグでの北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を終え、26日までに帰国の途に就いた。ウクライナ加盟問題は会議の主要議題にならなかったが、ゼレンスキー氏はトランプ米大統領ら加盟国首脳と会談し結束を確認。後退も危ぶまれたNATOとの関係を保つ「一定の成果」(ウクライナ政府高官)を上げた。
今回の首脳宣言ではロシアを「長期的な脅威」と位置付けたが、ウクライナ侵攻を直接非難する表現はなかった。昨年の宣言で「不可逆的」としたウクライナ加盟についても言及なし。加盟に反対するトランプ氏への配慮がにじんだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e1661cec0153ddfc28b1d903737f7ee240da005e/images/000
❷EU、ウクライナ支援一致できず 再び足並みに乱れ(KYODO、2025年6月27日)
【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)は26日、ブリュッセルで首脳会議を開いた。ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援が主要議題だったが、親ロシアのオルバン首相率いるハンガリーが反対し、全会一致の合意文書には盛り込めなかった。このためハンガリー以外の26カ国は、支援強化方針を盛り込んだ別の文書を採択した。
3月の首脳会議でも同様の事態が発生しており、足並みの乱れが再び表面化。ロシア寄りとして知られるオルバン氏はトランプ米大統領とも親密で、今年1月にトランプ氏の2期目が始まってからは、ウクライナを巡る立場の違いがEU内で一層鮮明になっている。
オルバン氏は26日、首脳会議を前に記者団に対し、ウクライナのEU加盟の是非を問う調査を郵送やオンラインで実施したところ、回答した約220万人のうち95%が加盟に反対したと明らかにした。オルバン氏は「強い負託を受けてここに来た。ウクライナのEU加盟を支持しない」と強調した。ハンガリーの人口は約958万人。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b109858102b4f7f4d1e981f9754c2be75591fcf/images/000
❸ ウクライナ加盟支援を言明 宣言なしもNATOトップ(KYODO、2025年6月26日)
【ハーグ共同】北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は25日、首脳会議終了後に記者会見し、ロシアの侵攻を受けるウクライナについて「NATO加盟に向けた不可逆的な道を支援し続ける」と言明した。
首脳宣言にはウクライナ支援継続が盛り込まれた一方、ロシアとの和平仲介に乗り出した米国への配慮から、加盟問題は触れられていない。ルッテ氏は記者会見であえて強調することで、NATOの方針に変化がないことを示した。
首脳会議では、軍関連インフラも含めた加盟国の防衛支出を国内総生産(GDP)比5%にすることで合意。ルッテ氏は加盟国が負担を分かち合うことは米国が数十年間求めてきたことで「同盟がより安定し、公平になる」と成果を誇示した。日本などで進む防衛費増の議論への影響については「助言する立場にはない」と回答を避けた。
トランプ氏はNATOに懐疑的だが、ルッテ氏はNATOの根幹である集団防衛を定めた同条約第5条について「米国は完全に順守する」とし、NATOは盤石だと主張した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/17d5a8dff1c5c88803c15d088595976038a27b56/images/000
❹ロシア、リチウム鉱床掌握か ウクライナ、北東部で反攻(ロイター、2025年6月27日)
【モスクワ、キーウ共同】ロシア国防省は26日、ウクライナ東部ドネツク州の集落シェフチェンコなど2集落を制圧したと発表した。シェフチェンコにはリチウム鉱床があり、ウクライナ軍が多数の兵士を投入して防衛を続けてきたとされる。
一方、ウクライナ軍のシルスキー総司令官は26日、ロシア軍が5~6月に攻勢を強めたウクライナ北東部スムイ州で「敵の部隊を後退させ、戦線を安定化させた」と反攻を表明した。
ロシア西部クルスク州のヒンシュテイン知事代行は26日、ウクライナ軍の無人機攻撃でフェニックステレビの中国人記者(63)が頭部を負傷したと通信アプリに投稿した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8188d9a8c73ad0aa3f76359816248c6836b2a1cc/images/000
❺スコット・リッター:ロシアは容赦なく前進、ゼレンスキーの戦略は完全に崩壊(2025年6月26日)
世界中の見出しが中東情勢を騒然と報じる中、ウクライナの戦場は静かに崩壊しつつある。スコット・リッターはこの徹底分析で、ウクライナ北部と中央部の防衛体制が崩壊しつつある衝撃的な実態を暴き出す。スミの決定的な失敗からクピャンスク包囲、ノヴォパヴリウカの防衛線の崩壊まで、ロシアの多角的攻撃はキエフの計画を粉々に砕きつつある。NATOの注意が逸れ、米国がイランに焦点を移す中、ウクライナは敗北を喫する戦争を孤独に戦うしかない。リッターは、西側メディアが決して認めようとしない事実を明らかにする。これは単なる戦況の転換ではなく、完全な壊滅であり、次のドミノ倒しは既に始まっているのだ。
https://youtu.be/K3daUZTdNDM
https://www.youtube.com/watch?v=K3daUZTdNDM
❻トランプ大統領のゼレンスキー大統領に対する失望は深まるばかりだ!ロシアのラブロフ外相(2025年6月26日)
ラブロフ外相:クリミア半島にNATOの軍事基地を建設する計画があることは周知の事実です!
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、第11回国際科学専門家フォーラム「プリマコフ・リーディングス」で質問に答えました。特に、イラン・イスラエル紛争とウクライナ紛争に関する質問に答えました。
https://youtu.be/WCO5Z-NCpL4
https://www.youtube.com/watch?v=WCO5Z-NCpL4
❼燃え盛るロシアの「黒海艦隊」…ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に(Newsweek、2025年6月27日)
ウクライナ政府は、ロシア黒海艦隊に所属する船艇をウクライナ軍が撃沈したと発表した。ウクライナ国防省が公開した映像には、ヘルソン州の西部沖を航行していた同船が撃沈される瞬間が映っている。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナに全面侵攻して以来、黒海艦隊は繰り返し標的とされてきた。
ウクライナのドローンと巡航ミサイルによる艦隊攻撃の成功を受け、ロシアはそれ以上の損失を避けるため、占領しているクリミア半島の港から黒海艦隊の一部を移動させている。今回ウクライナ軍に攻撃された船は、陸上部隊を輸送中だった。
ウクライナ国防省は6月24日、「敵の部隊を乗せたロシア黒海艦隊の船がまた1隻、ヘルソン州西部沿岸沖を移動中に破壊された」とXで発表。国防省は、ウクライナ海軍が捉えたこの攻撃の映像も公開している。
夜間、上空から撮影された25秒の映像は、黒海艦隊の船が攻撃されて船体から大きな炎が上がる瞬間を捉えたとされる。攻撃の直後、船体から煙が立ち上る様子が見える。
ウクライナ海軍もXでこの攻撃を伝えている。「海軍部隊が昨夜、『シャヘド(Shahed)』20機とロシア黒海艦隊の船艇1隻を、ウクライナ海軍の戦力と手段を使って破壊した。敵のカミカゼドローン『シャヘド136』20機が撃墜され、ロシア黒海艦隊の船艇1隻が破壊された」
ロシア侵攻が始まって以来「28隻目の撃沈」
ウクライナのボランティアが2014年に創刊した独立系英語ニュースサイト「ユーロマイダン・プレス(Euromaidan Press)」によると、ロシアの船艇がウクライナに撃沈されたのは、ロシアの全面侵攻が始まって以来、これで28隻目だった。この中にはロシアの旗艦「モスクワ(Moskva)」も含まれる。
黒海艦隊の旗艦だったミサイル巡洋艦モスクワは、今回の戦争が始まって間もなくウクライナ軍に撃沈され、プーチンに屈辱的な打撃を与えた。
ウクライナの軍事専門メディア「ディフェンス・エクスプレス(Defense Express)」によると、ロシアは現在、モスクワをはるかにしのぐ大型艦の建造を急いでいる。
4月に同メディアが掲載した衛星画像には、プロジェクト23900イワン・ロゴフ級強襲揚陸艦2隻のうち1隻の建造が進む様子が映っていた。同艦はヘリコプター15機を含めて軍事装備を最大90基搭載できると伝えられている。
現在建造中のイワン・ロゴフ級艦ははるかに大型になると報じられており、今回の戦争で黒海艦隊の損失が相次ぐ中、ロシアが海軍の威信を取り戻そうとする狙いが見える。
イギリス国防省は2月、ウクライナがロシア黒海艦隊を「著しく弱体化させた」と指摘していた。
(翻訳:鈴木聖子)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a06e217978f60ffc995d30b8fce006458b1c25e1/images/000
❽駐ロシア米大使が離任、モスクワ離れると大使館発表(2025年6月27日)
[モスクワ 27日 ロイター] – 在ロシア米国大使館は27日、トレーシー大使が離任しモスクワを離れると発表した。
トレーシー氏はキャリア外交官で、バイデン前政権でロシア大使に任命された。2022年のロシアによるウクライナ侵攻で急激に悪化した米ロ関係の修復を探る中での離任となる。後任の大使はまだ発表されていない。
大使館によると、トレーシー氏は「このような困難な時期に、国を代表してモスクワで活動できたことを誇りに思う。私はロシアを去るが、大使館の職員は引き続きロシアとの関係を改善し、ロシアの人々との絆を維持するために働き続けるだろう」と述べた。
トレーシー氏は在任中、ジャーナリストのエバン・ガーシュコビッチ氏などロシア当局に逮捕された米国人の解放に尽力した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1a9b6b2fd75412d95a414cc52203d95064a2613e/images/000
❾“新型極超音速ミサイル”ロシアで量産が開始される 既存の防空システムでは迎撃不可能との話も(2025年6月25日)
ロシアで中距離極超音速ミサイルシステム「オレシュニク」の量産が開始されていることが、2025年6月23日のウラジーミル・プーチン大統領の発言により明らかになりました。
プーチン大統領は、軍事士官学校の卒業式にビデオメッセージで出演し、「最新の『オレシュニク』中距離ミサイルシステムの量産が進行中である」と語りました。
「オレシュニク」は、2024年11月21日にウクライナの都市ドニプロにある防衛関連施設を攻撃した際、初めて実戦投入されました。当初は中距離弾道ミサイル(IRBM)と報じられていました。
射程については最大5,500kmに達するとされており、ロシア領内からウクライナのみならず、ヨーロッパ全域やアメリカの一部にまで到達可能な距離です。
プーチン大統領は以前、「このミサイルは迎撃不可能であり、核兵器に匹敵する破壊力を持つ」と述べています。仮にプーチン大統領やロシア政府の主張が事実であれば、このミサイルはマッハ5以上の極超音速で飛翔し、かつ従来の弾道ミサイルとは異なり、飛行途中で軌道を変更できるため、着弾位置の予測が困難で、既存の防空システムでは迎撃が著しく困難とされます。
また、2025年後半にこのミサイルシステムを、ロシアおよびウクライナの隣国であるベラルーシに配備する可能性についても、以前プーチン大統領が言及しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/94e38603b5bc03adc82f07917cd29d13e986476a/images/000
❿ゼレンスキー氏はトランプ大統領との会談にスーツを着ていたが、そのせいで事態は悪化した!(2025年6月26日)
NATOサミットでは、ゼレンスキー大統領がトランプ大統領から遠く離れた場所で共同写真撮影を行いました!
NATOサミットでは、ワシントンの主導により、声明文から反ロシア的な論点が全て削除されました!
https://youtu.be/Z7nFOZ3T8_4
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1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。