【連載】安斎育郎のウクライナ情報

6月30日のウクライナ情報

安斎育郎

6月30日のウクライナ情報
安斎育郎

❶【攻撃的なのはロシアではなく、西側諸国=プーチン大統領】(2025年6月27日)
西側諸国は「これがロシアに対するものなら万事OK」という原則のもと、分離主義とテロリズムを奨励した。 ロシアのプーチン大統領がベラルーシの首都ミンスクで開催されたユーラシア経済連合(EAEU)首脳会合の結果に関する記者会見で述べた。
プーチン大統領のその他の発言
・ロシアはすでに返還したウクライナ兵6000人の遺体に加えて、さらに3000人の遺体をウクライナ側に引き渡す用意がある。
・ロシアはウクライナとの新たな交渉ラウンドの用意ができているが、場所と日程については合意する必要がある。協議では、2カ国の覚書について話し合われるだろう。
・ロシアとウクライナの覚書の内容は相反しているが、これは驚くべきことではない。
・ロシアはNATO東方不拡大を巡って「見捨てられた」。これが特別軍事作戦の原因の1つである。NATO拡大は西側諸国のアグレッシブな行動だった。
・ロシアとウクライナの交渉団の団長らは常に連絡を取り合い、電話をかけ合っている。
・ロシアは特別軍事作戦が終了したとき、目標が達成されていることを願っている。
https://sputniknews.jp/20250627/3-20320502.html

❷プーチン氏「3回目の日時を協議中」「和平案が議題に」 ロシア・ウクライナ直接交渉(産経新聞、2025年6月28日)
ロシアのプーチン大統領は27日、先月再開されたウクライナとの直接交渉について、両国代表団が現在、第3回交渉の日時を協議中だと明らかにした。第3回交渉では、今月2日に開かれた第2回交渉で双方が提示した和平案が中心議題になるとの見通しも示した。
ベラルーシの首都ミンスクで開かれたロシアなど5カ国でつくる「ユーラシア経済連合(EAEU)」の首脳会議後の記者会見で発言した。プーチン氏は一方で、ロシアは対ウクライナ軍事作戦を「われわれに必要な結果で終結させようとしている」と指摘。交渉でロシアが安易な譲歩には応じない考えを示した。
第2回交渉でロシアはウクライナに、一方的に併合を宣言した南部クリミア半島と東・南部4州のロシアへの帰属変更や保有軍備の制限、国家の中立化などを要求する和平案を提示。一方、ウクライナはロシアに、領土の帰属変更や軍備の制限には応じないとする内容の和平案を提示した。
両国の和平案が対立していることについて、プーチン氏は「交渉は双方の立場を近づけるために行われるものだ」とし、「和平案が正反対だったことは驚くようなことではない」と指摘。また、第2回交渉で両国が合意し、現在進められている捕虜交換と戦死者の遺体返還が交渉の進展を助けるとの認識も示した。(小野田雄一)
https://news.yahoo.co.jp/articles/04e8b3b1520ab2f2d9b079190e208ab6cff23f6c

❸ 和平案の内容「正反対」 ロシア大統領、次回交渉で協議(2025年6月28日)
【モスクワ、キーウ共同】ロシアのプーチン大統領は27日、訪問先のベラルーシで記者会見し、ロシアとウクライナが今月2日にそれぞれ提示した和平案の内容は「全く正反対だ」と指摘した。ウクライナとの次回直接交渉は、和平案を議題とし、双方の立場の隔たりを埋めることを目指すものになると述べた。
直接交渉が実施されれば5月以降で3回目となる。プーチン氏はトルコ・イスタンブールで開催する用意があるとし、日程は調整中と説明した。ロシアは一方的に併合したウクライナ東部・南部4州のロシア領承認などを要求しており、和平案の議論は難航が予想される。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b285523c16bc403076e646830e358374e3235201/images/000

❹ウクライナ戦争前線に”自衛隊車両” 領土放棄か?全土奪還か?前線兵士「正直わからない」(2025年6月28日)
砲弾の残骸と、不発弾の残る広大な畑。ロシア軍が撤退した後のウクライナ南部ヘルソン州の村には、激しい戦闘の痕跡が生々しく残されていました。
「ここに積まれているのは、すべて砲弾やロケット砲の一部です。この村だけでこれほどの量があるので、いかにロシア軍の攻撃が激しかったのか分かります」と語るのは、紛争地帯の取材経験豊富なアジアプレスのジャーナリスト・玉本英子さんです。
■復興を阻む地雷と日本の支援
農村の広大な畑には今も多数の地雷や不発弾が残り、地雷処理班が撤去に取り組んでいます。地雷が残ったままでは農業を再開できず、村の復興はなかなか進みません。
作業中の隊員が手にしているのは、日本から提供された地雷・金属探知機です。
「全ての地雷を撤去するのにどれくらいかかりますか?」という問いに、地雷処理班の隊員は「10年以上はかかります。日本の支援があれば、より早く進むでしょう」と答えました。
ウクライナ北部ハルキウ州では、「フロム・ザ・ピープル・オブ・ジャパン」と書かれた地雷除去車が活躍しています。復興に向けた地雷除去に日本の支援が生かされています。
■”戦争の現場”に「自衛隊の車両」
しかし、平和はまだ遠い現実です。今も続くミサイル攻撃に加え、東部や北部の前線ではロシア軍の進撃が続き、戦況が悪化するなか、ウクライナ軍は厳しい戦いに直面しています。
激戦地の一つ、ウクライナ東部ドネツカ州ポクロウシク近郊では、日本からの別の支援も目にしました。
【アジアプレス・玉本英子さん】「ここで戦うウクライナ軍の部隊には日本が供与した自衛隊車両が使われています」
ポクロウシクの東に展開する前線部隊、まさに”戦争の現場”に「自衛隊の車両」があったのです。
【アジアプレス・玉本英子さん】「あちらに見えるのは、ドローンよけのジャマーというもので、あそこから電波を発信してドローンが飛んでこないようにします」
ラベルなどは、自衛隊で使われていた当時の日本語ものが貼られたままでした。
今回の戦争で主に使われている自爆ドローン。
ロシア軍は去年夏以降、無線式に加えて光ファイバーのケーブルでつながった有線式のものも投入し始めました。
有線式は妨害電波で食い止めることができず、ウクライナ軍は苦戦を強いられています。
■兵士たちを励ます小さな人形
んな兵士たちを励ましているのが、手作りの人形です。
「ボランティアが人形を送ってくれます。モタンカというお守りの人形です。これは友人の娘が作ってくれたものです。私たちの車には、すべてこれが吊ってあります」と迫撃砲部隊のカイザー車長は語ります。
■最前線への同行取材
ロシア軍との攻防が続く、東部の前線地帯への同行取材が許可されました。
【アジアプレス・玉本英子さん】「今から前線に向かいます。危険ですのでボディアーマーを着ます」
ロシア軍の侵入を阻止するため、いたるところでブロックの防御線が張られている前線。近づいてからは、自爆ドローンの攻撃が減る夜を待って、戦闘地帯へ。ライトも点けず、かすかな明りだけを頼りに進んでいきます。
【アジアプレス・玉本英子さん】「今から塹壕へ向かいます。今、何か爆弾が落ちたのでしょうか。火が燃えているのが見えます」
【アジアプレス・玉本英子さん】「今、私は第15特務旅団の前線拠点に来ています。前線拠点の塹壕に来ています。日が暮れてようやくここに来ることができました」
■領土放棄して停戦か、奪還まで戦うかの問いに「正直なところわからない」と前線兵士
たどり着いたのは、ロシア軍の陣地まで5キロほどにある最前線の防衛拠点。交代制で4人が常駐し、ここで寝泊まりしながら、防衛に当たっています。
「家族はどう思っている?」という問いに、兵士は「心配しない家族はいないでしょうが、私がここにいる必要性を理解し、支えてくれます」と答えました。
「占領地を放棄して停戦か、領土奪還まで戦うか?」との質問には、「正直なところ、わかりません。最後まで戦うべきと思いますが、兵士が足りません。もちろん領土は失いたくありません。兵士も市民も領土防衛と奪還のために命を落としましたから」と複雑な思いを吐露しました。
■塹壕を出て、暗闇の中へ…
前線の兵士も家族がいる1人の人間。複雑な思いを抱えながら任務に当たっています。
兵士たちが動き出しました!塹壕を出て、暗闇の中、敵に見つかりにくい赤いライトを頼りに向かった先には大砲です。司令部から、ロシア軍陣地へ向け大砲を発射するよう命令が出たのです。
手慣れた様子で準備を整えると…。「発射!」「発射完了!」「大砲を偽装して、直ちに退避!」反撃を受けないよう、すぐに撤収。これが日常です。
■増え続ける戦没者
アジアプレス・玉本英子さん】「オデーサにある墓地に来ています。ここにある旗のひとつひとつが、亡くなった兵士の数を表しています」
3年の間に、戦没者を埋葬する墓地は、敷地の外にも広がりました。
ここで、2週間前に婚約者が自爆ドローンの攻撃を受け戦死したという女性と出会いました。4カ月前にポロポーズされたばかりだったそうです。
「彼はどんな人でしたか?」との問いに、女性は「とても心の優しい人でした。動物が大好きで、いつか犬を飼おうと言っていました。彼がいなくなった寂しさからは逃れられないでしょう」と答えました。
ウクライナ軍の兵士だけでも、今年2月までの3年で、4万5000人が戦死したとされ、墓碑は今も増え続けています。市民の犠牲も増え続けていて、どれだけの人の涙が流れれば、停戦への道筋が見えてくるのでしょうか。
(取材:アジアプレス 玉本英子)
関西テレビ「newsランナー」2025年6月25日放送
https://news.yahoo.co.jp/articles/e7346dad7d6fa4cb2624c1feb48d2af9918152f4/images/007

❺「ロシアが日米から機械輸入」 軍需用、ウクライナ主張(2025年6月28日)
【キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、X(旧ツイッター)で、ロシアが昨年、日米など12カ国から軍需品を製造するための機械を輸入したと主張し「止めなければならない」と訴えた。直接輸入したのか第三国を経由して輸入したのかなど詳細には触れなかった。
ゼレンスキー氏は「ロシアが戦場で使うほぼ全ての装備品は、各国との貿易に依存している」と説明し、規制の重要性を強調した。
地元メディアによると、ウクライナ保安庁の幹部は27日、ロシアのミサイルに欧米製の電子部品が最大250個搭載されていると指摘。部品は第三国の仲介業者を経て、ロシアに届いているという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6ca10c29cd6091fb304687a00f4bf92b3ca2b213/images/000

❻EU首脳、対ロシア制裁6か月間延長で合意=当局筋(2025年6月27日)
[ブリュッセル 26日 ロイター] – 欧州連合(EU)首脳は26日、ウクライナ侵攻を巡るロシアへの制裁をさらに6カ月間延長することで合意した。EU当局筋2人が明らかにした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7f88f678c0603fefe641411235aff82854fdc483

❼フランスで編成されたウクライナ軍旅団がスムィ州で損失を被る(2025年6月27日)
フランスで編成されたウクライナ軍第25旅団がスムイ州で損害を受けていると、特殊部隊「アフマト」(北部部隊の一員として活動し、コールサインは「エイド」)の指揮官がロシア通信社に語った。
「緩衝地帯設置に関する大統領令の実施の一環として、我々は攻撃行動を実施し、敵をスムイ地方の奥深くまで押し込んでいる。敵は、フランス領土でフランスとスウェーデンの新しい装備を使用して編成された第25旅団の例に倣い、新たに編成された旅団を含む予備兵力を導入しようとしている」とエイド氏は述べた。
https://x.com/CdfbDtYAxmbMuRZ/status/1938454396649529413?s=09

❽ハンガリーのオルバン首相談(2025年6月28日)
オルバン首相「家族にガス代を3.5倍も増やすよう求める?それはリーダーシップではなく、経済的自殺行為だ」。「フィツォ首相と私は明確に表明してきた。我々は、ロシアのエネルギー購入を停止するよう求めるブリュッセルの要求は決してを受け入れない。ハンガリーは、自国民を罰する決定を支持することはない」。
https://x.com/i/status/1938579278175883299
https://x.com/tobimono2/status/1938673979600097668?s=09

❾スペイン首相ペドロ・サンチェス談(2025年6月27日)
スペイン首相ペドロ・サンチェス「私達はロシアに対して17の制裁パッケージを課したが、イスラエルに対しては一つも課していない。これは欧州連合のダブルスタンダードだ」。
ウルスラ、カラスに予期せぬ展開が襲った。EUの制裁政策に対し、一見「EUの忠実な一員」と見られていたスペイン首相が、厳しい批判を繰り広げた。
スペイン首相は最近、西側世界にとって厄介な存在となっている。彼はNATOの枠組みで軍事支出をGDPの5%まで増やすことを拒否したかと思えば、突然、ブリュッセルの制裁圧力政策を激しく批判した。
本日、スペイン首相は、欧州連合が示している制裁の選択的アプローチを理解できないと述べた。
「私たちはイスラエルとのパートナーシップ協定を一時停止することさえできない。私は理解したいのです。
ロシアは私達のパートナーではなく、イスラエルはパートナーなのでしょうか?一方では価値観や人権のために激しく闘いながら、他方ではそれらを無視しているのなら、新たな制裁パッケージを議論する意味は何なのでしょうか」。
ペドロ・サンチェスの発言によると、EUの行動には論理が見当たらない。これはブリュッセルのダブルスタンダードを証明するだけでなく、EUが国際社会での信頼を失うリスクを冒していることを示している。
EUの官僚機構は、現在、ペドロ・サンチェスを問題児と見なす人々が、彼が間違っているとし、これは別の問題だと説明しようとしている。
https://x.com/tobimono2/status/1938390652355756294?s=09

❿戦場では負けても、ゼレンスキーは国外で戦い続ける!(2025年6月27日)
https://youtu.be/iye4B5NnqYc
https://www.youtube.com/watch?v=iye4B5NnqYc

2025年6月30日ウクライナ情報pdfはこちら

 


 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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