
植草一秀【連載】知られざる真実/2025年7月 3日 (木) ゆ党が伸びても政治腐敗は不変
社会・経済参院選では125議席が争われる。
参議院定数の2分の1は124だが、非改選議席の欠員補充の選挙も同時に実施されて新たに選出される議席は125。
自公の非改選議席は75。
自公が125議席の50議席を獲得すれば参院過半数を制する。
石破首相は自公で50という勝敗ラインを引いた。
著しく低いハードル。
参院選は比例代表で50議席、選挙区で74議席(欠員補充を含めて75議席)を争う。
選挙区定数は以下の通り。
6 東京(欠員を含めると7)
4 埼玉 神奈川 愛知 大阪
3 北海道 千葉 兵庫 福岡
2 茨城 静岡 京都 広島
1 残りの32選挙区
鳥取・島根、徳島・高知は合区。
勝敗を分けるのは32の1人区。
議員10人以上の野党は立民、維新、共産、れいわ、国民の5党。
32の1人区で一本化が実現したのは、
岩手、秋田、福島、新潟、長野、三重、岡山、山口、徳島・高知、愛媛、佐賀、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の16県。
残る16選挙区では、
青森、宮城、石川など13選挙区で2党、
福井と滋賀で3党、
奈良で4党が競合。
自公の獲得議席が50を下回れば、自公の政権与党は参院でも過半数割れになる。
石破首相の退陣は避けられない。
仮に自公が50を上回っても大勝にならなければ、衆院の与党少数を踏まえると政権の安定運営が叶わない。
連立の組み換えが生じる可能性が高い。
日本政治は与野党対立の時代を終えた。
新たに〈ゆ党〉が誕生し、拡大している。
与党・ゆ党・野党の時代に移行している。
裏で糸を引いたのはCIA。
自公の賞味期限切れを見越して〈ゆ党〉創設に力が注がれてきた。
象徴的な契機は2008年放送のフジテレビ月9ドラマ『CHANGE』。
『CHANGE』の由来は”Initiative of Change=IC”であると思われる。
ICはMRA=Moral Rarmament”が名称変更されたもの。
MRAは米国で勃興した反共産主義運動である。
本尊はロックフェラー。
日本にも拠点を置き、日本の反共活動を推進してきた。
CIAが日本における反共活動の拠点としたのが統一協会とMRA。
統一協会と密接な関りを有したのが民社党と同盟。
民社党は1960年にCIAの資金支援などを受けて創設された。
見た目は野党だが中身は与党。
元祖〈ゆ党〉が民社党。
その民社党の支援母体が同盟。
同盟の研修機関が富士政治大学校。
反共教育の拠点である。
MRAは〈労使協調路線〉を反共活動の基軸に置いた。
この路線と密接に関わるのが松下政経塾。
松下政経塾もMRAとの関りが深いと見られる。
2008年に『CHANGE』が放映され、その後、〈ゆ党〉創設に膨大な力が注がれてきた。
この系譜に属するのが、みんなの党、維新、小池新党=都民ファ、国民、石丸、参政であると考えられる。
立民に対する工作が行われ、立民は21年10月を境に革新政党から隠れ与党=ゆ党に基軸を移しつつある。
〈ゆ党〉拡大はCIAの基本戦略である。
〈ゆ党〉と与党に相違はない。
〈ゆ党〉ではなく〈革新野党〉を伸長させることが参院選の最大課題になる。
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050