
植草一秀【連載】知られざる真実/2025年7月 7日 (月) 政党人気を〈創作〉する手法
社会・経済国政選挙に向けての「情報工作」が激化している。
メディアの〈情報工作〉に関して重要な証言がある。
2010年9月14日に実施された民主党代表選に関する証言。
日本経済新聞元経済部長でテレビ東京副社長の池内正人氏が、
インターネット上のサイト「あらたにす」
にこう記述した。
「大新聞が得意の世論調査をやればいい」
「これが国政選挙の場合だったら、この種の世論調査は不可能だ。選挙法に触れるかもしれない。
しかし一政党内の選挙ならば、規制する法律はないと思う。」
この記述の意味は、民主党代表選で小沢一郎氏が代表に選出されないように「大新聞が得意の」〈世論調査〉をやればよいというもの。
〈世論調査〉を世論誘導の手段として活用するとの意思を述べたもの。
国政選挙では公選法違反になるが、政党の選挙なら構わないとの趣旨。
いやしくも五大紙の一角に数えられる新聞。
インターネットサイトでこの見解を公表していることに驚かされるが、〈業界〉では当たりまえ、という感覚で記述したものだろう。
〈意図〉をもって〈人心を誘導する〉。
これが大手メディアの基本姿勢。
近年の選挙で奇妙な現象が相次いで観察されている。
石丸旋風
国民民主人気
参政人気
いずれも極めて不自然だ。
手法としては〈サクラ〉の一種と考えられる。
新規開店の店に大行列の〈サクラ〉を用意する。
これを続けると、次第に一般客が吸い寄せられる。
〈ウソから出たマコト〉
というもの。
メディアが得意とする〈世論調査〉で下駄をはかせた数値を公表し続ける。
すると〈付和雷同〉を生み出すことができる。
この手法が多用されていると見られる。
かつて、小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏が牽引する民主党が総選挙で大勝して政権樹立に成功した。
このときのメディア対応から、一つの教訓が引き出されている。
民主党躍進の起点は2006年4月。
小沢一郎氏が民主党代表に就任。
前原誠司氏が偽メール問題の処理を誤って引責辞任。
民主党は解党の危機に直面。
火中の栗を拾ったのが小沢一郎氏だった。
代表就任直後の千葉7区衆院補選で太田和美氏が勝利を飾った。
ここから民主党大躍進が始動した。
2007年参院選で大勝し、参議院第一党に躍り出た。
これと並行して展開されたのが小沢氏に対する激しい失脚工作。
2008年春の日銀幹部人事では財務省OBの起用に反対した小沢氏を失脚させる工作が展開された。
2008年秋の民主党代表選ではメディアが複数候補による代表選実施を執拗に要求。
これらの失脚工作を排除して小沢代表は決戦の2009年を迎えた。
2009年の衆院総選挙で小沢民主党が勝利すれば小沢一郎内閣が誕生していた。
これに対して既得権勢力は禁断の領域に足を踏み入れた。
冤罪捏造だ。
〈人物破壊工作〉。
しかし、2009年8月30日総選挙で民主党が圧勝して政権交代の偉業が成し遂げられた。
この経緯を踏まえてメディアの情報戦略にひとつの基本戦略が構築された。
それは以下のものである。
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050