
【櫻井ジャーナル】2025.07.08XML: タッカー・カールソンがイランのペゼシュキアン大統領にインタビュー
国際政治タッカー・カールソンはイランのマスウード・ペゼシュキアン大統領にインタビュー、その映像を7月7日に公開した。その中でカールソンはIAEA(国際原子力機関)がイランをスパイし、イスラエルへ情報を提供したとする報道について質問され、情報がイスラエルへ渡っていると考えていると答えた。イラン議会は大統領より強硬で、6月下旬、IAEAとのあらゆる協力を停止する決議を採択している。
イスラエルによる今回の攻撃で殺されたイランの核科学者は14名以上だと言われている。イランの政府機関には相当数のスパイをイスラエルの情報機関は潜り込ませていると言われているが、科学者の氏名や住所を知りうるのはIAEAだと考える人が少なくない。そうした報道をイランの大統領も認めたわけだ。
ジョージ・W・ブッシュ政権がアメリカ主導軍にイラクを先制攻撃させた際、「大量破壊兵器」という作り話を広め、それを口実にしたが、当時のIAEA事務局長モハメド・エルバラダイはアメリカ政府の言いなりにならなかった。そこで2009年12月に選ばれた人物が天野之弥だが、在任中の19年7月に死亡、同年12月からラファエル・グロッシ。グロッシは天野と同じように、アメリカに従順だと言われている。
アメリカ主導軍がイラクを攻撃する1年前の2002年3月28日、イギリスのトニー・ブレア首相はアメリカのコリン・パウエル国務長官に対してアメリカの軍事行動に加わると書き送っている。攻撃が翌年になったのは、アメリカの統合参謀本部内でイラク攻撃に反対する意見が多かったからだと言われている。
そうした逆風のためか、ブレア政権は2002年9月に「イラク大量破壊兵器、イギリス政府の評価」というタイトルの報告書を作成している。いわゆる「9月文書」だ。これはメディアにリークされ、サン紙は「破滅から45分のイギリス人」というセンセーショナルなタイトルの記事を掲載、人びとの恐怖を煽った。この報告書をパウエル国務長官は絶賛したが、大学院生の論文を無断引用した代物で、しかもイギリス政府はその文書をイラクの脅威を強調するため改竄している。
今回、イギリス政府の役割をIAEAが果たしたとも言えるが、イスラエルが攻撃する直前、イランの当局者はイスラエルの機密文書を押収したと発表している。その中にはイスラエル占領下のプロジェクトと核施設に関する数千点の文書が含まれ、グロッシ事務局長とイスラエルとの連携を示す情報が存在することも判明したという。
IAEAのイランに関する報告書はパランティア・テクノロジーズなる会社のAI(人工知能)によって作成されたが、この会社は2003年、つまりアメリカ主導軍がイラクを攻撃した年にCIAのベンチャー・キャピタル部門であるIn-Q-Telからの資金で創設されている。
この会社はイスラエルの情報機関とも関係が深く、共同創設者のひとりで現在会長を務めているピーター・ティールはドナルド・トランプ大統領を支持、J・D・バンス副大統領は彼の弟子的な存在だ。
IAEAの内部にアメリカやイギリスの情報機関員が潜入していると以前から疑われていたが、そうしたことを裏付ける機密文書が出てきた。インターネットメディアのグレイゾーンが入手した文書によると、潜入していたのはイギリスの対外情報機関MI6のニコラス・ラングマンだ。
国際機関はアメリカ支配層の影響下にあると言われてきたが、IAEAはその具体例になった。すでにWHOへの信頼は失われているが、さらにIAEAも同じ道を進んでいる。NPT(核拡散防止条約)の崩壊を懸念する人もいる。
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