【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年7月 9日 (水) 参政党に関する注意喚起

植草一秀

参院選で絶対に投票してはならない政党は参政党。

自公には投票しない。

維新、国民民主、保守にも投票しない。

立民への投票も回避するべきだ。

参政党は斬新な提案を示す。

農業再興・食料自給・オーガニック給食推進に賛同する国民は多い。

また、ワクチンの危険性を明確に訴えた唯一とも言える政治勢力である。

逆に言うと、この二つの政策提示で○○ホイホイのように有権者が参政党支持に吸引されているように見える。

重要情報を知らずに参政党支持者になってしまっているように見える。

2022年6月4日。

東京・曳舟で「選挙でコロナを終わらせる!」シンポが開催された。

私は「なぜ、既成政党はコロナとワクチンを止めないのか」との演題で基調講演をした。

第2部のパネルディスカッションには参政党の松田学氏、前衆議院議員で弁護士の青山雅幸氏、参議院議員の須藤元気氏、元横須賀市議の一柳洋氏が出席された。

司会を務めたのは鎌倉市議の長嶋竜弘氏。

イベントを企画されたのは一柳氏。

一柳氏は「コロナとウクライナと温暖化」がグローバル巨大資本の陰謀であるとの見立てを示していた。

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私の見解と同一のもの。

ただし、イベントはさながら参院選に向けての参政党決起集会の様相を示した。

私はワクチンに対する見解を共有したが、参政党とは国家観、歴史認識が異なる。

壇上で政治的立場が松田氏とは異なることを明言した。

参政党が掲げるワクチンへの警鐘、食料自給とオーガニック農業の重要性指摘については考えを共有する。

しかし、参政党の本質はこの点にはない。

参政党は憲法改正草案を示している。

参政党を知ろうとする有権者は参政党の改憲草案をじっくりと読む必要がある。

「参政党が創る 新日本憲法(構想案)」
https://sanseito.jp/new_japanese_constitution/

また、参院選公約を熟読するべきだ。

https://sanseito.jp/sanin_election_27_policy/

参政党の提案は「改憲」ではない。

「創憲」である。

これは「憲法改正」の範囲を逸脱するもの。

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日本国憲法は96条に改正の規定を置いている。

しかし、規定しているのは「改正」であって「制定」ではない。

憲法の基本原理である平和主義・国民主権・基本的人権尊重の変更は認められないとの考え方が有力。

基本原理改定は「改憲」ではなく「壊憲」である。

国家転覆と言ってもよい。

刑法第77条の内乱罪に該当するものと考える。

参政党の基本スタンスは日本を大日本帝国憲法の時代に巻き戻すものと言ってよいだろう。

天皇を中心とする「日本の國體」を創ることを唱えている。

参政党憲法草案第一条には

第一条 日本は、天皇のしらす君民一体の国家である。

の条文が置かれる。

第五条に次の条文が置かれる。

第5条 2 国民は、子孫のために日本をまもる義務を負う。

「日本人ファースト」を掲げ、極めて強い排外主義の主張を展開する。

日本国憲法をほぼ全面的に否定する政治勢力と見なしてよいと思われる。

メディアが参政党伸長に全面加担しているが、その背後にCIAの意思が働いていると考えられる。

参院選で参政党に投票することは忌避するべきと考える。

※なお、この記事は下記からの転載であることをお断りします。
植草一秀の『知られざる真実』2025年7月 9日 (水)「参政党に関する注意喚起」

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/07/post-790947.html

 

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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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