
植草一秀【連載】知られざる真実/2025年7月15日 (火) ゆ党拡大がもたらす暗黒日本
社会・経済石破首相が窮地に追い込まれている。
参院選は125の議席をめぐる戦い。
参議院定数248の過半数が125。
非改選議席は自公が75、非自公が48。
新たに選挙で選出される125議席のうち、自公が50議席を獲得すれば過半数を維持できる。
極めて低く設定した勝敗ライン。
万が一、この勝敗ラインを下回れば自公の政権与党は衆参両院で過半数を割り込むことになる。
石破首相は確実に引責辞任に追い込まれる。
政権維持はが困難になるからだ。
自公政権を維持することは困難で代替策が講じられる。
連立内閣組み換えになるだろう。
非自公が結束すれば非自公政権を樹立できるが非自公勢力のなかの分断が深刻。
非自公勢力は「野党」と「ゆ党」によって構成されている。
「ゆ党」は「見た目は野党、中身は与党」。
「野党」より「与党」に近い。
今回の参院選では「ゆ党」が伸長すると見られている。
「ゆ党」は新しい政権の創設に際して「野党」と共闘せずに、自公との連携を優先させる可能性が高い。
参院選で自公が過半数に転落すると政治が大きく変わるとの印象が持たれやすいが、自公とゆ党が引き続き政治の実権を握るなら大きな変化は生じない。
むしろ懸念が拡大する。
自民が一気に国民支持を失った背景は金権腐敗。
不正な裏金を受領しながら、その全貌さえ明らかにしない。
国民が窮乏生活を強いられているのに政権与党は金権まみれの政治を続けている。
このことに対して国民が怒り心頭に発している。
問題改善に何が必要か。
答えは明白。
企業献金を全面禁止するべきだ。
金の力で政治が支配される。
政治の側は金儲けを目的に政治を行う。
この根幹を断ち切るのが企業団体献金の全面禁止。
国民は巨額の政党交付金を負担している。
政党交付金制度を創設する際に企業献金を廃止することが確約された。
ところが、政党交付金制度が創設されたのに企業献金制度を維持している。
2025年度の通常国会で企業団体献金全面禁止を法定化できたが自公と国民民主が結託して、法律制定を阻止した。
インフレが進行して国民生活が疲弊している。
国民生活を支えるために消費税減税断行が求められている。
2025年度の通常国会で消費税減税を検討すべきだった。
しかし、所得税の所得控除を一部改訂しただけで終わった。
財務省と自公、国民民主が結託して消費税減税を葬った。
自公とゆ党が日本政治を支配すると、この勢力が憲法を改変する可能性が高い。
自公とゆ党による日本政治支配は暗黒しかもたらさない可能性が高い。
主権者が伸長させねばならないのは「野党」。
しかし、若者世代が「ゆ党」を支持していると伝えられている。
「ゆ党」の側は若者が飛びつく材料を意識して掲示。
しかし、その内容は極めて不確かだ。
参院選結果を受けて石破首相が辞任して新しい政権の枠組みが構築されても日本政治は刷新されない。
そのことが十分に理解されるまで日本政治のダッチロールが持続する可能性が高い。
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植草一秀の『知られざる真実』2025年7月15日 (火)「ゆ党拡大がもたらす暗黒日本」
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050