【連載】櫻井ジャーナル

【櫻井ジャーナル】2025.07.16XML: 西側の停戦要求は時間稼ぎだと認識しているロシアは攻撃の手を緩めない

櫻井春彦
2025.07.16

XML

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 ドナルド・トランプ米大統領は思い通りに事が進まないため、苛立っている。ウクライナにしろ、イランにしろ、アメリカ政府の情勢分析が間違っていたからだが、その不満をロシアのウラジミル・プーチン大統領にもぶつけた。トランプは7月14日、ロシア政府が自分の要求を50日以内に呑まなければ、ロシアに100%の関税をさらに課すほか、ウクライナに防空ミサイルを供与するとしている。

 

大統領選挙の最中からトランプはウクライナでの戦闘はすぐに終わらせると大見得を切っていたが、ロシア政府はウクライナの非軍事化と非ナチ化、そして西側諸国は凍結しらロシアの資産を返還し、ウクライナに対しては中立の立場の維持と領土の「現実」を認めるように要求している。それが受け入れられなければ、軍事的に解決するという姿勢だ。「ミンスク合意」の轍を踏むことはないだろう。

 

しかし、トランプの関税政策は世界経済を混乱させるだけで、ロシア経済には打撃になっていない。プロレス興行におけるパフォーマンスと同じ程度の演出でしかなく、ロシアと戦っているようなイメージを振りまいているのかもしれない。

 

それに対し、ロシア軍は14日から15日にかけて、ウクライナの防空システムは軍事飛行場をドローンやミサイルで攻撃した。ウクライナの公式発表でも23機以上のドローンが防空網を突破、7か所の重要インフラに打撃を与えた。

 

報道によると、ロシア軍はウクライナ全土の飛行場を標的にし、ムィコラーイウのマルティニフカ飛行場はドローンの攻撃で大規模な火災が発生、ザポリージャ空港では航空機格納庫と管理棟が破壊され、チェルニーヒウ郊外の飛行場も攻撃され、ジトーミルの軍用飛行場付近でも爆発が報告されている。オデッサの戦略電子情報センターには短距離弾道ミサイルのイスカンデルMが命中した。ロシア軍はアメリカ製防空システムのパトリオットだけでなく、ドイツ製のIRIS-T発射装置やP-18レーダー基地も破壊している。

 

オデッサは戦略的に重要な港湾都市で、西側の中にはここを拠点にして黒海を支配しようと目論んでいる国もある。2014年5月2日、キエフのクーデター政権はネオ・ナチの一団をオデッサへ送り込み、反クーデター派の住民を虐殺、その地域を制圧したが、西側にとってそれだけ重要な場所だということでもある。そのオデッサにフランス軍が入ったという話も伝えられているが、ロシア軍は容赦なく攻撃するだろう。

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のテーマは「西側の停戦要求は時間稼ぎだと認識しているロシアは攻撃の手を緩めない 」(2025.07.16ML)
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