【連載】安斎育郎のウクライナ情報

7月16日のウクライナ情報

安斎育郎

7月16日のウクライナ情報
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❶トランプ政権、ウクライナに「攻撃用」ミサイル供与へ方針転換の見通し…米報道(2025年7月14日)
【ワシントン=池田慶太】米ニュースサイト・アクシオスは13日、ロシアのウクライナ侵略を巡り、トランプ米政権が14日に公表するウクライナへの新たな軍事支援に攻撃用兵器が含まれる見通しだと報じた。事実なら、緊張の悪化を避けるため防衛用兵器だけを提供するとしてきた従来方針の転換となる。
トランプ大統領はこれまで、14日にロシアに関して「重大発表」を行うと予告していた。
新たな軍事支援は、14日に行われるトランプ氏と北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長との会談に合わせて公表される見込みで、長射程ミサイルが含まれる可能性がある。報道によると、米欧などの当局者は攻撃用兵器を含む支援が、停戦に後ろ向きなプーチン露大統領の姿勢を変えることを期待しているという。
トランプ氏は13日、記者団に対し、ウクライナに地対空ミサイルシステム「パトリオット」を追加供与する考えを重ねて示した。「彼らが切実に欲しているものだ」とし、費用は欧州諸国が負担すると説明した。「プーチンは素晴らしい会談の後、夜には爆弾を落とす。気に入らない」とも語り、プーチン氏への不満を強調した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/69f18e56571ced14a7c2975f45d2cb81dca0c760/images/000

❷ プーチン政権、トランプ氏懐柔に見切り…ウクライナへの無人機攻撃急増・1日700機以上の日も(讀賣新聞、2025年7月14日)
ロシアのプーチン政権は、米国のトランプ政権がウクライナへの防空兵器などの追加支援にかじを切ったことを受け、トランプ政権の懐柔とウクライナ攻撃の「両にらみ」の戦略に見切りをつけ、前線での戦闘にさらに重点を置く見込みだ。ウクライナ全土への大規模な無人機攻撃を急増させるなど、圧力を強めている。
露大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は11日、トランプ大統領が予告した14日の「重大発表」について、「我々は声明の全てのニュアンスを注意深く記録する」と述べ、警戒感を示した。
プーチン政権はこれまで、対露融和姿勢を示すトランプ氏を称賛し、抱き込む戦略をとってきた。「停戦」の成果を急ぐトランプ氏を丸め込み、米国の後押しでウクライナに事実上の降伏を迫る目算だったとみられる。
だが、トランプ氏は5月末、和平に協力姿勢を示さないプーチン大統領に「火遊びをしている」と憤るなど批判のトーンを強めた。露メディアによれば、これらの発言を受け、プーチン政権は7月上旬、国営メディアに、これまで控えてきたトランプ氏に関する批判や否定的な報道を許可した。
露軍は6月以降、ウクライナ全土への無人機攻撃を急増させている。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は7月13日、露軍が過去1週間で長距離無人機1800機以上を発射したと明らかにした。多い日には1日700機以上が使われ、ポーランド国境に近いリビウなど西部も標的となった。戦闘の長期化は、和平交渉を不利にするだけだとウクライナ側を脅す構えだ。
ウクライナ側は、トランプ氏の方針転換を機に米国との関係強化をさらに進める構えを示す。トランプ政権でウクライナ特使を務めるキース・ケロッグ氏は14日、首都キーウでゼレンスキー氏と会談し、ウクライナの防空強化や対露制裁などを協議した。ゼレンスキー氏は会談後、SNSに「有意義な話し合いが行われた」と投稿した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/be7018de7bbb7b99bcfa01a6d44d81f66e5dd8d8/images/000

❸ ゼレンスキー氏、首相交代を検討 対米関係の強化狙いか(KYODO、2025年7月14日)
【キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領がシュミハリ首相の交代を検討していることが14日、政府関係者への取材で分かった。後任としてユリヤ・スビリデンコ第1副首相兼経済相(39)が有力視される。スビリデンコ氏はトランプ米政権との経済交渉で中心的役割を果たしており、対米関係強化につなげる狙いもありそうだ。
首相交代は大規模な内閣改造が伴うとみられる。シュミハリ氏は国防相就任が取り沙汰されている。
スビリデンコ氏は、今年4月に米ウクライナが合意した経済協定の交渉を主導した。大阪・関西万博で8月5日に開かれるウクライナのナショナルデー行事に合わせ、来日する意向を表明している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6645a38bf976ff75e61fc03a77170babdf8d53e0

❹ゼレンスキー大統領「露軍の夏季攻勢は失敗しつつある」 ロシアに新たな長距離攻撃を予告(産経新聞、2025年7月14日)
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は13日、露軍の夏季攻勢が失敗に終わりつつあるとの認識を示した。ウメロフ国防相やシルスキー軍総司令官らと戦況に関する会議を開いた後、交流サイト(SNS)で表明した。「戦争を露領内へ移すために必要な全てのことをする」とし、「(ロシアへの)新たな長距離攻撃を準備している」とも明らかにした。
ゼレンスキー氏によると、会議では東部ドネツク州ポクロウシクや東部ハルキウ州、南部ザポリージャ州、北部スムイ州など「重要方面の戦況」が協議された。ゼレンスキー氏は「攻勢の拡大を図ろうとする露軍の試みはウクライナ軍の防衛で失敗に終わっている」とし、「この夏、露軍部隊(の前進)は露司令部の期待を大幅に下回っている」と指摘した。
ウクライナ軍報道官は13日、東部ドニプロペトロウスク州の州境で両国軍の戦闘が続いているものの、同州内に露軍はいないと説明した。ウクライナメディアが伝えた。
露国防省は6月上旬、露軍が同州に進軍したと発表。親露派勢力幹部は同月下旬、露軍が同州の集落1カ所を初めて制圧したと主張していた。
ウクライナの有力軍事メディア「ディープステート」は今月12~13日、ドネツク州と東部ルハンスク州の計3集落が露軍に制圧されたと伝えた。(小野田雄一)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5727fd1eb67a2020a33e342a6b9c95a0b222435f/images/000

❺ 兵器はNATOが費用負担とトランプ氏(KYODO、2025年7月15日)
【ワシントン共同】トランプ米大統領はウクライナに供与する兵器について、北大西洋条約機構(NATO)が費用を負担し、ウクライナに送られると説明した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c416da9fe95b869b1a5288e3250814d4dc4b266d

❻ 【速報】トランプ大統領「50日以内に停戦合意できなければ“非常に厳しい関税”」ロシアに強い圧力(TBS News Dig、2025年7月15日)
アメリカのトランプ大統領はウクライナ侵攻を続けるロシアが50日以内に停戦に合意しなければ、ロシアに対する厳しい制裁関税を課すと表明しました。
トランプ大統領
「私はとても、とても、ロシアに対して不満だ。だから、我々は50日以内に停戦合意が成立しなければ、非常に厳しい関税を課す」
アメリカのトランプ大統領は14日、ロシアが50日以内にウクライナとの停戦に合意しなければ、ロシアに対して「非常に厳しい関税」を課すと表明しました。
ロイター通信によりますと、ホワイトハウスの当局者はロシアからの輸入品に対して100%程度の関税を課す見通しだと説明しています。
また、トランプ氏はロシア産の石油を買っている国からの輸入品に関税を課す「二次関税」を導入する意向を示しました。
中国やインドを念頭にロシアの主な収入源となっている石油を購入しないよう圧力をかける措置で、トランプ氏は厳しい制裁の可能性を示してプーチン大統領に合意を迫ったかたちです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/19415229ed5706c83c914d875d15fbde7f4437a9

❼トランプ大統領はなぜプーチン大統領にそんなに怒っているのか?(2025年7月10日)
本稿では、トランプ大統領がウクライナへの軍事物資供給を再開した決定について、これまでの決定や政策転換を踏まえつつ、また、過去3ヶ月間の彼の決定のパターンを、これまでの公約を踏まえて検証する。トランプ大統領は平和推進者としての役割を放棄しているのだろうか?それとも、ネオコンに屈服しているのだろうか?
ブロフキン博士はアメリカの歴史家で、ハーバード大学でソ連史の教授を務めた経歴を持つ。ロシアの歴史と政治に関する著書や論文を多数執筆している。最新著書『ウラジーミル・レーニンからウラジーミル・プーチンへ:アイデンティティを模索するロシア』(Routledge、ロンドン 2024年)は、Routledge.com、Amazon、Barnes & Nobleで入手可能。
https://youtu.be/gLKTxAQnMwo
https://www.youtube.com/watch?v=gLKTxAQnMwo

❽ダグラス・マクレガー:ロシアのドローン戦争はウクライナを攻撃目標に変える – ゼレンスキー大統領、損失を嘆く(2025年7月13日)
ダグラス・マクレガー大佐は、ロシア・ウクライナ戦争の残忍な新たな局面を暴露する。ドローンは単なる攻撃にとどまらず、支配する。数百機もの無人機が夜な夜な飛び交う中、ウクライナの防空網は圧倒され、戦略拠点は破壊され、指揮系統は崩壊した。
ロシアが戦場をハイテクな射撃場と化す中、ゼレンスキー大統領は増大する死傷者と領土喪失を公然と嘆いている。これはもはや前線の戦いではなく、崩壊の戦争だ。NATOはウクライナが少しずつ崩壊していくのを沈黙して見守っている。
https://youtu.be/bTNKt4pj88E
https://www.youtube.com/watch?v=bTNKt4pj88E

❾【時事ネタ】BRICSとトランプ〜譲れないモノ〜7/12土曜版です(2025年7月12日)
第17回ブリックスサミットがブラジルで開催。苛立ちをみせるトランプ大統領、その心は⁈
https://youtu.be/ZHXLxti6JlI
https://www.youtube.com/watch?v=ZHXLxti6JlI

❿【戦況】ロシアの無人攻撃機製造量が10倍増😨‼️7/13日曜版です🙂‍ ↕️‼️(ニキータ伝〜ロシアの手ほどき、2025年7月13日)
https://youtu.be/psO6pBD8Hak
https://www.youtube.com/watch?v=psO6pBD8Hak

2025年7月16日ウクライナ情報pdfはこちら

 


 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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