【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年8月15日 (金) 参政党の危うさ

植草一秀

2024年9月時点で日本の人口は1億2376万人。

うち80歳以上が1290万人で10.4%。

90歳以上が282万人で2.3%。

敗戦から80年。

戦争を知る国民が1割になった。

敗戦時に10歳以上だった国民は全体の2%。

戦争を知る世代が消えつつある。

「戦争を知らないやつが出てきて日本の中核になったとき、怖いなあ」

と田中角栄氏が述べたという。

7月の参院選の大きな特徴は極右勢力の台頭。

極右に分類できるのは、自民党旧安倍派、保守党、参政党。

維新もこれに近い。

参政党が勢力を伸ばした。

参政党の憲法草案を見ると、前文で、

「国民も天皇を敬慕し、国全体が家族のように助け合って暮らす」とし、

「これが今も続く日本の國體(こくたい)」

と記述する。

https://x.gd/QfwEB

第一条で

「日本は天皇の治める君民一体の国家である」

と定める。

参政党草案で天皇は「元首」とされる。

主権については「国は主権を有し」と規定する。

「国民」については、

父または母が日本人であり、

日本語を母国語とし、

日本を愛する心を有すること

を基準として法律で定める、

とする。

国民であるかどうかを法律で規定するということ。

国民の権利については

権理には義務が伴い、自由には責任が伴う

として、

権理及び自由は、濫用してはならない

とする。

教育に関しては

国語と古典素読、歴史と神話、修身、武道、及び政治参加の教育は必修とする

教育勅語など歴代の詔勅、愛国心、食と健康、地域の祭祀や偉人、伝統行事は、教育において尊重しなければならない

の条文を置く。

「国まもり」として

国は、自衛のための軍隊(自衛軍)を保持する

と規定し、国民に対しては

国民は、子孫のために日本をまもる義務を負う

と定める。

参政党の神谷氏は街頭演説で

いま言ったような歴史認識、先の大東亜戦争は日本だけが悪かった、日本がアジアに侵略した、アジアの人たちにすべて迷惑をかけた、日本は一生謝り続けないといけない、こういった自虐的な歴史観も私たちは反対です

と述べた。

https://x.gd/da6ww
(54分15秒~30秒)

この歴史観に立ち、国民に防衛の義務を課し、教育勅語を尊重し、天皇が元首であり、国が主権を持つ国家に日本を変えるという。

日本を大日本帝国憲法下に戻す考え方と解釈して差し支えないと思われる。

神谷氏が述べた街頭演説の主張は論理のすり替えだ。

「日本だけが」、「一生謝り続ける」に対する抗議を示して同調を得ようとするものだが、発言の内容の他の部分は否定しきれないものだからだ。

「アジアに侵略した」

「アジアの人たちに迷惑をかけた」

ことは紛れもない事実。

この事実を認めることを「自虐史観」と称して否定するなら完全な誤りである。

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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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