
植草一秀【連載】知られざる真実/2025年8月20日 (水) 参政党歴史認識の誤り
社会・経済参院選で参政党が議席を大幅に増やした。
三つの背景を指摘できる。
第一は自民党極右支持者が石破自民党に不満を持ち、参政党が受け皿になった。
第二は参政党が他党が提示しない主張を掲げた。
第三はこれまで投票率の低かった世代に参政党が照準を合わせて埋蔵している票を採掘した。
この結果として参政党が議席を増やした。
しかし、参政党が目指す基本方向は参政党が公表している憲法草案で理解できる。
参政党は憲法草案前文で、
「国民も天皇を敬慕し、国全体が家族のように助け合って暮らす」とし、
「これが今も続く日本の國體(こくたい)」
とし、
第一条で
「日本は天皇の治める君民一体の国家である」
と定める。
参政党は天皇を「元首」とし、
主権については「国は主権を有し」と規定する。
「国民」については、
父または母が日本人であり、
日本語を母国語とし、
日本を愛する心を有すること
を基準として法律で定める、
とする。
国民であるかどうかを判定する法律を制定するとしている。
国民の権利・義務については
権理には義務が伴い、自由には責任が伴う
として、
権理及び自由は、濫用してはならない
とする。
教育に関しては
国語と古典素読、歴史と神話、修身、武道、及び政治参加の教育は必修とする
教育勅語など歴代の詔勅、愛国心、食と健康、地域の祭祀や偉人、伝統行事は、教育において尊重しなければならない
の条文を置く。
また、「国まもり」として
国は、自衛のための軍隊(自衛軍)を保持する
と規定し、国民に対しては
国民は、子孫のために日本をまもる義務を負う
と定める。
「日本をまもる義務」は徴兵制につながるものと理解できる。
ひとことで表現すれば、日本を大日本帝国憲法の時代に引き戻そうということなのだろう。
神谷氏は街頭演説で、
「いま言ってような歴史認識、先の大東亜戦争は日本だけが悪かった、日本がアジアに侵略した、アジアの人たちにすべて迷惑をかけた、日本は一生謝り続けないといけない、こういった自虐的な歴史観も私たちは反対です」
と発言。
https://x.gd/da6ww
(54分15秒~30秒)
「日本だけが悪かった」、「一生謝り続けないといけない」という点には論議の余地があるが、この文脈から「日本は何も悪いことをしていない」との方向に議論を飛躍させることは重大な誤りだ。
日本の加害責任は重大。
日本の過去の過ちを否定して唯我独尊に陥ることは極めて危険。
極右以外で参政党を支持する人々は、参政党の本質をほとんど理解していないのではないか。
参政党の本質に気付く必要がある。
他方、参政党の台頭を許した背景に、参政党が他党が指摘しない問題点を大きく取り上げたことがある。
この点を見落としてはならないだろう。
他党が指摘しなかった重大問題を以下に記す。
続きは本日の
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050