【連載】櫻井ジャーナル

【櫻井ジャーナル】2025.08.21XML: ジェノサイドと小児性愛の国

櫻井春彦

 パレスチナではイスラエル軍によるジェノサイド(大量虐殺)が続いている。​医学雑誌「ランセット」は2023年10月7日から24年6月30日までの間にガザで外傷によって死亡した人数は6万4260人と推計、そのうち女性、18歳未満、65歳以上が59.1%だとする論文を発表​、​「ハーバード大学学長およびフェロー」のウェブサイト「データバース」に掲載されたヤコブ・ガルブの報告書​では、イスラエル軍とハマスの戦闘が始まる前には約222万7000人だったガザの人口が現在は185万人に減少、つまり37万7000人が行方不明になっているという。死亡者の約4割が子どもであり、女性を含めると約7割に達するという推計を採用すると、殺害された子どもの数は15万人になる。

 

アメリカのドナルド・トランプ政権はパレスチナ人を難民として入国させること認めてないのだが、地獄のような場所からパレスチナ人を救出しようという動きもある。例えば、パレスチナの子どもや若者が高度の医療、教育、緊急支援、そして成長の機会に恵まれるようにすることを目指している「​ヒール・パレスチナ​」という団体は、負傷したパレスチナの子どもたちを医療のためにアメリカへ入国させていた。費用はこの団体が負担、治療で完全に回復した子どもたちはアメリカから出国する仕組みだ。

 

しかし、こうした行為を非難する声に応える形でアメリカの国務省はガザ出身者へのビザ発給を全面的に停止した。そうした声を上げた人物はドナルド・トランプの支持者として知られているローラ・ルーマーだが、​そうした動きを批判する声を上げた人物もいる。ジョージア州選出下院議員のマージョリー・テイラー・グリーン​だ。アメリカの体制は健全だと主張する人びとにとって都合の悪いことを事実に基づいて取り上げる政治家だが、そのため、「陰謀論者」というタグを付けられ、誹謗中傷のターゲットにされている。

 

グリーン下院議員は同時にイスラエルと小児性愛の関係にも言及している。​ラスベガス警察は8月16日、小児性愛者を標的にした囮捜査を実施、8名を逮捕した。そのうちのひとりがイスラエルの国家サイバー局で局長を務めるトム・アレクサンドロビッチだった​。専門家会議に出席するため、アメリカに滞在していたという。この捜査にはFBI、警察、国土安全保障省、ネバダ州司法長官事務所が参加していた。

 

アレクサンドロビッチは尋問後に釈放されてホテルへ戻り、2日以内にイスラエルに帰国した。​警察の記録によると、この容疑者はヘンダーソン拘置所に収監され、その後、判事の面前で1万ドルの保釈金を支払って釈放されている​。誰が保釈金を支払ったのか、どのようにして出国し、イスラエルへ戻れたのかは不明だ。

 

イスラエルは小児性愛者を受け入れている国としても知られている。​CBSニュースによると、多くのアメリカ人小児性愛者がイスラエルに逃亡、彼らは法の裁きを受けていない​。イスラエルには「帰還法」と呼ばれる法律があり、ユダヤ人であれば誰でもイスラエルへ移住し、市民権を取得できる。

 

小児性愛の容疑者を追跡しているアメリカの団体「JCW(ユダヤ人コミュニティ・ウォッチ)」は2014年から活動を開始、それ以来、60名以上がアメリカからイスラエルへ逃亡したとしているが、実数ははるかに多いと考えられている。

 

イスラエルでは今年6月、クネセト(国会)で数人の女性が未成年時代に宗教儀式の一環として受けた性的虐待について証言した​。被害者のひとりであるヤエル・アリエルによると、彼女は5歳から20歳まで儀式的な虐待を受け、ほかの子どもたちに危害を加えることを強要されたという。警察に被害届を出しても数カ月で却下。しかも彼女が自分の体験を明かにすると脅迫を受けたとしているが、これは彼女だけではないようだ。別の被害者、ヤエル・シトリットによると、人身売買は全国で行われていた。薬物も使用され、レイプを含むサディスティックで残酷なことも行われ、その行為は撮影されていたとされている。被害者がそうしたことを証言しても荒唐無稽の話だと思われ、信じてもらえなかったという。

 

被害者たちによると、聖書の物語を模倣した虐待を受けたともいう。例えば、加害者がイサクの縛りを真似て被害者の女性を縛り付け、間に合わせの割礼の儀式を行うという儀式に強制的に参加させられたと複数の女性が証言している​。

 

ひとりの被害者はいとこから虐待を受け、14歳になると地域社会の著名人から拷問と飢餓に苦しめられていたと主張した。「一般公開のイベントがあり、手錠をかけられて高い柱に縛り付けられる内部儀式もありました」と彼女は当時を振り返り、月経血を飲む儀式や猫などの動物の屠殺についても説明した。

 

2023年10月7日にイスラエルを攻撃したハマスの戦闘員がイスラエル人女性をレイプしたという話は嘘だったことが判明しているが、その嘘を広めていた西側の有力メディアはイスラエルが関係した小児性愛に絡む犯罪行為にはさして興味を示してこなかった。そしてグリーン下院議員のような人びとを「陰謀論者」と呼び、現実から目を背ける。

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のテーマは「 ジェノサイドと小児性愛の国 」(2025.08.21ML)
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