【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年8月30日 (土) 二つの学歴詐称疑惑

植草一秀

伊東市の田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑がメディアに大きく取り上げられている。

報道の基調は田久保氏を強く批判するもの。

田久保氏に対する辞任要求の署名活動などを大きく取り上げる。

いまからわずかに1年ほど前。

より重大な問題が浮上していた。

小池百合子東京都知事の学歴詐称疑惑だ。

小池氏はカイロ大学を首席で卒業したと主張してきたが、実際にはカイロ大学を卒業していないとの疑惑が指摘された。

カイロ大学を卒業していないのに選挙公報等にカイロ大卒と明記していれば公選法違反に該当する。

多くの関係者が小池氏の学歴に関する証言を示した。

カイロ大学が小池氏の卒業を認める文言を発したことを根拠に小池氏は学歴詐称ではないと主張したがカイロ大学の情報提供は小池氏のカイロ大卒業を直接証明する証拠ではない。

カイロ大学が虚偽を発表したならカイロ大卒の経歴は虚偽ということになる。

メディアが小池氏の学歴詐称疑惑を厳しく追及するスタンスを示すなら、メディアはカイロ大学が虚偽を公表した可能性を深く切り込むはずだ。

ところが、メディアは小池氏に対する疑惑を厳しく切り込むことをしなかった。

この点が伊東市の田久保市長事例と決定的に異なる。

伊東市では市政をめぐり重大な不祥事が相次いで生じてきた。

伊東市を舞台に巨大な詐欺事件が発生。

岡本倶楽部事件。

伊東市所在の岡本ホテルが全国リゾートホテルチェーンを展開し、会員権を販売したが破綻した。

多数の市民が損失を蒙った事案が詐欺事件として立件された。

反社会的勢力の関与も浮上した。

この岡本ホテル跡地を伊東市が買収したが、その際に伊東市が実勢価格を上回る価格で購入し、購入代金の一部が市長に還流したことが発覚。

収賄事件として立件され、元市長は実刑判決を受けて服役した。

この伊東市保有の土地に図書館建設計画が浮上。

田久保氏は図書館建設中止を公約に掲げて市長選に挑み、当選した。

また、伊東市では大規模ソーラー発電所建設計画がある。

田久保氏はこの建設にも反対する公約を掲げた。

田久保市長の図書館建設反対、メガソーラー発電所建設反対の方針を嫌う勢力が伊東市に蠢(うごめ)いていることは容易に想像がつく。

田久保氏の学歴詐称疑惑を訴えた者がこうした思惑と何らかのかたちで関係していることもあり得るだろう。

もちろん、田久保氏が学歴詐称したことが事実であれば、その責任は問われる必要がある。

事実の有無、法律に抵触する事実があったのかどうか。

事実に即して適正な対応が取られる必要がある。

田久保市長は当初、市長を辞任して出直し市長選に立候補する考えを示した。

問題処理の方法としては、この方がすっきりするだろう。

しかし、出直し市長選で勝利できる見通しが立たなくなったため、市長辞任を撤回したのではないかとの憶測も生じている。

私たちが考える必要があるのは、1年ほど前の小池百合子都知事の学歴詐称疑惑に対するメディア対応と田久保市長の学歴詐称疑惑に対するメディア対応に天地の開きがあること。

メディアは巨大な調査能力を有するのだから、カイロ大学が真実の情報を公開したのかという点について徹底的な調査を行うべきだった。

エジプト政府も関係する巨大な政治背景があってカイロ大学が事実でない情報を公表したのなら、このこと自体が一大スキャンダル、重大ニュースになる。

カイロ大学が小池氏の卒業を認める文言を発して、それで了解するというなら、メディアとしての存在意義を自ら否定するようなものだ。

東京都の警視庁の行動も不自然極まる。

兵庫県のあからさまな公選法違反事案については、1年の時間が経過しようとするのに、いまなお明確な犯罪立件も行われていない。

ところが、昨年5月の衆院補選で小池氏の学歴詐称疑惑を厳しく追及した「つばさの党」幹部に対してはその直後の東京都知事選が告示される前に逮捕して、長期勾留した。

警視庁が小池氏の学歴詐称疑惑追及に弾圧を加えた構図である。

決定的なダブルスタンダードを日本の主権者は見落とすべきでない。

続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第4174号
「ダブスタの意味を考える」
でご高読下さい。

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご高読をお願い申し上げます。

https://foomii.com/00050

『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、最重要政策争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著を上梓しました。

『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』
(ビジネス社)

https://x.gd/LM7XK

ご高読、ならびにアマゾンレビュー、ぜひぜひ、お願いします。

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」

https://foomii.com/00050

のご購読もよろしくお願いいたします。

メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、support@foomii.co.jpまでお願い申し上げます。

※なお、この記事は下記からの転載であることをお断りします。
植草一秀の『知られざる真実』2025年8月30日 (土)「二つの学歴詐称疑惑」

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/08/post-7d3480.html

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

スリーネーションズリサーチ株式会社
http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/03/post-317af8.html
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内

「独立言論フォーラム(ISF)ご支援のお願い」

植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

ご支援ください。

ISFは市民による独立メディアです。広告に頼らずにすべて市民からの寄付金によって運営されています。皆さまからのご支援をよろしくお願いします!

Most Popular

Recommend

Recommend Movie

columnist

執筆者

一覧へ