
植草一秀【連載】知られざる真実/2025年9月 2日 (火) 飛車角金銀落ちで投了まぢか
社会・経済自民党が両院議員総会を開いた。
総会中およびその後、自民四役が辞意を表明した。
森山裕幹事長、小野寺五典政調会長、鈴木俊一総務会長、木原誠二選対委員長が石破首相に辞意を伝えた。
玉を守る飛車、角、金、銀が同時に消えた。
裸の玉。
玉の陥落は時間の問題になった。
参院選は石破内閣の信任投票だった。
昨年10月総選挙とはまったく意味が違う。
昨年10月総選挙は自民党裏金事件への国民審判の意味が強かった。
しかし、それから半年以上が経過。
通常国会で石破内閣が何をしたかの総括だった。
二大テーマがあった。
減税と企業献金禁止。
「政治とカネ」の本丸は「企業献金」。
減税では衆院総選挙で消費税減税が論議された。
石破内閣はこの二つを潰した。
加担したのは玉木国民である。
参院選の勝敗ラインを自公で50と設定したのは石破茂氏。
125議席を争う参院選で自公50議席を勝敗ラインに設定。
あり得ぬ大甘勝敗ライン。
このラインを超えられなかった時点で「石破内閣不信任」である。
主権者である国民から「内閣不信任」を突き付けられて責任を取らなかった首相が一人いる。
菅直人氏だ。
2010年7月参院選で大惨敗した。
理由は明白。
参院選に向けて消費税率10%を公約に掲げたのだ。
菅直人内閣が発足したのが2010年6月8日。
7月参院選に向けて公約発表会見を開いたのが6月17日。
この会見で、突然、消費税率10%への引き揚げを発表した。
民主党内の民主的な意思決定プロセスはまったく執られていない。
菅直人首相の独断と暴走の結果として示されたのが消費税率10%公約だった。
7月参院選について枝野幸男幹事長が時事通信インタビューに答えて
「参院選が菅直人内閣に対する信任投票」
と明言した。
結果は菅直人民主党大惨敗。
翌日私は、このブログに『菅敗』という「替え歌」を書いた。
「『菅敗』-菅直人首相参院選完敗の歌-」
https://x.gd/2pxbg
しかし、菅直人氏は首相の座にしがみつき、1年間も首相の座に居座った。
東日本大震災と福島原発事故が発生し、原発廃棄と東京電力法的整理を決定すべきだったが、いずれもやらなかった。
その結果として原発全面推進の現実を招いた。
石破茂氏は2007年参院選で与党過半数を守れなかった当時の安倍晋三首相を厳しく糾弾した。
「やはり責任は総理にある。
私の使命だと何度も言っていたけれども、民主主義国家における指導者というのは、主権者たる国民が『あなたやりなさい』ということがあって、初めて使命を果たすことになる。
国民は『あなたにやってもらいたいとは思いません』と言ったのではないか」
石破氏は2011年に参院選で惨敗した菅直人首相(当時)にこう言った。
「参議院は政権選択の選挙ではない。
しかしながら菅民主党政権の是非を主権者たる国民に問うた。
それが参議院選挙の意義だった。
間違いない」
続きは本日の
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050