【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年9月10日 (水) ダブルスタンダードは差別

植草一秀

ダブルスタンダードは一種の差別。

伊東市の田久保眞紀市長が議会を解散した。

メディアは一斉に田久保市長叩きを行う。

田久保市長が学歴詐称したなら責任を問われる必要はある。

ただし、田久保氏が東洋大学の正規の学生であったことは間違いない模様。

最終的に除籍になった模様だが在学していたことは事実である。

田久保市長が卒業でなく除籍であったことを認識していたのかどうかが焦点になる。

しかし、もう一つの学歴詐称疑惑が存在することを見落とせない。

東京都の小池百合子都知事。

小池氏はカイロ大学を首席で卒業したと公表してきたが、カイロ大学を卒業していない疑惑が存在する。

そして、その疑惑は解消されていない。

カイロ大学が小池氏がカイロ大学を卒業したとする発表を行ったが、カイロ大学が虚偽事実を発表した疑いが存在する。

主要メディアが巨大な調査能力を発揮すべき問題だ。

仮にカイロ大学が虚偽事実を公表したなら、その背景に何があったのか。

メディアが取り上げるべき極めて重大な問題になる。

しかし、メディアは小池百合子都知事に対する追及を行っていない。

これをダブルスタンダードという。

ダブルスタンダードで考えなければならないのは、情報の受け手である主権者=国民の対応。

国民自体が小池百合子氏に対する対応と田久保眞紀伊東市長に対する対応に差を示していないか。

主権者自体がダブルスタンダードの主体になっている可能性がある。

田久保氏が伊東市長に選出された背景に伊東市の闇がある。

新図書館の建設と大規模ソーラー発電所建設問題がある。

伊東市で「岡本倶楽部事件」と呼ばれる大きな詐欺事件が発生した。

その岡本倶楽部施設跡地が新図書館建設用地になっている。

当該不動産を伊東市が割高な価格で購入し、市が支払った不動産取得費の一部が当時の市長に還流した。

このために元市長は収賄で有罪判決を受けて服役した。

その不動産用地に新たに図書館を建設する計画があり、田久保氏は新図書館建設阻止を公約に掲げて市長選に挑んで当選した。

同時に田久保氏は伊東市内の大規模ソーラー発電所建設に反対の立場で市長選に出馬した。

新図書館と大型ソーラー発電所。

これに反対の姿勢を明示して市長に選出されたのが田久保氏である。

当然のことながら、田久保市長の存在を邪魔だと考える勢力が存在する。

この点を踏まえるとメディアが主導する「田久保市長=悪」という図式だけで伊東市長問題を論じることは適切ではない。

新たに実施される市議選で新図書館ならびに大規模ソーラー発電所建設に反対する市議が7人以上当選して、田久保市長に対する不信任決議案を採決する市議会を欠席すると田久保市長に対する不信任決議案は可決されない。

田久保氏はこの可能性にかけて市議会解散を決定したと見られる。

田久保氏の学歴問題の真相を明らかにして適切な対応を取ることが求められるが、この問題を含めて伊東市の今後の市政について、市議選のゆくえを見守る必要がある。

他方、9月2日に、サントリーホールディングス新浪剛史会長の辞任が発表された。

原因は大麻の幻覚成分「THC」を含む違法薬物の密輸事件の関係先として新浪氏の自宅が家宅捜索を受けたこと。

新浪氏は9月3日の会見で潔白を主張したが重大な事実が報じられていない。

この重要事実を指摘したのが弁護士の西脇亨輔氏。

西脇氏は元テレビ朝日法務部長を務めた弁護士である。

最重要事実とは、新浪氏に問題のサプリメントを送ろうとしていたとされる知人女性の弟が8月上旬に逮捕され、新浪氏がその事実を8月9日に知ったということ。

新浪氏宅への家宅捜索が行われたのは8月22日。

新浪氏が知人の弟逮捕を知ってから新浪氏自宅の家宅捜索までに13日の時間が存在する。

この間に問題のある証拠物を廃棄することが可能であり、薬物接種を中止して尿検査をパスする状況を生み出すことは可能だった。

西脇氏がこの重要事実を指摘した。

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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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