【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年9月12日 (金) 捏造文書でないなら議員辞職

植草一秀

2023年3月の参議院予算委員会質疑で高市早苗国務相(経済安全保障担当)の総務相時代の言動が問題になった。

問題を提起したのは立憲民主党の小西洋之参院議員。

小西議員は23年3月3日の参院予算委員会で、放送番組の「政治的公平性」を定めた放送法の政府解釈をめぐり、安倍政権下の2014~15年に総務省に対する政治的圧力がかけられたとする内部文書を示して追及した。

これに対して23年3月時点での総務相である松本剛明氏は

「発言者の確認がとれていない、精査中だ」

と答弁。

文書が対象にした時期の総務相だった高市早苗国務相は

「信ぴょう性について大いに疑問を持っている」

「悪意を持って捏造されたものだ」

と答弁。

小西議員から

「もし捏造でなければ議員辞職するのか」

と問われ、

「結構ですよ」

と明言した。

文書は放送法の解釈についての2014~15年における官邸と総務省との協議の経緯を記載したもの。

当時の総務相は高市早苗氏。

その後、松本剛明総務相が当該文書についての確認結果を公表。

松本総務相は当該文書が総務省の行政文書であることを確認したことを国会に報告。

さらに総務省は当該行政文書の全文を公開した。

高市議員は「文書がねつ造である」と述べていたが、3月10日になり、表現を変更した。

高市氏は3月10日の記者会見で、

「正確性が確認されていない文書が保存されていたことは大変残念だ。当時の総務相として責任を感じている」

「相手方の確認を取るなど、正確性を期する手順がとられていないことが判明している」

と述べた。

「ねつ造文書」の表現が「正確性が確認されていない文書」に変更された。

高市議員は当該文書が「ねつ造文書」であると明言し、「ねつ造文書」でないことが明らかになれば議員辞職すると明言していた。

「正確性が確認されていない文書」のことを「ねつ造文書」と表現していたのではないか。

より重大であるのは当該文書に記載されていた内容だ。

放送法運用にかかる極めて重大な事項についての事案である。

放送法が定める「政治的公平」の判定基準の問題。

民主主義の根幹にかかわる重大な意味を有する。

放送事業に対する政治権力による介入の可否に関わる問題だ。

放送事業者の政治的公平について、

「一つの番組ではなく、番組全体として評価する」

こととされてきた。

この解釈を、

「一つの番組でも、明らかにおかしい場合には取り締まりができる」

ようにする、条文の解釈変更が目論まれた事案。

この解釈変更を強行したのは当時の磯崎陽輔首相補佐官。

礒崎氏は自分がコントロールできる議員に国会で質問をさせて、その質問に対する総務相答弁によって解釈変更の既成事実を創作することを目論見、実行に移したと見られる。

詳細は後述するが、この「悪事」に加担して積極的に役割を遂行したと見られるのが高市早苗総務相(当時)である。

ところが、高市氏はこの重大事実を記した公文書を突き付けられると「ねつ造だ」として逃げ延びてきた。

この真相を明らかにして高市氏の責任を適正に問うことが必要。

この疑惑を晴らすことができなければ自民党党首選への出馬資格はないと言える。

続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第4187号
「高市早苗議員の資質を問う」
でご高読下さい。

月初のこの機会にメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご購読をお願いします。

https://foomii.com/00050

『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、最重要政策争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著を上梓しました。

『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』
(ビジネス社)

https://x.gd/LM7XK

ご高読、ならびにアマゾンレビュー、ぜひぜひ、お願いします。

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」

https://foomii.com/00050

のご購読もよろしくお願いいたします。

メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、support@foomii.co.jpまでお願い申し上げます。

※なお、この記事は下記からの転載であることをお断りします。
植草一秀の『知られざる真実』2025年9月12日 (金)「捏造文書でないなら議員辞職」

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/09/post-567780.html

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

スリーネーションズリサーチ株式会社
http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/03/post-317af8.html
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内

「独立言論フォーラム(ISF)ご支援のお願い」

植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

ご支援ください。

ISFは市民による独立メディアです。広告に頼らずにすべて市民からの寄付金によって運営されています。皆さまからのご支援をよろしくお願いします!

Most Popular

Recommend

Recommend Movie

columnist

執筆者

一覧へ