
植草一秀【連載】知られざる真実/2025年9月21日 (日) 旧態依然MAX自民総裁選
社会・経済自民党の党首選をメディアが大々的に報道するが、自民党が衆参両院の国政選挙で大敗し、衆参両院で与党過半数割れに転落した原因についての考察がまったくない。
その考察なく、単に石破氏が辞任するから次の党首を選ぶというだけでは何も変わらないだろう。
党内の勢力分布、党員の支持分布で、順繰りに次の党首が決まるだけ。
政治刷新のかけらもない。
野党も野党で自党が政権与党に加われるかどうかにしか関心がない政党が多い。
参院選は石破内閣への信任投票だった。
この選挙で石破自民、石破自公は大敗した。
石破首相は主権者である国民から不信任を突き付けられた。
どこに原因があったのかを検証する必要がある。
最大の問題が二つあった。
一つは政治腐敗。
昨年総選挙で自民が大敗した主因は裏金事件。
国民が経済低迷で生活苦にあえいでいるのに自民議員は裏金を懐に入れて私腹を肥やしていた。
事件が表面化したのに抜本的対応を取らない。
これで衆院選で大敗した。
石破氏が首相に就任して抜本策を講じるのかと注目された。
最大の焦点は企業団体献金の全面禁止。
これを法制化するのかが注目された。
しかし、実現しなかった。
最大の原因は石破氏が企業献金禁止に反対したこと。
これに同調したのが国民民主の玉木氏。
石破氏と玉木氏が企業団体献金全面禁止の法制化を潰した。
これは重大な事実だ。
石破氏は政治腐敗、金権政治体質を抜本的に変える考えを有していないと理解された。
この理解は正しいだろう。
野党が共闘して企業献金禁止を法制化する動きがあった。
これを阻止したのは国民民主。
自民が反対であることを認識した上で全会一致を主張した。
石破氏と玉木氏が企業団体献金禁止を潰した。
もう一つの問題は国民生活支援策。
昨年10月総選挙の最大争点が経済対策だった。
一般庶民が生活に苦しんでいる。
インフレが進行して実質賃金が減少を続ける。
このなかで減税論議が沸騰した。
給付金政策も俎上に載った。
2025年通常国会最大のテーマが国民経済支援策策定だった。
しかし、何も実行されなかった。
課税最低限である103万円を引き上げることが論議されたが、最終的に着地した施策は0.7兆円減税。
超しょぼい減税。
25年度は定額減税廃止で2.3兆円増税になる。
両者を合算すると25年度は1.6兆円の増税。
完全な「やるやる詐欺」。
この施策を決めたのは石破氏。
全面アシストしたのは国民民主の玉木氏だ。
そして、石破自民は参院選で惨敗。
その石破氏が退いて次の党首を決める。
「政治とカネ」、「国民支援政策」の二つについて新基軸の政策を示すことが必須だ。
この視点からメディアが自民党党首選を伝えているか。
答えは完全にNOだ。
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植草一秀の『知られざる真実』2025年9月21日 (日)1[「旧態依然MAX自民総裁選」
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050