【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年9月21日 (日) UIチャンネル第600回記念放送

植草一秀

2000年以降の日本政治を振り返るとき、最大の焦点になるのは鳩山由紀夫内閣の評価である。

対極に位置付けられるのは2001年発足の小泉純一郎内閣と2012年発足の第2次安倍晋三内閣。

メディアは鳩山由紀夫内閣を批判する。

これを鵜呑みにして鳩山内閣批判する市民は多い。

しかし、その市民は自分の頭でものを考えているか。

自民自答するべきだ。

メディアの言説をそのまま流用して自分の見解であるかのように話しているだけではないか。

2001年に小泉内閣が発足したときメディアは大礼賛した。

メディアに流される市民はメディアと共に小泉内閣を礼賛したのではないか。

2012年12月に第2次安倍内閣が発足した。

自民党は2013年7月参院選でも勝利して衆参ねじれを解消した。

それ以来、安倍独裁とも言える状況が生じ、安倍内閣は2020年まで続いた。

安倍首相が提唱したアベノミクスをメディアが絶賛した。

このメディアに誘導されてアベノミクスを絶賛した者が多かった。

だが、メディアが絶賛した小泉内閣、安倍内閣がもたらしたものは何だったか。

バラ色の未来が開けたのか。

2000年4月に日経平均株価は2万円を回復した。

バブル崩壊の10年間のトンネルをようやくくぐり抜けた。

しかし、日本経済は小泉内閣が発足した2001年4月から2003年5月までに深刻な経済恐慌の淵に転落した。

日経平均株価は2003年4月に7600円まで暴落。

小泉内閣はりそな銀行を自己資本不足に追い込み、日本を金融恐慌の淵まで誘導した。

背徳のりそな銀救済・乗っ取りが実行されて株価は反転したが、多くの市民が不要な経済崩壊の犠牲になった。

この小泉内閣が主導したのが新自由主義経済政策。

経済運営を市場原理に委ねる。

一見スマートに見えるが目的は明白だった。

弱肉強食を推進し、労働コストを低下させて大企業利益を激増させることだった。

「改革」という言葉の響きで市民は騙された。

市民がその意味を知ったのは2008年から09年にかけてのサブプライム金融危機に伴う大不況を経験してからだった。

弱肉強食推進の政策運営は人々を幸福にしないことに市民はようやく気付いた。

その市民が鳩山由紀夫内閣を誕生させた。

2012年12月に発足した第2次安倍内閣はアベノミクスを提唱。

積極財政、インフレ誘導、成長戦略を掲げた。

しかし、積極財政は封印され、安倍内閣は2度の消費税率引き上げで消費税率を10%にした。

インフレ誘導政策はうまくいかなかったが、2020年以降のコロナ融資拡大で日本でも深刻なインフレが発生した。

成長戦略の言葉も響きが良いが、実行されたのは弱肉強食推進。

企業利益が史上空前規模に拡大した一方で労働者実質賃金は2割も減った。

他方、中国の脅威を煽り、日本は「新しい戦前」に移行している。

いまや、東アジアでの戦争勃発がカウントダウンされている。

2009年9月に発足した鳩山内閣は日本政治の刷新を目指した。

対米自立、官僚支配打破、大企業の政治支配打破、という大方針を明示した。

そのために、米官業の既得権勢力から総攻撃を受けて、わずか8ヵ月で破壊された。

後継の菅直人内閣、野田佳彦内閣が対米隷属・ザイム真理教に回帰したため、民主党は大崩壊した。

その大崩壊の責任が鳩山元総理に転嫁されている。

鳩山内閣が提示した政治刷新の基本方針は正しかった。

このことを正確に再評価しなければならない。

鳩山元総理が理事長を務める東アジア共同体研究所のYoutube番組である「UIチャンネル」が9月22日に第600回記念放送を行う。

この番組にお招きを賜った。

9月22日(月)午後8時放送のUIチャンネル
テーマは「混迷する日本政治と活路」
https://www.youtube.com/live/Uo2LJF52sJk

をぜひご高覧賜りたい。

続きは本日の
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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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