【連載】櫻井ジャーナル

【櫻井ジャーナル】2025.09.22XML: 次回の「櫻井ジャーナルトーク」は10月17日

櫻井春彦

 次回の「櫻井ジャーナルトーク」は10月17日(火)午後7時から駒込の「東京琉球館」で開催します。テーマは「ウクライナ後のアングロ・サクソン帝国」を予定しています。予約受付は10月1日午前9時からですので、興味のある方は東京琉球館までEメールで連絡してください。なお、「櫻井ジャーナルトーク」は12月で定期的な開催は終了、来年は不定期開催になります。

 

東京琉球館

https://dotouch.cocolog-nifty.com

 

住所:東京都豊島区駒込2-17-8

Eメール:makato@luna.zaq.jp

 

ヨーロッパ人やヨーロッパ人の移民先であるアメリカやオーストラリアは自由で民主的な文明国だというイメージを抱いている人が今でも少なくないようです。ヨーロッパ人は11世紀から13世紀にかけて中東地域を侵略、富や知識を手に入れました。いわゆる「十字軍」です。15世紀から彼らは船で世界へ乗り出し、各地で略奪と殺戮を繰り広げ始めました。いわゆる「大航海時代」です。その時期からアメリカやオーストラリアでは先住民を大虐殺、似たようなことが現在、パレスチナで展開されています。

 

16世紀に宗教改革でプロテスタントが出現、その世紀の後半にエリザベス1世が統治した頃、ヨーロッパはオカルトがブームになり、イギリスではシオニズムが生まれました。1590年に出版された『失われた十部族』には、アングロ・サクソン人、ケルト人、スカンジナビア人、ゲルマン人などが旧約聖書に登場するイスラエル人の直系の子孫であると書かれています。

 

17世紀初頭にイギリス王として君臨したジェームズ1世(イングランド王)/ジェームズ6世(スコットランド王)は自分をダビデ王の末裔だと信じ、その頃に出現した「ブリティッシュ・イスラエル主義」がシオニズムの始まりだとも考えられています。

 

その息子であるチャールズ1世はピューリタン革命で処刑されたましたが、その革命で中心的な役割を果たしたオリヴァー・クロムウェルをはじめとするピューリタンもジェームズ1世と同じように「イスラエルの失われた十支族」話を信じていたようです。

 

そのクルムウェルはユダヤ人をイングランドへ入れることを許可しましたが、その理由は金融や商取引に長けたユダヤ人の力を必要としていたからだとも言われています。そしてアングロ・サクソンとユダヤ教徒のエリートは同盟するようになり、19世紀の帝国主義を支えることになりました。

 

19世紀のイギリス政界では反ロシアで有名なヘンリー・ジョン・テンプル(別名パーマストン子爵)が大きな影響力を持っていましたが、彼は戦時大臣、外務大臣、内務大臣を歴任した後、1855年2月から58年2月まで、そして59年6月から65年10月まで首相を務め、ビクトリア女王にアヘン戦争を進言しています。

 

当時のイギリス帝国主義を動かしていた人物として、ネイサン・ロスチャイルド、ウィリアム・ステッド、レジナルド・ブレット、セシル・ローズたちも知られています。

 

ローズは1877年6月にフリーメーソンへ入会した後、『信仰告白』を書きましたが、その中で彼はアングロ・サクソンが最も優秀な人種だと主張、その優秀の人種が住む地域が増えれば増えるほど人類にとってより良く、大英帝国の繁栄につながり、秘密結社はそのために必要だとしています。

 

イギリス政府は1838年、エルサレムに領事館を建設し、その翌年にはスコットランド教会がパレスチナにおけるユダヤ教徒の状況を調査、イギリスの首相を務めていたベンジャミン・ディズレーリは1875年にスエズ運河運河を買収します。アーサー・バルフォアがウォルター・ロスチャイルドへ書簡を出してイスラエル建国への道を切り開いたのは、1917年11月のことでした。いわゆる「バルフォア宣言」です。

 

ディズレーリが書いた小説『コニングスビー』の中に、次のようなことが書いてあります。

 

「(ジョン・)ハムデン(オリバー・クロムウェルの従兄弟)による最初の運動から1688年の最後の最も成功した運動(名誉革命)に至るまで、イングランドにおけるホイッグ党指導者たちの最大の目的はベネツィア共和国をモデルとした高貴な貴族制の共和国をイングランドに樹立することであり、当時のあらゆる思索的な政治家がそれを研究し称賛することだった。」

 

一般的に「シオニズム」はセオドール・ヘルツルという無神論のユダヤ人が『ユダヤ人国家』という本を出版したのは1896年に始まるとされていますが、その遥か前からイギリスではシオニズムが存在していました。その後、資本主義世界を支配することになるアングロ・サクソン帝国の背景はここにありますが、そのシステムが現在、崩壊し始めています。その点について考えてみたいと思います。

櫻井 春彦

 

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