【連載】今週の寺島メソッド翻訳NEWS

☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年9月23日):国連人権高等弁務官事務所ニューヨーク事務所の元所長クレイグ・モキバー氏の訴え。「米国に拒否権を使わせずにパレスチナを守る方法」

寺島隆吉

※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。

今回の米国による拒否権発動に対してできることはいくつかあります。一番明白な方法は、平和のための結集決議を求めることです。そしてその決議を国連総会に提起することです。国連総会は民主的な機関であり、拒否権はありません。

平和のための結集決議はこれまでも何度か使われたことがありました。しかし、常にただの象徴的な決議に終わっています。この決議により、休戦や人道支援などが求められてきましたが、実行力のある措置は執られたことがありません。

我々が主張しているのは、法的根拠と判例に基づき、必要な権限を全て有する国連総会は、米国の拒否権行使を恐れることなく、平和のための結集決議を採択できる、ということなのです。正しい行動をとれば、この決議により、経済的外交的政治的制裁をイスラエル政権に対して宣告することができます。イスラエル政権に押しつけることはできませんが、イスラエルを監視し、その網を広げ、全ての国に制裁を前進させるような多国間の外交政策を取らせることができ、さらには軍需品の禁輸に関しても同様のことができ、イスラエルの国連総会への参加資格の剥奪を求めることもできます。南アフリカがアパルトヘイト政策をとっていたとき、同じことがおこなわれました。

それから、この決議ができることは、多くの国々がパレスチナを守るために配置されるという命令を出すことです。そうやってパレスチナ市民を守り、人道支援を補助することができるのです。さらにはイスラエルによる犯罪の証拠を保持し、復興や再建の取り組みを始めることができます。

この決議がパレスチナの解放に向けた長期の戦略にとって代わることにはなりませんが、いま私たちにできることは何でしょう?そしてその答えはパレスチナの人々による抵抗や、パレスチナの人々の確固たる連帯しかありません。さらにはパレスチナを支援する私たちがみな行動を起こし、団結を強めることです。

干渉があったとすれば、どうしましょうか?干渉はあるでしょう。その時は、パレスチナの人々の意志を確認した上で、パレスチナの統治においてハマスかパレスチナ当局、どちらに役割を持たせるかという問題に鼻を突っ込ませないような特定の命令を出すべきです。その決議が規定するのは、軍を配置するということだけで、その軍には、例えばスペインやアイルランド、南アフリカ、スロベニア、 ナミビア、コロンビア、ブラジル、インドネシア、マレーシアの人々がいる、という感じなのです。これらの人々が国際的な命令の元で、陸路や空路、海路からガザに入るのです。侵略軍としてではありません。パレスチナの人々を守るための武装した軍なのです。

この決議は好機なのです。100パーセントの効果のある万能薬ではありません。でも好機なのです。

パレスチナの人々の命を守るために介入する権力を使うための好機になるのです。そして私たちは193カ国全ての国々が、この決議に対して、「イエスかノーか」はっきり答えてもらいたいのです。消滅の危機にあるパレスチナを守る気があるかどうかについて、です。「ノー」と答えた国は、世界に対してだけではなく、自国民に対しても、その姿を示すことになり、苦しむことになるでしょう。

 

※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS http://tmmethod.blog.fc2.com/

の中の「国連人権高等弁務官事務所ニューヨーク事務所の元所長クレイグ・モキバー氏の訴え。「米国に拒否権を使わせずにパレスチナを守る方法(2025年9月23日)

http://tmmethod.blog.fc2.com/

からの転載であることをお断りします。

また英文原稿はこちらです⇒https://x.com/intifada/status/1966546850976354381上記Xの投稿動画の文字起こし

https://x.com/intifada/status/1966546850976354381

寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

ご支援ください。

ISFは市民による独立メディアです。広告に頼らずにすべて市民からの寄付金によって運営されています。皆さまからのご支援をよろしくお願いします!

Most Popular

Recommend

Recommend Movie

columnist

執筆者

一覧へ