【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年9月25日 (木) 前原誠司氏の正体

植草一秀

日本政治の根本問題とは何か。

それは日本の基本路線だ。

日本は永遠に米国の植民地という状態を続けるのか。

日本の真の独立を考えるべきではないか。

米国に付き従うことが日本の国益という時代は終わった。

この問題を本格的に問い直すべき時機が到来している。

根本問題は日本の平和と安全。

いま、新しい戦争の脅威が叫ばれている。

どんな脅威か。

対中国戦争の脅威だ。

1972年に日本は中国と国交を樹立した。

78年には平和友好条約も締結した。

日中友好が推進された。

それが一転して「中国の脅威」と騒がれる。

中国が日本に何かをしたか。

何もしていない。

それなのに中国の脅威が煽られる。

転機は2010年9月7日の尖閣海域中国漁船衝突事件。

私はこの問題をずっと追跡してきた。

そして真相を掴んだ。

ウィキリークスが極秘文書を暴露したことも大きい。

ウィキリークスが暴露した文書の一つに下記のものがある。

発信地:東京 日付:2009/12/10 区分:極秘
ルース駐日米大使と前原国交相会談

前原氏はルース駐日大使に何を話したのか。

上記極秘文書の要約が以下になる。

「前原大臣は、連立相手の支持いかんにかかわらず現行の普天間移設案を最終的に受け入れるための民主党政権の案概要を説明

社民党や国民新党との連立政権が崩壊しても、民主党政権は4月下旬から5月上旬に普天間移設案で前進可能だとした

前原氏は岡田克也外相がこのメッセージをある時期に米政府に届ける、とも話した。」

驚くべき内容だ。

2009年12月10日は鳩山内閣が発足して3ヵ月も経過していない時期。

鳩山総理は「最低でも県外」の方針を明示して普天間移設先を県外、国外にする方針を示した。

その足元で前原誠司氏が駐日大使にまったく異なる説明をしていた。

前原氏は、

「たとえ社民党や国民新党がこの4点に合意しなくても、民主党連立政権がいったん2010年度予算や他の予算関連法案を通せば、参院選が近づく。

民主党は米日同盟を重んじているため、選挙前に、社民党と国民新党を連立政権から外すことができる。」

「このシナリオのもと、もし、米国が現行の普天間代替施設案へのどの代替案にも合意しなければ民主党は現行の移設案を進め、必要ならゴールデンウィーク(2010年4月29日~5月5日)後に連立を解消させる用意がある。」

辺野古移設を決定するために社民党を連立政権から外す方針をルース駐日大使に前原氏が述べている。

前原氏は沖縄担当相兼国交相。

鳩山内閣は内部から破壊されていた。

この前原氏がルース大使に述べたもう一つの重要事項がある。

「沖縄県名護市長選は、現行の移設案に反対する候補が勝ちそうだが、埋め立て計画を許可するのは名護市長ではない、と前原氏は大使に指摘した。

代わりに、合意に署名するのは沖縄知事である、とした。」

2010年11月の沖縄知事選で伊波洋一氏が落選して仲井眞弘多氏が当選した。

ウィキリークスは2010年2月2日に国会内で米国カート・キャンベル国務次官補と前原誠司氏が会談し、前原氏がキャンベル氏に

「年末の沖縄知事選での伊波洋一氏選出のリスクを指摘した」

事実も暴露している。

超ド級の事実がウィキリークスによって暴露されている。

しかし、メディアが報じないために、事実を知る国民はほとんどいない。

UIチャンネル第600回記念放送
「混迷する日本政治と活路その活路
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をぜひご高覧賜りたい。

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植草一秀の『知られざる真実』2025年9月25日 (木)「前原誠司氏の正体」

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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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