【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年10月 1日 (水) 無間地獄に放置される国民

植草一秀

今年も残すところ3ヵ月。

過ぎ行く時間の早さに驚かされる。

思えばたった1年前に石破内閣が発足。

予算委員会を開いて十分に審議して衆院解散に進むとしたが就任するやいなや衆院を解散した。

この選挙で自公は過半数割れに転落。

総選挙での最大争点は二つ。

国民生活の窮乏にどう対応するか。

そして、自民党の金権腐敗をどう断ち切るか。

このテーマの解決を付託されて発足したのが石破内閣。

石破内閣の手腕が問われたのが2025年通常国会。

党内野党とも表現された石破氏がどのような新機軸の政策を示すのかが注目された。

しかし、結果は「残念」の一言。

何もしなかったと言って過言でない。

国民生活の窮乏への対応は何一つ進んでいない。

自民党の金権腐敗体質にメスが入れられたのか。

選挙を実施したから「みそぎ」が済んだなどの発言さえ聞かれる。

何もしていないのに問題が終わったかのような言い回し。

この石破内閣への主権者の審判が参院選で下された。

結果は不信任=不合格。

125議席を争う選挙で石破氏は自公合わせて50議席を勝敗ラインに設定。

保身優先の低すぎるハードル設定である

その低すぎるハードルさえ超えられなかった。

選挙結果を踏まえて石破氏は直ちに辞意を表明するべきだったが最後の最後まで総理の座にしがみつこうとした。

しかし、自民党が総裁選前倒しを決定することが確実になって万事休す。

完全敗北が明らかになってようやく石破氏は辞意を表明した

政局すごろくは「ふりだしに戻る」。

1年前に回帰した。

1年間が無為に費やされた。

これ以上の政治の堕落、劣化はない。

1年前の自民党総裁選を再生するかのような党首選が繰り広げられている。

この三文芝居の舞台回しをしているのは一体誰か。

その舞台回しの主に大きな責任がある。

舞台回しの主は財務省である。

財務省が裏で糸を引くから何も進まない。

日本の停滞は現在進行形。

10月1日に発表された日銀短観8月調査結果は大企業の業況判断が良好であることを示した。

日本経済は停滞を続けている。

30年間ほぼ成長していない。

世界でも類例を見ない超停滞経済が日本経済だ。

ところが、大企業の業況は良好。

大企業の利益も史上空前の水準を更新し続けている。

これが株価上昇の基本原因である。

経済全体が停滞しているのに企業利益が拡大し、株価が上昇していることは何を意味するか。

ここが重要だ。

経済活動が生み出す果実は資本と労働で分配する。

経済全体の果実が増大しないのに企業の取り分が増えているということは労働の取り分減少を意味する。

労働者実質賃金は減少の一途を辿ってきた。

実質賃金減少を加速させたのがインフレの発生。

日本国民は賃金減少・インフレ亢進という無間地獄に取り残されている。

このなかで旧態依然の何の前進もない自民党党首選が繰り広げられている。

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「混迷する日本政治と活路その活路
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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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