
植草一秀【連載】知られざる真実/2025年10月 8日 (水) 「傷もの」の言葉で茶を濁すな
社会・経済自民の衆院議席は196。
衆院過半数は233。
過半数をはるかに割り込んでいる。
立民の衆院議席は148.
自民との差は48しかない。
高市早苗氏が自民党党首に選出され、高市首相が誕生することが確定的であるかの報道が多いが実態は五里霧中。
衆院の公明議席数は24で自民は公明を合わせて220。
これでも過半数に13議席足りない。
公明は自民に対し、
1.政治とカネ
2.靖国参拝
3.外国人排斥
の三問題で懸念が解消されることが連立維持の条件だと通告。
公明が連立から離脱すると自民が政権与党にとどまることに黄信号が灯る。
衆院の国民民主議席数は27。
自国合計は223で過半数に10足りない。
逆に立民、維新、国民、公明の合計は237になり過半数を超える。
今後の協議で新たに創設される政権の枠組みは変化し得る。
この不安定な状況下で高市氏は幹事長代行に萩生田光一氏を起用した。
裏金事件の代表格議員。
自民裏金事件は巨大な政治資金不正事件である。
不記載金額が4000万円を超えた議員3名だけが刑事事件として立件された。
第4位は二階俊博氏の3526万円。
二階氏がかからないように刑事事件立件ラインが引くことを「二階ルール」と呼ぶ。
2009年3月3日に小沢一郎議員の公設第一秘書が逮捕された。
西松建設関連の二つの政治団体からの寄附を事実通りに記載して報告したことが「虚偽記載」だとされて会計責任者が突然逮捕された。
まったく同じ事務処理をした資金管理団体が13あったが、小沢氏の資金管理団体だけが刑事事件として立件された。
小沢氏資金管理団体が受けた寄附は1400万円。
金額第2位の二階氏資金管理団体が受けた寄附は778万円だった。
このときは1000万円が刑事事件立件の境界とされた。
二階氏が立件されない水準にラインが引かれた。
だから「二階ルール」と呼ばれる。
西松事件で「虚偽記載」とされた理由は、未来産業研究会、新政治問題研究会という名の政治団体には実体がなく、寄附行為者を「西松建設」としなかったことが「虚偽記載」に当たるとされた。
しかし、2010年1月13日にこの事件の第2回公判が開かれ、西松建設の岡崎彰文元取締役総務部長が証言。
二つの政治団体は事務所も常駐職員も有しており、実体があったことを証言した。
この結果、2009年3月3日の西松事件そのものが空前絶後の検察大失態冤罪事件であることが明らかになった。
メディアは検察大失態を追及すべきだったが、一切しなかった。
検察は大失態を隠蔽するために、別の事件を仕立てて2010年1月15日に小沢氏元秘書3名を逮捕した。
これが陸山会事件。
詳細は割愛する。
これもチンピラの因縁というべき、刑事事件にするような実態のある事件ではなかった。
西松事件の基準とされた1000万円で線を引いたなら今回の自民党裏金事件では21名が刑事事件として立件されている。
その裏金ランキングの第6位にランクインしているのが2728万円の萩生田光一氏。
日本の刑事司法が健全に機能しているなら刑事事件として立件されていた。
その裏金議員を幹事長代行に起用した高市早苗氏。
高市氏が失脚する日は遠くない。
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050