【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年10月16日 (木) 自民と維新の金権腐敗連立

植草一秀

日本人は大事なことをすぐ忘れる。

メディアが、人々がものごとを忘れるように情報操作することが主因。

7月20日参院選で自公が大敗した。

石破首相は首相の座にしがみついたが、最終的には投降。

党首選前倒しの流れが確定して辞意表明に追い込まれた。

自民は党首選で「解党的出直し」を謳(うた)った。

その党首選で自民は高市早苗氏を選出。

この新体制に公明は懸念を表明した。

歴史認識、外国人対応、政治とカネ問題だ。

最大の焦点は政治とカネ問題への対応。

だが、高市新体制はゼロ回答。

しかも、連立パートナーである公明に対する敬意を微塵も示さなかった。

公明幹部を「がん」と表現した麻生太郎氏を副総裁に起用。

裏金議員代表格で秘書が罰金と公民権停止3年に処されたばかりの萩生田光一氏を幹事長代行に起用。

自民党の党運営は実質的に萩生田氏に委ねられることになる。

「解党的出直し」も「政治とカネ問題への対応」ももぬけの殻。

公明の連立離脱にはこの意味が含まれている。

連立離脱で自民党が野党転落の危機に直面するなかで、野党勢力が金権腐敗政治を一掃するために自民政治に幕を引く決断をするかが注目された。

立民、維新、国民が金権腐敗政治一掃で結束して連立政権を樹立することは可能。

金権腐敗政治一掃を旗印に新政権を樹立するなら公明も賛同する可能性がある。

ところが、国民民主は自党の主張を押し通すことを優先。

戦争法制肯定と原発推進が一丁目一番地だとした。

戦争法制肯定と原発推進が基軸なら自民党と組むのが順当だ。

金権腐敗政治一掃については国民民主がもっとも後ろ向き。

25年通常国会で企業献金全面禁止を法定化できた。

これを潰したのが国民民主だった。

つまり、国民民主は金権腐敗政治一掃の意思を有していないということ。

逆に国民民主は金権腐敗政治の仲間入りをしたいということ。

しかし、同じ穴のムジナがもう一匹いた。

かねてより怪しい部分満載だったが維新も本音は金権腐敗政治一掃拒絶と考えられる。

維新は25年通常国会で企業献金禁止に表向き賛成のスタンスを示したが、それは企業献金禁止が法定化されることはないとの状況判断に基くフェイク・ジェスチャーであった疑いが強い。

国民民主は自民と連立しても議会多数政権にならないことを理由に自民との連立に背を向けた。

その間隙を縫って維新が自民との連立に走った。

メディアはこのことだけを伝えるが忘れてはならない。

公明の連立離脱が政治とカネ問題への自民のゼロ回答を主因とするものだったことを。

問題の一つは萩生田光一氏の幹事長代行起用。

もう一つの問題は自民が企業献金規制強化提案にゼロ回答したこと。

高市氏は週末に検討する時間が欲しいと述べたが、週末が過ぎても提案は示されていない。

公明が連立から離脱したから検討すらやめたのか。

この問題に自民が何も対応を示さぬなかで維新が自民にすり寄る。

維新は金権腐敗政治を正す考えがないということになる。

党が議員個人に巨額の寄附を行い、その巨額の政治資金を「政策活動費」の名目で使途不明金にしてきた横綱が自民党、大関が維新と国民だった。

政治とカネ問題を自民同様に抱えてきたのが維新と国民。

その維新が自民の金権腐敗体質是を一切条件とせずに自民との連立参画の意向を示している。

メディアはなぜこの点を追及しないのか。

日本政治堕落の責任を堕落したメディアが負っている。

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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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