【櫻井ジャーナル】2025.10.25XML: イランの攻撃でハイファを使えなくなったイスラエルはキプロスに新たな拠点
国際政治イスラエルとイランは6月にミサイルを撃ち合った。その際、イランの攻撃でベン・グリオン国際空港は閉鎖され、コンテナ船を扱えるふたつの港、ハイファとアシュドッドのうちハイファ港は閉鎖されている。
この攻撃の後、少なからなぬイスラエル人が国外へ脱出しているが、行き先のひとつがキプロスで、イスラエル人がそこで不動産を購入していると報道されていた。キプロスのユダヤ人コミュニティは20年前の数百世帯から今では約4000世帯へ拡大、イスラエルの拠点になりつつある。その象徴的な存在が、国際空港がある港湾都市のラルナカ。空港のフェンス周辺と管制塔にイスラエルの治安部隊が駐留しているという報道もあった。
かつてのハイファと似た役回りになりつつある。不動産価格の高騰でキプロス人は締め出される一方、シオニストのためのインフラ整備が整備され、シナゴーグも建設されている。ヨルダン川西岸のような入植地が広がりつつあると懸念する人もいる。
イスラエルがガザを破壊し、住民を大量虐殺している理由のひとつはガザ沖で発見された天然ガス田だと言われているが、そこから天然ガスを輸送するパイプラインはキプロスを経由する計画になっている。
この天然ガス田が発見されたのは2010年。イスラエル北部で推定埋蔵量約4500億立方メートルの大規模なガス田を発見したとノーブル・エナジーが発表している。エジプトからギリシャにかけての海域には9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が眠っているとUSGS(アメリカ地質調査所)の推定していた。

ちなみに、ビル・クリントン元米大統領はノーブル・エナジーのロビイストを務めたことが亜あり、ヒラリー・クリントンに選挙資金を提供していた。そのヒラリーをジョージ・ソロスが操っていることは2016年に漏れた電子メールで明らかにされたが、そのソロスはロスチャイルド金融資本と結びついている。
イギリスのロスチャイルドを率いていたジェイコブ・ロスチャイルドが戦略顧問として名を連ねていた会社、ジェニー社はイスラエルが不法占拠しているシリア領のゴラン高原で石油開発を目論んでいたことでも知られている。
天然ガスだけでなく、人の移動でもキプロスはイスラエルの重要な中継地になる。また、キプロスにはイギリス空軍のアクロティリ基地があり、そこはイギリス空軍だけでなくアメリカ空軍の偵察航空団も駐留している。ガザでの大量虐殺でも、アメリカやイギリスはイスラエルへの物資の輸送や偵察の拠点としてキプロスの軍事基地を拠点にしてきた。アメリカやイギリスにとってキプロスは地中海から中東にかけての地域における戦略的な要石のような存在だが、イスラエルにとっても重要な存在になるかもしれない。
イスラエル軍がイランを攻撃したのは6月13日のことだが、その10日前の6月3日、超正統派ユダヤ教と宗教的シオニストのコミュニティに属する数人の女性が6月3日にクネセト(イスラエル国会)の公聴会に登場、サディスティックで性的な宗教儀式について証言した。これには児童人身売買ネットワークが含まれていると認識され、大きな問題に発展する可能性があると考えられていた。そのスキャンダルをイスラエル軍のイラン攻撃によって、宗教儀式の話どころではなくなった。



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