植草一秀【連載】知られざる真実/2025年10月26日 (日) 現代版奴隷貿易の移民政策
社会・経済村山富市元総理大臣が逝去された。
謹んで故人のご冥福をお祈りしたい。
村山市の最大の業績は敗戦50年談話である。
日本の過去を直視し、日本の加害責任を率直に認め、近隣諸国への明確な謝罪の意を表明した。
歴史を直視して非を非として認めること。
その上で道を誤らないことを決意すること。
これこそが正統の愛国姿勢である。
世間には間違った主張がはびこる。
過去を直視して非を非として認めることを「自虐」と称する。
そして、その「自虐」を間違ったことと位置付ける。
その帰結は何か。
自らの過去の過ちを否定して、あくまでも正しかったと強弁する。
当然のことながら、そこには自省も反省もない。
過去の過ちを否定して正当化するのだから当然の結果として同じ過ちを繰り返すことになる。
日本の戦争責任について中国は、「責任を負うのは戦争犯罪者であって日本国民ではない」との理解を示した。
このことによって日本国民は救われた。
しかし、よく考えてみると、日本国民に本当に責任がなかったと言い切れるのか疑問が残る。
関東大震災の発生後に多数の朝鮮人と中国人が虐殺された。
内務省警保局が朝鮮人や中国人を虐殺することを誘導する電信を各地に送信したことが大きな背景になったことは間違いない。
しかし、問題の所在はそれだけにとどまらない。
日本国民自体の問題がなかったとは言えない。
多くの日本国民が偏見に満ちた判断をし、重大犯罪に走った面を否定できない。
いま日本では軍拡路線が勢いをつけている。
日本は正しかった。
日本は素晴らしい国である。
日本を守るために軍備を拡張すべきだ。
近隣諸国との戦争に備えるべきだ。
このような威勢の良い言葉がこだまする。
しかし、その延長線上に見える未来は光り輝くものではない。
もと来た暗黒の日本に舞い戻すものでしかない。
日本に住む外国人が激増した。
最大の背景は日本政府が入管法を改定して外国人の流入を人為的に推進したことである。
多くの業種で事業に必要な人員を確保することが難しくなった。
問題発生の原因は明確だ。
賃金が低すぎるのだ。
過酷な労働であるのに賃金が低い。
当然のことながら求職者は減る。
「市場原理」を重視するなら賃金を上げるしかない。
賃金を上げれば求人は減り、求職は増える。
労働供給と労働需要がマッチする水準で新しい高い賃金水準が決定される。
これが「市場原理」に基づく「経済均衡」である。
「人手不足」の本質は「賃金不足」にある。
ところが日本の事業者は賃金を引き上げたくない。
賃金を上げずに人手を求めることを「人手不足」と叫んだのである。
日本政府は産業の要求を満たすために、低い賃金で労働力を提供する外国人を大量に「輸入」する措置を取った。
これが「入管法改定」の背景だ。
外国人に対して十分な人権を認めずに、低賃金で労働力を供給する外国人を大量に「輸入」した。
現代版の「奴隷貿易」に他ならない。
今度はその外国人に対して「罰則を強化する行政」を展開しようとしている。
こんな日本が近隣諸国から愛されるわけがない。
(お願い)
情報拡散を推進するために「人気ブログランキング」クリックをぜひお願いします。
UIチャンネル第600回記念放送
「混迷する日本政治と活路その活路
https://x.gd/DafTc
のご高覧・拡散もお願いします。。
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第4231号
「真の「愛国の作法」を考える」
でご高読下さい。
この機会にメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご購読をぜひお願いします。
『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、最重要政策争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著を上梓しました。
『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』
(ビジネス社)
ご高読、ならびにアマゾンレビュー、ぜひぜひ、お願いします。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
のご購読もよろしくお願いいたします。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、support@foomii.co.jpまでお願い申し上げます。
※なお、この記事は下記からの転載であることをお断りします。
植草一秀の『知られざる真実』2025年10月26日 (日)「現代版奴隷貿易の移民政策」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/10/post-834042.html
– – – – –– – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
スリーネーションズリサーチ株式会社
http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/03/post-317af8.html
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内
植草一秀
植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050


















