【連載】今週の寺島メソッド翻訳NEWS

☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年10月30日):プーチン補佐官、ロシアと米国の直通トンネルを提案

寺島隆吉

※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。

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米国アラスカ州とロシアのチュクチ半島を結ぶベーリング海峡の航空写真。 © Getty Images / Orbital Horizon/Copernicus Sentinel Data 2018/Gallo Images

ロシア大統領補佐官のキリル・ドミトリエフ氏は、ロシアと米国は両国を結ぶためにベーリング海峡の下に直結する鉄道トンネルを建設すべきだ、と提案した。

ロシアの政府系基金(RDIF)の代表も務めるドミトリエフ氏は木曜日(10月16日)のXへの投稿で、このトンネルは両国に利益をもたらすだろうと述べ、億万長者であるイーロン・マスク氏を、同氏が所有するボーイング・カンパニー社を通じて協働するよう呼びかけた。この会社は「ループ」と呼ばれる地下輸送形態を建設している。

「イーロン・マスクさん、米国とロシアの接続を想像してみてください。アメリカ大陸とアフリカ・ユーラシア大陸が、プーチン・トランプ・トンネルでつながるのですよ。70マイルの長さが連帯の象徴なるのです」とドミトリエフ氏はX上に投稿し、この計画は資源探査を促進し、雇用を生み出し、両国の経済を活性化させるものだ、とした。「ともに未来を創造しましょう。今こそ、ロシアと米国を結びつける好機です」と。

ドミトリエフ氏のこの発言は、米国のアンナ・パウリナ・ルナ共和党下院議員がジョン・F・ケネディ大統領暗殺に関するソ連の機密解除された文書を公開したことをうけたものである。なおその情報は今週ロシア側が明らかにしたものだ。暗殺に関する文書に加えて、350ページにわたるこの重要な文書には、両国をつなぐ「フルシチョフ・ケネディ橋」計画についても記されていた。

 

ドミトリエフ氏がリポストした投稿に描かれていた絵には、「ケネディ・フルシチョフ世界平和橋が、かつてロシアとアラスカの間にかけられる可能性があったし、かけられるべきであった」という但し書きが書かれており、ベーリング海峡経由で米露が繋がれるという視座は、「この先も恒久的に続く」とも記載されていた。

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ドミトリエフ氏は、このトンネル計画には650億ドル以上の資金が必要となり、ボーリング・カンパニー社ならその費用を9割安の80億ドルにまで抑えることができ、 建設まで8年はかからないだろう、と述べた。 さらに同氏は、露中間の初めての鉄橋建設を助けたRDIFもその計画に参加する用意がある、とも述べた。

これに対して、マスク氏はまだ反応を見せていない。ドミトリエフ氏はかつて、この億万長者を米露協同火星探査に参加するよう誘ったことがあるが、それはマスク氏が2026年に「レッドプラネット(火星移住計画)」という計画を実行する、と発表したことを受けてのことだった。ロシアのウラジミール・プーチン大統領もマスク氏との連携を支援すると話しており、ロシアの諸企業はそのような共同計画から利益を得ることができる、とも述べている。

ドミトリエフ氏からのこの提案は、ウクライナ問題に関して、数年間緊張関係にあった米露関係が雪解けする兆候を見せる間におこなわれたものだ。ドナルド・トランプ大統領が一月に大統領職に復帰して以来、両国側は高官段階の話し合いを数回持ってきたが、その中には8月にアラスカで実施された、プーチン大統領とトランプ大統領間の首脳会談もあった。

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両指導者は、経済協力を拡大する計画を示唆しており、この2週間のうちにハンガリーで会談を持ち、さらに詰めた話し合いがおこなわれる、と期待されている。

 

※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS http://tmmethod.blog.fc2.com/

の中の「プーチン補佐官、ロシアと米国の直通トンネルを提案(2025年10月30日)

http://tmmethod.blog.fc2.com/

からの転載であることをお断りします。

また英文原稿はこちらです⇒Putin aide proposes direct Russia-US tunnel
キリル・ドミトリエフ補佐官は、自身の生活基盤施設関連会社が8年以内に70マイルのトンネルを建設できると述べ、イーロン・マスク氏にこの計画への参加を呼びかけている。
出典:RT 2025年10月17日https://www.rt.com/russia/626605-putin-aide-russia-us-tunnel/

寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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