【連載】今週の寺島メソッド翻訳NEWS

☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年11月2日):トランプ大統領、ベネズエラでのCIAの活動を承認:これまでの状況と今後の展開

寺島隆吉

※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。

トランプ大統領は、ベネズエラにおけるCIAの秘密作戦を承認したと認め、次は地上攻撃になるかもしれないと述べた。
(画像1)

複数の専門家は、トランプ大統領とマドゥロ大統領が合意に達する見込みはほとんどない、と指摘している[ファイル: AFP]

(画像2)
Elizabeth Melimopoulos
(画像3)
Sarah Shamim

ドナルド・トランプ米大統領は水曜日(10月15日)、CIAに対しベネズエラでの秘密作戦の実施を承認したことを確認した。

ニューヨーク・タイムズ紙が最初にこの指令を報じた。米当局者の非公式発言を引用し、トランプ政権の戦略はニコラス・マドゥロ大統領の権力剥奪に焦点を当てていると伝えた。

推薦記事4本:

• list 1 of 4Trump authorises CIA operations in Venezuela, says mulling land attack
• list 2 of 4Torrential rains collapse Venezuelan gold mine killing 14
• list 3 of 4Trump administration carries out lethal strike in Caribbean, killing six
• list 4 of 4South Africa, Qatar are in, but who else has qualified for FIFA World Cup?

トランプ大統領はまた、米政府がベネズエラへの地上攻撃を検討していると述べた。これは、ここ数週間のカリブ海における米軍によるベネズエラ船への複数回の攻撃と、米大統領が命じた同海域での軍隊増強を受けて、緊張が急激に高まっている状況下での発言である。

マドゥロ大統領は水曜日(10月15日)の夜、国営テレビに出演し、米国の自制を呼びかけ、さらに事態が悪化しないよう警告した。

「アフガニスタン、イラク、リビアでの失敗した戦争を想起させる政権交代には反対だ。CIAによるクーデターにも反対だ。ラテンアメリカはそれらを望まず、必要とせず、拒否する」と、ベネズエラ大統領はトランプ大統領の発表を受け、述べた。

木曜日(10月16日)、米国はカリブ海でまたもや船舶への攻撃を発表した。

ではトランプ大統領は次に何を企んでいるのか?その動きは合法なのか?ベネズエラはどのように対応したのか?そしてCIAのラテンアメリカにおける秘密工作がどのようなものになるか、歴史は私たちに何を教えてくれるのか?

トランプ大統領は何を発表したか?

「どうしてあなたはCIAがベネズエラへ行くことを許可したのか?」とあるアメリカのジャーナリストが記者会見でトランプ大統領に質問した。

「実際のところ理由は2つ」とトランプ大統領は言った。

「理由1.ベネズエラは自分たちの国に拘留している囚人をごっそりアメリカ合衆国に送り込んだからだ。」

「もう一つは麻薬だ。ベネズエラから大量の麻薬が流入しており、その多くは海路で運ばれてくる。だからそれを目にする機会があるが、我々は陸路でも阻止するつもりだ」と彼は付け加えた。

CIAが「マドゥロを排除する権限を持っているか」と問われたトランプ大統領は、明言を避けた。政権交代を否定はしなかったものの、その可能性を排除しなかったのである。

「ああ、そんな質問には答えたくないな・・・私にそんな質問をするなんて馬鹿げている・・・いや、質問自体は馬鹿げているわけじゃないが、私が答えるのは馬鹿げているだろう。でもベネズエラは追い詰められていると思う」とトランプ大統領は付け加えた。

すでにアメリカはどんな作戦を実行したか?

米国は現在までにベネズエラ領海内の船舶に対し6回の攻撃を実施しており、これらの船舶が麻薬密輸に関与していたと主張している。これらの作戦により少なくとも27名が死亡したと報じられている。

これまでの作戦は以下のとおり:

• 9月2日:最初のアメリカの攻撃で11名死亡したと報告されている
• 9月15日:2回目の攻撃で3名が死亡したとされる
• 9月19日:3回目の攻撃で3名死亡したと報道されている
• 10月3日:4回目の攻撃で、アメリカ当局によれば、4名死亡
• 10月14日:トランプ声明によれば、次の攻撃で6名死亡
• 10月16日:アメリカ当局は6回目の攻撃を確認し、生存者が報告されたと述べた。当該船舶は麻薬密輸に関与していたと説明された。

トランプ大統領とその政権は、爆撃された船が米国向けの麻薬を輸送していたという公的な証拠をこれまで一切提示していない。

大統領は議会の承認なしに秘密作戦や軍事行動を開始できるのか?

専門家らは以前、アルジャジーラに対し、アメリカのベネズエラ船への攻撃は国際法に違反する可能性があり、米国憲法にも反すると述べている。

CIAが宣言したものであれ米軍が宣言したものであれ、ベネズエラ領内での作戦行動は、大統領の法的権限の妥当性を検討する上で、海上攻撃の比ではなくなるだろう。

オランダ・ライデン大学のサルバドール・サンティーノ・レギルメ(Salvador Santino Regilme)准教授は先月、アルジャジーラに対し、海上作戦における致死的な武力行使は生命の権利を尊重し、法執行の必要性と均衡性の原則に従わなければならないと説明した。

「国連海洋法条約(UNCLOS)と1988年国連薬物密輸防止条約は、海上における協力、乗船検査、同意手続きを重視しており、即決破壊を認めていない。疑わしい密輸業者を殺害するいかなる攻撃も、迅速かつ独立した透明性のある調査を行うべきだ」とレギルメ准教授は述べた。

憲法学者のブルース・ファイン氏は、米海軍作戦に対する批判においてさらに明確な立場を示した。

「実際の攻撃に対する自衛以外の軍事力の行使には、議会の明示的な法的承認が必要である。ベネズエラの麻薬密売人に対するとされる軍事攻撃は違憲だった」とファイン氏は先月アルジャジーラに語った。

1973年戦争権限法は、米国大統領が戦争に突入する前に議会の承認を得ることを義務付ける連邦法である。また、大統領は軍事行動を開始してから48時間以内に議会に通知することを義務付けている。

ファイン氏はアルジャジーラに対し、そのような攻撃を承認するには議会での公的な投票が必要であり、そのような投票は行われていないと述べた。

トランプ大統領は就任当初、ベネズエラの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定した。8月にアルジャジーラへの声明で、ファイン氏はこの指定は「外国テロ組織に該当する法的基準に反するため違法である」と述べた。

米国憲法に基づく基準は、当該組織が米国国外に拠点を置き、テロ行為または活動に関与しており、そのテロ行為が米国市民の安全または米国の国家安全保障に対する脅威を構成していることである。

トランプ大統領はまた、米政府が「テロ組織」と指定したベネズエラの麻薬カルテルの背後にマドゥロ政権が関与していると繰り返し主張しているが、米情報機関自身がこの主張を裏付ける証拠はないと述べている。

ベネズエラはどう対応したか?

ベネズエラは米国が国際法と国連憲章に違反していると非難した。

マドゥロ大統領はまた、自称100万人規模の民兵組織の配備を発表した。9月初旬には、全国284カ所の「戦闘前線」拠点において、軍・警察・民間防衛組織を動員すると述べた。

「必要ならば武力闘争も辞さない」とマドゥロ大統領は同月、シウダ・カリビアで宣言した。また自国政府が「ナチス的過激派運動」に対して「最前線で立ち向かっている」とも述べた。

マドゥロ大統領はさらに言葉を続け、ベネズエラが「1942年から1944年にかけてカリブ海でナチスに攻撃されている」と主張した:

「別の説では、我々は大英帝国に攻撃されている。彼らは21隻の船を送り込んできたが、資源を持たない我々の民は棒や石、ナイフ、ナタを持って立ち向かい、彼らを打ち破った。我々は愚かではないし、これからも決して愚かになることはない。」

同時に、政府は宣伝活動を強化している。映像には、民兵組織のメンバーである男女(その多くは高齢者)が障害物コースを走ったりライフルを撃ったりする様子が映っている。

(画像4)

米国との緊張が高まる中、カラカスでボリバル民兵隊が軍事訓練中に隊列を組んでいる。[ギャビー・オラア/ロイター]

ベネズエラの政治学者カルロス・ピナ氏は、トランプ大統領の発表が国内でマドゥロ大統領の政治基盤を結束させる可能性があると述べた。

「本日、ベネズエラ大統領は再び米国の内政干渉を非難し、特に、この地域の多くの左派政権や政党が過去に自国におけるワシントンの影響力に反対するために用いてきた反植民地主義的言説を強化した」と同氏は述べた。

「とはいえ、現実的に考えると、トランプ大統領の発表はベネズエラ政府による国内監視と弾圧の強化につながる可能性が高く、放置すれば人権侵害につながる可能性もある。」

ラテンアメリカの他の国々はどう対応したか?

コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は水曜日(10月15日)のトランプ大統領の発表に反応し、自国に及ぶ可能性のある影響について警告した。

彼は南部プトゥマヨ県で開催されたイベントの出席者に対しこう語った。「率直に言って、私はベネズエラ現政権の政策をあまり支持していない・・・しかしコロンビアで何が起きうるかは理解している。もしミサイルが降ってきたら、それは私の責任だ」 あるいは本日発表されたように、CIA工作員や米海兵隊による地上からの暴力作戦が始まれば、あるいは既知のとおり、麻薬密輸網に関わろうが関わらなかろうが、無防備な民間人に向けてミサイルが発射されれば、それは私の責任となる。」

彼はさらに次のように述べた。「それは国連人権委員会の決議に反するからだ。同決議はコロンビアの決議を満場一致で承認したものだ」と。これはコロンビア政府とコロンビア革命軍(FARC-EP)が長年の紛争を終結させるために2016年に結んだ合意を指している。

ラテンアメリカにおけるCIAの歴史

それは汚辱にまみれたものだ。現時点では米国の対外諜報機関がベネズエラに対して何を企んでいるかは不明だが、中南米およびカリブ海地域におけるその活動の実態については、歴史が手がかりを提供している。

1800年代後半から20世紀初頭にかけて、米国は中米地域における自国企業の利益を守るため、一連の軍事介入(いわゆるバナナ戦争)を行った。

1934年、フランクリン・D・ルーズベルト大統領の下、米国は「善隣政策」として知られる政策を採用した。これは事実上、ラテンアメリカ諸国を侵略・占領せず、その内政に干渉しないという約束を意味していた。

しかし米国の「善隣外交」は長くは続かなかった。

特に冷戦期を通じて、米国はラテンアメリカ諸国で選出された左派指導者を失脚させるための複数の作戦に資金を提供した。

以下がその例:

1950年代のガテマラ
1954年、グアテマラの国民が選出したハコボ・アルベンツ大統領は、ドワイト・アイゼンハワー大統領下のCIAが支援する現地の戦闘グループによって打倒された。

アルベンツ大統領は企業を国有化しようとしたため、米国では同国でさらなる社会主義政策が実施されるのではないかという懸念が高まったのだ。

CIAの「PBSuccess作戦」の下で、同機関はクーデター後に権力を掌握した軍人カルロス・カスティーヨ・アルマス率いる戦闘員を訓練した。グアテマラでは1960年から1996年にかけ、グアテマラ政府と軍隊と、左派反乱組織との間で内戦が激化した。

1960年代のキューバ
1959年、キューバの共産主義指導者フィデル・カストロは独裁者フルヘンシオ・バティスタを打倒した後、権力を掌握した。

アイゼンハワー政権下で、CIAはキューバ亡命者を訓練し、キューバに侵攻させてカストロ政権を打倒する計画を立案した。1960年の大統領選挙で勝利した民主党のジョン・F・ケネディ大統領は、就任式でこの計画について説明を受けた。

カストロはキューバの情報機関を通じて訓練キャンプの存在を知った。1961年、ケネディ大統領はピッグス湾侵攻を承認した。これはキューバ亡命者によるカストロ打倒計画だった。しかし、キューバ軍の圧倒的な勝利により、侵攻は失敗に終わった。

1960年代のブラジル
1961年、ジョアン・グラールが社会経済改革の推進を託されて大統領に就任した。彼はキューバなどの社会主義諸国と良好な関係を維持し、米国所有の国際電話電信会社(ITT)の子会社を国有化した。

これに対し、CIAは親米派政治家に資金を提供し、反共産主義団体を支援した。これによりグラールの指導力は弱体化し、1964年の軍事クーデターに至り、親米的な独裁政権が樹立された。

1960年代のエクアドル
エクアドルは長年、政治的不安定の象徴的存在であり、1925年から1947年の間に27人の大統領が交代した。しかし、1950年代に入ると状況は一変し、同国は稀に見る安定期を迎えた。

しかし、それは長くは続かなかった。1960年代初頭までに、米国はホセ・ベラスコ・イバラ大統領とカルロス・フリオ・アロセメナ副大統領の親キューバ政策を懸念するようになった。実際、彼らはソ連圏諸国とさらに緊密な関係を提唱していたのである。

CIAは米国の労働組織を媒介として、同国内における反共産主義感情の拡散に資金を提供した。

「結局のところ、彼ら(CIA)は(エクアドルで)有力者のほぼ全員を掌握していた」と、あるCIA工作員は後に分析官ロジャー・モリスに語った。これは2004年にCIAが承認した、同機関のラテンアメリカにおける活動に関する評価報告書の中で述べられたものである。

カルロス・フリオ・アロセメナ副大統領はまずホセ・ベラスコ・イバラ大統領に対するクーデターを起こし、当初はさらに左傾化したが、その後自らの立場を穏健化させようとした。その後1963年、軍部がアロセメナに対するクーデターを起こし、共産党を禁止しキューバとの関係を断絶、米国の利益に歩調を合わせた。

1960年代、1970年代におけるボリビア
1963年から1964年にかけて、米国は主にCIAを通じて秘密資金を提供し、ボリビアの政治に影響を与えた。

この資金は米国に友好的な指導者を支援し、1964年11月にレネ・バリエントス・オルトゥーノ将軍が主導した軍事クーデターを後押しした。このクーデターは成功し、選挙によって選ばれたビクトル・パス・エステンソロ大統領を追放した。

だが米国によるボリビア干渉はこれで終わらなかった。

1970年代初頭までに、ワシントンは新たな政権交代を狙っていた。今回の標的はフアン・ホセ・トーレス大統領だった。彼は1970年に政権を掌握し、国内の複数の米国企業を国有化していた。

米国務省の公式歴史によれば、1971年6月、ラパス駐在の米国大使はワシントンに対し、トーレス大統領の反対派を支援する必要があると伝えた。ホワイトハウスは密かに、政権内の批判派が「クーデター資金」と呼んだ41万ドルを調達し、トーレス大統領に反対する軍部指導者や政治指導者への資金提供に充てた。

二か月後、上級将校ウーゴ・バンサーがトーレス大統領に対するクーデターを成功させた。米国はバンサー政権への資金援助を継続し、同政権は1978年まで続いた。それからほぼ二十年後、バンサーは1997年の選挙で実際に勝利した後、再び権力の座に返り咲くことになる。

1970年代のチリ
CIAは、選出された左派指導者サルバドール・アジェンデの大統領職を終わらせるための資金を提供した。アジェンデはチリの銅鉱山会社を国有化する計画を立てており、その多くは米国の利害関係者が所有していた。

CIAの資金はアジェンデ大統領の対抗馬を支援し、反共産主義感情を拡散するために使われた。これが1973年のアウグスト・ピノチェト将軍主導の軍事クーデターへと発展した。アジェンデ大統領は捕らえられる前にAK-47ライフルで自殺した:その死因に関する疑念は数十年も続き、数年後に独立した検視によって確認されるまで解消されなかった。

アウグスト・ピノチェト将軍による米国が支援した残忍な独裁政権は17年間続いた。

1970年代:コンドル作戦
1975年、CIAはラテンアメリカ6カ国の右派軍事独裁政権を支援し、「コンドル作戦」と呼ばれる国際的なテロネットワークを構築した。これはジェラルド・フォード大統領の在任中に始まった。

これらの国にはアルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、ウルグアイ、パラグアイが含まれていた。この作戦は政治的反体制派、左翼、共産主義支持者を弾圧することを目的としていた。独裁政権は国境を越えて反体制派とその家族を監視するため、共有データベースを利用していた。

彼らは情報交換、捕虜交換、拷問技法の共有といった戦術を用いた。ラテンアメリカ諸機関とオックスフォード大学の共同プロジェクト「コンドル計画」によれば、この作戦下で少なくとも97人が暗殺された。

1980年代のエルサルバドル
1981年12月、エルサルバドル軍の精鋭部隊アトラカトル大隊はエル・モソテ村で虐殺を実行し、女性や子供を含む約1,000人の民間人を殺害した。これは1980年から1992年にかけてのエルサルバドル内戦中の出来事であった。

この大隊は、ラテンアメリカにおける左翼反乱を鎮圧するという米国の冷戦政策の一環として、米国によって訓練され装備された。米国政府は1980年から1982年にかけてエルサルバドルへの軍事援助を大幅に増やした。

1980年代のグレナダ
今では誰でも知っている話だ。カリブ海の小さな島の首相モーリス・ビショップは、1979年に前首相エリック・ゲイリーが国外にいた隙に自ら権力を掌握した後、マルクス・レーニン主義政策を採用した。

1980年代初頭までに、米国はグレナダにおけるキューバの影響力を懸念していた。1983年10月、ビショップ政権内で指導権争いをめぐる血みどろの内紛が勃発すると、米国は即座に介入し、同国に侵攻。グレナダ国内のキューバ人を拘束し、同国の将来が米国の優先事項に沿うよう画策した。

1980年代のパナマ
アメリカは1989年、共和党のジョージ・H・W・ブッシュ大統領の任期中にパナマに侵攻した。この侵攻は「大義名分理由作戦」と呼ばれた。

米国は死者数を過小評価し、麻薬密売の容疑でマヌエル・ノリエガ大統領を追放するためと主張して侵攻を正当化した。

ベネズエラとその地域にとって、どのようなリスクや結果が生じる可能性があるでしょうか?

ベネズエラのアナリスト、カルロス・ピナ氏はアルジャジーラに対し、他のラテンアメリカ諸国のほとんどは今のところトランプ大統領の命令と脅迫に対して慎重な対応を取っていると語った。

同氏は、この例外としてグスタボ・ペトロ大統領率いるコロンビアや、地域的なALBA(「我らのアメリカ諸国民のためのボリバル同盟」)ブロックに属する国々——キューバ、ニカラグア、ボリビア、ホンジュラス、そしていくつかのカリブ海の島々——を挙げた。

同氏は、このような事態の悪化は通常、ラテンアメリカ諸国政府と米国との間に深刻な摩擦を引き起こすはずだが、2024年7月の物議を醸した大統領選挙でマドゥロが政権に復帰して以降、多くのラテンアメリカ諸国は慎重を期す方向に動いていると述べた。

「現在の状況は、マドゥロ大統領が2024年7月28日の大統領選挙後に多くの外交関係を『断ち切った』ことに起因している。」

ベネズエラでの選挙は国内外から不正疑惑が広範に提起される結果となった。2019年以降ベネズエラと外交関係を持たない米国とその同盟国は選挙結果を承認しなかった。2024年7月、カーター・センターと国連パネルはベネズエラ選挙結果の信頼性を確認できないとし、投票が公平性と民主主義に関する国際基準を満たしていないと表明した。さらに9つのラテン・アメリカ諸国が、独立した監視団による結果の再検証を要求した。

同氏は、この地域における最も可能性の高い対応として、一部の国が仲介役を務め、ベネズエラと米国の対話を促して平和的解決を図ろうとするかもしれないと述べた。しかし現時点では、双方が合意に達する見込みが「ほとんどない」状況にあるため、その可能性は低いようだ。

同氏はさらに、現時点では米国がマドゥロ大統領に平和的に退陣するよう圧力をかけ続ける一方、陸軍・海軍の存在感を強化すると予想するが、マドゥロ大統領はこうした要求に抵抗する可能性が高いと付け加えた。

本格的な戦争はラテンアメリカ全体にも影響を及ぼすだろう。すでに、米国によるベネズエラへの制裁と、この石油資源豊富な国を長年苦しめてきた経済危機により、2014年以降800万人以上が国外へ移住しており、その大半は域内の他国へ向かっている。

「もし両陣営の間で実際の武力衝突が発生した場合」と同氏は述べた。「それはおそらく新たな移民の波も引き起こすだろう。現時点ではその規模を予測することは不可能だ」

 

※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS http://tmmethod.blog.fc2.com/

の中の「トランプ大統領、ベネズエラでのCIAの活動を承認:これまでの状況と今後の展開(2025年11月02日)

http://tmmethod.blog.fc2.com/

からの転載であることをお断りします。

また英文原稿はこちらです⇒Trump approves CIA operations in Venezuela: What we know, and what’s next
筆者:エリザベス・メリモプーロス(Elizabeth Melimopoulos)&サラ・シャミム( Sarah Shamim)
出典:アルジャジーラ 2025年10月16日https://www.aljazeera.com/news/2025/10/16/trump-approves-cia-operations-in-venezuela-what-we-know-and-whats-next

寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

ご支援ください。

ISFは市民による独立メディアです。広告に頼らずにすべて市民からの寄付金によって運営されています。皆さまからのご支援をよろしくお願いします!

Most Popular

Recommend

Recommend Movie

columnist

執筆者

一覧へ