【連載】櫻井ジャーナル

【櫻井ジャーナル】2025.11.05XML : ロシア軍がポクロフスクを制圧、英国がストームシャドウ・ミサイルを追加供与

櫻井春彦

 ロシア軍がポクロフスクを制圧、掃討作戦を始めていると伝えられている。ウクライナの情報機関GUR(国防省情報総局)が特殊部隊をUH-60Aブラックホークで送り込み、救出しようとしたCIAの上級工作員、あるいはNATOの将校がどうなったかは不明だ。

ポクロフスクから離れた場所を訪問、ポクロフスクを視察したと宣伝していたウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー統合軍事作戦司令官はロシア軍と戦い続けるように命じていたが、投降するウクライナ兵も少なくないようだ。

 

ふたつの幹線道路が通っているポクロフスクは軍事的な要衝で、ここがロシア軍に制圧されるとウクライナ軍の補給路全体が危機に瀕する。これまでロシア軍は自軍兵士の死傷者を少なくするため、慎重に動いたきたが、この要衝が陥落したなら、進撃のスピードが上がる可能性もある。

 

そうした中、キエフ政権はドナルド・トランプ政権に対し、最大射程2500キロメートルという「トマホーク」の供与を求め、一時期、トランプ大統領はその要請を受け入れるかのような発言をしていたが、ウラジミル・プーチン露大統領と電話会談した後、姿勢を変えて消極的になった。ロシアが軍事的にも経済的にも苦しいとネオコンが説明、それを信じてトマホーク供与へ傾いたのだろうが、後に正しい戦況を聞いて方針を変えたのだろう。

 

トランプ大統領がトマホークを供与しないと言い始めると、イギリス政府はウクライナへ射程距離250キロメートルから560キロメートルの「ストームシャドウ」を追加供与したと伝えられている。

 

ウクライナ政府がロシア政府と停戦で合意した直後の2022年4月9日にイギリスの首相だったボリス・ジョンソンがキエフへ乗り込み、ロシアとの停戦交渉を止めるように命令(​ココ​や​ココ​)して依頼、イギリスは一貫してロシアとの戦争を推進している。2023年にはストームシャドウをウクライナへ供与、ロシア領の深奥部を攻撃できる態勢を整えたのもイギリスにほかならない。

 

トランプ政権はベネズエラを軍事侵攻する姿勢を見せていたが、そのベネズエラはロシアと戦略的パートナーシップ及び協力に関する協定」を締結、ロシアは批准している。

 

ロシアのアヴィアコン・ジトトランスに所属するIl-76TD輸送機がベネズエラへ何かを運んできたが、この会社はロシア軍や傭兵会社ワグナーの貨物を輸送したとしてアメリカから「制裁」されていることから軍事物資、あるいは戦闘員を運んできたと言われている。

 

ベネズエラにはロシア製の防空システムなどがすでに運び込まれていると考えられるが、さらに兵器を持ち込んでいる可能性がある。対艦ミサイルが配備するかもしれない。大統領の警護、あるいは治安対策でワグナーの戦闘員が輸送されたかもしれない。

 

ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領はロシアとの関係を誇示、アメリカが軍事侵攻した場合にロシア軍が出てくることを示唆した。ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官によると、ベネズエラの主権を守るためにロシアは「どんなことでもする用意がある」という。実際にアメリカがベネズエラを軍事的に攻撃した場合、そのアメリカがウクライナを含むロシアの周辺で行っているようなことをロシア軍が行うという警告かもしれない。中国やイランもベネズエラを支援している。

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