【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年11月 7日 (金) 維新に金権腐敗の烙印

植草一秀

石破退場から高市登場までの3ヵ月。

物価高対策が求められるなかで貴重な時間が空費された。

石破首相が辞任に追い込まれたのは二つの理由による。

第一は「政治とカネ問題」への無対応。

2025年通常国会で「政治とカネ問題」への抜本対応が求められた。

しかし、石破内閣が示したのはゼロ回答。

主権者国民はこの対応に対して石破首相に退場通告を行った。

第二は「物価高対策」への無対応。

昨年10月の総選挙以来、大型減税を中心に「物価高対策」が求められてきた。

しかし、石破内閣が示したのは「物価高対策」への無対応。

国民民主が提示した「103万円の壁」などが論議されたが2025年度に実施が決定された所得税減税規模は0.7兆円。

25年度は所得税が定額減税廃止で2.3兆円増税になる。

したがって、25年度の所得税は差し引き1.6兆円増税になった。

あれだけの論議が行われながら着地は1.6兆円増税だった。

メディアが事実を伝えないから、この事実を知る主権者はほとんどいない。

だが、「物価高対策」がしっかり行われなかったことは認識されており、7月参院選で主権者は石破首相に退場通告した。

石破首相は直ちに退陣を表明するべきだったが首相の座にしがみついた。

そのために貴重な時間が空費された。

自民は後継党首に高市早苗氏を選出したが新政権発足には紆余曲折があった。

自民党と26年間連携した公明党が自民との連携を解消した。

理由は高市新党首が「政治とカネ問題」への誠実な対応を示さなかったことにある。

公明が離脱して新政権の枠組み確定は不透明になった。

この状況下で維新が自民に接近して自維連立政権が樹立された。

しかし、驚くべきことに維新は「政治とカネ問題」を闇に葬った。

維新はそもそも「企業団体献金廃止」を公約に掲げてきた。

公明が自民の対応が不十分だとしたが、公明が提示した提案ははるかに低いハードルだった。

企業団体献金を全面禁止するのでなく、企業団体献金を受け入れる窓口を都道府県連および国会議員が支部長を務める支部に限定するというものだった。

「ぬるすぎる規制案」と言えるものだが、この提案さえ高市自民は拒絶した。

主権者国民は「政治とカネ問題」での石破内閣対応にレッドカードを突き付けた。

この状況下での新政権樹立であるから「政治とカネ問題」への対応は一丁目一番地。

ところが、新たに樹立された自維連立政権は「政治とカネ問題」への対応をかなぐり捨てた。

「企業団体献金廃止」を自民に吞ませなかったばかりでない。

公明が示した「ぬるすぎる規制案」さえ闇に葬った。

代わりに提示したのは悪徳の議員定数削減提案だった。

維新が示したのは衆院の比例代表議員定数を削減するというもの。

日本の現状は多数政党乱立である。

民意を正確に国会議席数に反映させるために比例代表選挙が極めて重要な役割を果たしている。

比例代表議員定数だけを削減することは民意の切り捨てを意味する。

「政治とカネ問題」と何の関係もない比例代表議員定数削減を突如提示した維新の行動に強い不信感が噴出している。

こうした経緯があり発足した自維連立政権。

「金権腐敗自維連立政権」と表現するのが適切だろう。

その維新の共同代表に公金の不正還流の疑いが浮上している。

現時点で疑惑は払拭されていない。

藤田文武維新共同代表が辞任に追い込まれる可能性は高いと思われる。

「政治とカネ問題」をかなぐり捨てた高市新政権は「政治とカネ問題」で政権発足早々に苦境に追い込まれる可能性が高い。

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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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