連載:マッド・アマノコラム集(3)
社会・経済漫画・パロディ・絵画・写真マッド・アマノパロディコラムが毎週水曜日に始まります。お楽しみに。
戦争の記憶
疎開する前の東京の実家は幸い、直接の被害は無かったが家の床下に父が一人で掘った防 空壕に町内の空襲警戒警報が出るたびに防空頭巾をかぶって避難した。シュルシュルシュルと いう不気味な音を伴った焼夷弾が落下してきて火災を起こし、焼け出された人たちがなけなし の家財道具を乗せた大八車を引いて公園の空き地目指して歩いていく姿を今でもはっきり覚え ている。夜間だったので新聞紙のような紙に火がついて空から舞い落ちてくるシーンも覚えている。
それより何より滝野川地区 ( 現東京北区 ) の陸軍駐屯地からの大型爆撃機 B29 の空爆に 対して、ズドンという鈍い高射砲の発射音は子供心なりに薄気味の悪いものだった。1945 年 3 月 10 日の東京大空襲による犠牲者は 10 万人に及び、さらに負傷者の数は 100 万人とも言わ れている。無垢の市民をターゲットに多数の死傷者を出した空爆攻撃は明らかに国際法を逸脱 するものだ。もちろん広島・長崎の原爆投下をはじめ東京以外の日本全国主要都市への空爆 も決して許されるものではない。
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マッド・アマノ
日本では数少ないパロディスト(風刺アーティスト)の一人。小泉政権の自民党(2005年参議院選)ポスターを茶化したことに対して安倍晋三幹事長(当時)から内容証明付きの「通告書」が送付され、恫喝を受けた。以後、安倍政権の言論弾圧は目に余るものがあることは周知の通り。風刺による権力批判の手を緩めずパロディの毒饅頭を作り続ける意志は固い。


















