【櫻井ジャーナル】 2025.11.12XML : FBI長官の恋人がエプスタイン問題を追求しているポッドキャスターを訴訟へ
国際政治未成年の少女を性的に搾取/虐待することを可能にするネットワークを構築、維持したとして逮捕されたジェフリー・エプスタインは2019年8月10日にニューヨークのメトロポリタン矯正センターの独房で死亡した。自殺とされているが、他殺説は消えていない。

そのエプスタインの顧客リスト、いわゆるエプスタイン・ファイルを公表することが期待されていたドナルド・トランプ政権だが、その期待は裏切られた。トランプ大統領やカシュ・パテルFBI長官はファイルの公開を拒否したのだ。それに対し、トランプ政権を支持していたMAGA(アメリカ第一主義)の一部から批判の声が上がっている。
そうした人びとをパテル長官は非難し、彼の恋人であるアレクシス・ウィルキンスは彼女をイスラエルの情報機関モサドのハニーポットだと揶揄したポッドキャスターを相手取り、500万ドルの訴訟を起こすと伝えられている。



ウィルキンスはカントリー・ミュージシャン。1999年11月にアメリカのマサチューセッツ州ボストンで生まれ、幼少期をイギリスとスイスで過ごし、その後、アーカンソー州フェイエットビルに移住、そしてテネシー州ナッシュビルへ移り住んだ。
パテルとウィルキンスを批判している人びとの中には彼女が働いている「プラガーU」なる非営利団体に注目した。この団体は資本主義的で保守的な視点を広めるためのコンテンツを作成している。
同社を創設したひとりのデニス・プラガーはシオニスト。現在、CEOを務めているマリッサ・ストリートはアメリカからイスラエルへ移住した人物で、シオニストの活動家。それだけでなく、彼女はイスラエルの電子情報機関「8200部隊(ISNU)」に所属していた。
この部隊はアメリカのNSAやイギリスのGCHQと緊密な関係にあり、各国政府や国際機関の要人も電子的に監視、弱みを握り、操る材料を入手してきた。携帯電話の情報、例えば通話、電子メール、写真、GPSデータ、アプリ関係の情報などを盗み出せる「ペガサス」というソフトウェアを開発したNSOグループはイスラエルを拠点とする企業だが、その創設者も8200部隊の「出身」だ。
8200部隊の「出身者」が設立した企業は少なくないが、いずれも情報活動の「フロント企業」だと見られている。そうした企業を買収しているグーグルもイスラエル、アメリカ、イギリスの情報機関と緊密な関係にあるわけだが、この3カ国の情報機関はパレスチナにおける大量殺戮の共犯者だとも言える。勿論、共犯者にはこの3カ国を含む欧米諸国の政府も含まれる。
アメリカとイギリスの電子情報機関は「UKUSA」という連合体を編成、情報活動で協力している。UKUSAはアメリカのNSAとイギリスのGCHQが中心だが、その配下に同じアングロ・サクソン系国のカナダにはCSE、オーストラリアにはASD、ニュージーランドにはGCSBが存在している。このうちCSE、ASD、GCSBはNSAやGCHQの下部機関にすぐないのだが、8200部隊はNSAとGCHQと同格だ。
8200部隊の「元隊員」は少なからぬ「民間企業」を創設しているが、いずれもイスラエルの情報機関と連携している。つまり、そうした「民間企業」は一種のフロント企業だ。アメリカ系のグーグル、マイクロソフト、フェイスブックなどとも8200部隊は結びつき、グーグルとはシステムを共同開発している。
こうした電子情報機関は各国政府、国際機関、巨大企業の動きを監視するほか、要人たちの弱みを握ることも目的にしている。未成年の少女を使い、情報を入手するほかスキャンダルを握って操る仕組みもイスラエルは築いている。エプスタインの場合と同じ仕組みの組織はいくつも存在しているはず。そのネットワークは巨大だ。
【参考】
「チャーリー・カーク射殺事件の謎が深まる中、妻の過去が注目されている」(櫻井ジャーナル)
【Sakurai’s Substack】
※なお、本稿は「櫻井ジャーナル」https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/
のテーマは「FBI長官の恋人がエプスタイン問題を追求しているポッドキャスターを訴訟へ 」(2025.11.12XML)
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