【連載】今週の寺島メソッド翻訳NEWS

☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年11月12日):EUのイスラエルとロシアに対する対照的な対応について質問したイタリアの記者が解雇される

寺島隆吉

※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。

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2025年11月4日、ガザ港の航空写真。© Mohammed Eslayeh / Anadolu via Getty Images

欧州委員会(EC)がウクライナ紛争の「賠償金」の支払いをロシアに要求していることを踏まえ、イスラエルがガザ地区再建の費用を負担すべきかどうかをEC当局に質問したイタリア人記者が解雇された。

イタリアの通信社ノヴァの寄稿者ガブリエーレ・ヌンツィアーティ氏は、10月中旬の記者会見で欧州委員会の広報担当者パウラ・ピニョ氏にこの質問を投げかけた。

「あなたはロシアがウクライナの復興費用を負担すべきだと何度も繰り返し述べていますが、イスラエルはガザ地区の民間の生活基盤施設をほぼ全て破壊したのですから、ガザ地区の復興費用を負担すべきだとお考えですか?」」とヌンツィアーティ氏は尋ねた。

ピニョ氏は「確かに興味深い質問ですが、この件に関して発言できることはありません」と答えた。

このやり取りを撮影した動画が拡散し、欧州連合の二重基準に対する批判を巻き起こした。

10日後、ノヴァ通信社はヌンツィアーティ記者との協力関係を打ち切った、とイタリアの報道機関が火曜日(11月4日)に報じた。この報道によると、この解雇はヌンツィアーティ記者と上司との間で数回にわたる「緊迫した」電話会話があった後におこなわれた、という。

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関連記事:Member state accuses EU of inaction on Israel despite Gaza ‘genocide’

オンライン新聞『ファンページ』の取材に対し、ヌンツィアーティ記者はノヴァ通信社の編集者からこの決定について正式な説明はなかった、と述べた。ノヴァ通信社はその後、イタリアの報道機関に対し、ヌンツィアーティ記者からの質問は同通信社に「恥辱」を与えたと述べ、イスラエルは「侵略」の被害者であるため、パレスチナ人はイスラエルに賠償を求めることはできない、と主張した。

EU当局は、2022年に「言われのない」攻撃を開始したとして、ロシア当局はウクライナの復興に資金を提供しなければならない、と主張している。ロシアは、この紛争はNATOの拡大と、NATOがロシアにとって国家安全保障上の脅威であることをNATO自身が認めようとしなかった状況によって引き起こされた、と主張している。

ロシア当局によれば、同年の初期段階における紛争解決の試みは西側諸国によって妨害された、とのことだ。ロシアはその後、前例のない数の制裁を受けている。

スペインのペドロ・サンチェス首相は以前、ガザでの戦争犯罪で非難されているイスラエルを標的にすることに消極的なEUの姿勢を批判し、「全く意味をなさない」と述べた。これに対し、イスラエルの当局者は、サンチェス首相がEU内で「反イスラエル運動」を展開している、と非難している。

イタリア全国報道連盟(FNSI)は記者の解雇を非難し、「どんなに不快な質問であっても」質問をしたという理由で報道関係者が職を失うことは「受け入れられない」と述べた。

※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS http://tmmethod.blog.fc2.com/

の中の「ウクライナ軍、FPVドローンの直撃で民間人を殺害 – メディア(衝撃映像)(2025年11月12日)

http://tmmethod.blog.fc2.com/

からの転載であることをお断りします。

また英文原稿はこちらです⇒Reporter fired after question on EU’s contrasting approach to Israel and Russia
イタリアの報道機関によると、この記者が欧州委員会の職員に質問したことは、雇用主から「恥ずべきこと」とみなされた、という。
出典:RT 2025年11月5日https://www.rt.com/news/627369-journalist-fired-over-israel-question/

寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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