【櫻井ジャーナル】2025.11.27XML :米軍が艦隊をベネズエラ沖に派遣、その前に露の防空システムやイランのドローン
国際政治アメリカ海軍の空母ジェラルド・R・フォードが5隻の艦船を伴って11月16日にカリブ海へ入った。閉鎖されていたプエルトリコの海軍基地を修復、使えるようにしている。9月からドナルド・トランプ政権は少なくとも8隻の水上艦船と1隻の潜水艦を派遣、「麻薬密売船」だとして小型船を9月から約20回にわたって爆撃し、少なくとも80人を殺害している。
しかし、ベネズエラからアメリカのフロリダまで約2000キロメートルあり、破壊されている小型船では辿り着けない。アメリカへ麻薬を密輸している船ではないことを承知でトランプ大統領は攻撃している。航空母艦が到着したなら、すぐにベネズエラへの軍事侵攻を始めるとする見方もあったのだが、今のところべネルズエラ上空に飛行禁止空域を設定しただけだ。
11月上旬、威嚇のために2機のB-52爆撃機をベネズエラへ向けて飛行させたが、陸地から約100キロメートルの地点でロシア製防空システムであるS-300に照準を合わされ、基地へ戻らざるをえなくなった。そのほか中低高度の防空システムであるブークM2e、シリアで有効性が証明された近距離対空防御システムのパンツィリ-S1も配備されたようだ。
10月下旬にロシアのアヴィアコン・ジトトランス所属のIl-76TD輸送機がベネズエラへ何かを運んできた。この会社はロシア軍や傭兵会社ワグナーの貨物を輸送したとしてアメリカから「制裁」されていることから軍事物資、あるいは戦闘員を輸送したのではないかと言われている。ロシアのスペツナズ(特殊部隊)もベネズエラへ入ったとする話も伝えられている。
カリブ海の軍事的な緊張が高まる中、ロシアだけでなく、中国やイランもベネズエラへの支援を始めている。イランは航続距離が2500キロメートルだという攻撃用ドローン「シャヘド」を供与、これによってベネズエラはフロリダのアメリカ軍基地を攻撃できる。アメリカ軍がベネズエラを軍事侵攻した場合、ロシアの防空システムや対艦ミサイルの洗礼を受けることになるだけでなく、アメリカ本土も戦場になる可能性がある。
アメリカを含むNATO諸国はロシアを征服、分割して石油や天然ガスを含む資源を手に入れようとしてウクライナで戦争を始めたが、ロシア軍に負けてしまった。中東ではイスラエルがイランに勝てないことが明確になっている。東アジアで軍事的な緊張を高めているが、それと並行してベネズエラの石油を手に入れ、それを利用してロシアや中東の産油国を屈服させようと考えているのかもしれないが、その前にはロシア、中国、イランが立ちはだかっている。
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