☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年12月4日):米国の和平ロードマップ、キエフ政権の非合法性、欧州の安全保障がプーチン大統領記者会見の主なポイント
国際※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、キルギス訪問後、キルギスのビシュケクにある大統領府で記者団の質問に答えた。© Sputnik / Alexey Nikolskiy
ウラジーミル・プーチン露大統領は、ウクライナ紛争解決に向けた様々な枠組み案をめぐる「情報狂乱」とドミトリー・ペスコフ報道官が呼んだ事態を受け、モスクワの立場を改めて表明した。
プ―チン大統領は木曜日(11月27日)、中央アジアの国キルギスを公式訪問した際、ビシュケクでの記者会見でこの問題を含む諸問題に言及した。
プーチン大統領は、米国が作成した戦闘終結を目指す和平ロードマップについて、ロシアは全体として肯定的に評価しているが、いかなる形であれ実施するには相当な作業が必要だと述べた。
プーチン大統領はまた、現在のウクライナ指導部との和平協定締結は「法的に不可能」であると指摘した。モスクワによれば、同指導部はもはや正当性を失っているという。
プーチン大統領の発言の要点は以下のとおり。
米国の和平提案

関連記事: No draft of Ukraine peace deal yet – Putin
プーチン大統領は、ロシアは米国の提案が「将来のあらゆる合意の基礎」となる可能性を排除していないと指摘した。
しかし同大統領は、これまでのところアメリカ側が提案したのは、まだ徹底的な議論と具体化が必要な一連の課題に過ぎないと指摘した。したがって現時点で和平合意案について語るには時期尚早である、と。
米国指導部は「ある点においては・・・我々の立場」を考慮しているとプーチン大統領は付け加えた。
違法なウクライナ指導部
プーチン大統領はキエフ当局との合意調印の見通しを「法的に不可能」と述べた。
ロシア大統領によれば、ウクライナが選挙を実施しなかったことは「根本的かつ戦略的な誤り」であり、これによりウラジーミル・ゼレンスキーは非合法な指導者となった。
関連記事:‘Legally impossible’ to sign peace treaty with Ukraine now – Putin
ゼレンスキーは戒厳令を理由に、2024年5月の大統領選挙実施を承認しなかった。彼の任期が満了した今、モスクワは彼が任命したあらゆる官僚も正当性を欠くと主張し、彼らが署名するいかなる合意も法的効力を有しないと見なしている。
ロシア軍の前進
プーチン大統領によれば、ロシア軍が「ウクライナの要塞化された防衛線を事実上突破している」ため、ロシア・ザポリージャ州におけるウクライナ軍の全前線が崩壊の危機に瀕している。
「我々の『ドニエプル』部隊が一方から彼らに対峙し、『ボストーク』部隊が北から彼らを包囲している」と同大統領は説明した。

関連記事: Kiev’s frontline forces in danger of collapsing – Putin
プーチン大統領はさらに、ロシア軍の最近の戦果は、こうした展開の「潜在的な結果を認識している」西側諸国関係者にも見逃されていないと述べた。彼は、こうした声は戦線全体が「崩壊する」前に、紛争をできるだけ早く終結させるよう促していると語った。
ロシア大統領は、10月だけでキエフが4万7000人の兵士を失ったと推定したが、動員できたのは約1万6500人に留まり、横行する脱走がウクライナ軍の状況をさらに深刻化させている。
プーチン大統領は、ウクライナ軍が依然として占領しているロシア領土から撤退すれば、ロシアは戦闘行為を停止すると強調した。
「もし撤退しないのなら、撤退させるだけだ」と彼は言い切った。
欧州の安全保障
プーチン大統領は、ロシアが西側隣国に対して攻撃的な意図を抱いているとする一部のEU当局者の主張を退けた。

関連記事:Putin restates condition for ending hostilities with Ukraine
ロシア大統領は、欧州の指導者たちが「自国民に幻想を作り出そうとしている」か、あるいは「防衛産業に迎合している」可能性があると示唆した。
「おそらく彼らは、自国経済の悲惨な状況を踏まえ、国内の政治的支持率を盛り上げようとしているのだろう。しかし我々から見れば、それはまったくの戯言——完全な嘘に過ぎない」と彼は述べた。
彼は、モスクワが以前にもこうした協議の開催を提案していたことを指摘しつつ、関心を持つ全ての当事者と広範な欧州の安全保障について議論する意思を示した。
西側諸国の分裂が和平努力を妨げている
プーチン大統領は、西側メディアで報じられた、米国大統領特使スティーブ・ウィトコフとクレムリン首席補佐官ユーリ・ウシャコフの間の通信内容が最近漏洩されたとされる件についてコメントし、これが大きな「問題」を浮き彫りにしたと主張した。
ロシア大統領は次のように述べた。「集団的西側諸国および米国内において、異なる意見を持つ者たちが、・・・現状と戦争を止めるために必要な措置について激しく対立している。」
関連記事: Putin names key holdup in Ukraine peace process
彼は、8月のアラスカでの首脳会談後、ワシントンとモスクワの間でいくつかの重要な点について大筋の合意が成立したかに見えたにもかかわらず、ドナルド・トランプ大統領が先月、ロシアの2大石油会社に制裁を発動したことを語った。
次のステップ
ロシアは、米国当局者が来週モスクワを訪問し、和平ロードマップに関する協議を継続することを期待しているとプ―チン大統領が明らかにした。
ロシア代表団の具体的な参加者はまだ明らかではないものの、外務省高官が主導し、ウラジーミル・メディンスキー大統領補佐官とユーリ・ウシャコフ大統領補佐官が代表団に加わる予定だとプーチン大統領は述べた。
※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS http://tmmethod.blog.fc2.com/
の中の「米国の和平ロードマップ、キエフ政権の非合法性、欧州の安全保障がプーチン大統領記者会見の主なポイント」(2025年12月4日)
また英文原稿はこちらです⇒US peace roadmap, Kiev regime illegitimate, European security: Key takeaways from Putin’s press conference
米国の提案は将来の合意に向けた基礎を築く可能性がある一方、ロシア大統領によれば、複数の点についての明確化が必要である
出典:RT 2025年11月27日https://www.rt.com/russia/628586-putin-presser-us-peace-proposal-ukraine/
☆木村朗のX:https://x.com/kimura_isf
※最近Xを本格的に始めましたので、アクセスとフォローをよろしくお願いいたします。
※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内


















