【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年12月 9日 (火) 高市首相のごまかしすり替え居直り

植草一秀

84年前に日本が真珠湾に奇襲攻撃を実行した日付である12月8日に重要な記者会見が開かれた。

「村山談話を継承し発展させる会」

が参議院議員会館講堂で緊急記者会見を開催した。

会見テーマは

「高市発言を撤回せよ!
台湾有事を口実に日本を中国への
先制攻撃・侵略戦争に駆り立てるな!
-台湾問題は中国の内政問題だ-」

11月7日の衆議院予算委員会での高市首相発言が重大問題に発展している。

「発言を撤回せよ」との声が存在する一方で「発言を撤回すべきでない」の声も存在する。

メディアは

「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」(放送法第四条)

を求められるが、日本のメディアでは高市発言擁護の主張ばかりを大きく取り上げている。

11月30日付ブログ記事
「NHK登場藪中三十二の正体」
https://x.gd/5KpWW

メルマガ記事「保存版「高市大政翼賛メディア」」
https://foomii.com/00050

に詳述した。

このなかで12月8日の緊急会見をいくつかのメディアが取り上げて報道している。

弁護士ドットコムニュース
「高市首相の台湾有事発言は「極めて危険」「憲法にも反する」、
有識者らが撤回求める緊急声明」
https://www.bengo4.com/c_16/n_19724/

東京新聞
「高市首相の台湾有事発言は「宣戦布告」「対話成り立たない」
答弁の撤回を求める元外交官と学者の危機感」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/454626

両記事に写真が掲載されているが、なぜか、東京新聞掲載の写真には私が消えている。

それはさておき、高市首相の重大発言については日本国内において賛否両論がある。

発言撤回を求める主張は明確な論拠を示している。

したがって、メディアは両論を適正に紹介し、市民が適正な判断を下せるための情報を提供すべきである。

会見では私も意見を陳述した。

発言の趣旨は以下のもの。

日中友好、日本経済への影響考慮、日本の品格の視点から高市首相は「是を是とし、非を非とする対応」を示すべきだ。

問題の発言は11月7日の衆議院予算委員会質疑で出た。

高市首相はその後、

「歴代内閣の立場と一致している」

としながら、

「政府としての統一見解とするつもりはない」

と矛盾する発言を示している。

矛盾の主因は「ごまかし」と「すり替え」があると思われる。

「ごまかし」、「すり替え」は日本の国益を損なう。

高市首相の11月7日国会答弁は前段部分と後段部分に分かれる。

前段部分で高市首相は台湾有事と呼ばれる状況が発生した場合の対応について、

「そのときに生じた事態について、いかなる事態が生じたということの情報を総合的に判断しなければならない」

と述べた。

発言がこれにとどまっていれば問題は発生していない。

この部分は「歴代内閣の立場と一致している」と言ってよいだろう。

問題は後段部分である。

高市首相は台湾有事について再度問われ、

「台湾を統一、中国北京政府の支配下に置くような」場合に、「それが戦艦を使って、武力の行使もともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースであると考える」

と述べた。

この発言は重大なもので発言撤回が求められる。

続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第4274

「高市発言撤回求める緊急会見」
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植草一秀の『知られざる真実』2025年12月 9日 (火)「高市首相のごまかしすり替え居直り」

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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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