【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年12月11日 (木) 高市内閣40日の勤務評定

植草一秀

高市内閣の支持率が高いと言うが所詮はメディアによる調査結果。

その公平性、正確性を担保するものは何もない。

規制する法律もない。

回答は質問のしかたで変わる。

どのような文言で質問するか。

どのような順序で質問するか。

方法によって結果を誘導することができる。

メディアの世論調査結果を絶対視するべきでない。

高市氏が自民党の党首に選出されたのは10月4日。

そこから2ヵ月の時間が経過した。

内閣が発足したのは10月21日。

政権発足までに2週間以上の時間を要した。

これまでの足取りのなかでの重要点が三つある。

第一は「政治とカネ」問題の放棄。

第二は「台湾有事は存立危機事態」発言。

第三は18兆円の補正予算編成。

そもそも高市内閣発足の基本背景は7月参院選での自民大敗。

自民は昨年10月総選挙と本年7月参院選で惨敗した。

最大の背景は「政治とカネ」。

史上空前の裏金不正事件が発覚した。

25年通常国会で「政治とカネ」問題に抜本的に対応する法改正が求められたが石破内閣は実行しなかった。

その結果、石破自民は7月20日参院選で大敗。

本来は直ちに石破氏が退き、新しい体制を発足させるべきだったが高市内閣発足までに3ヵ月の時間を要した。

すべてが遅い。

新体制の最優先課題は「政治とカネ」。

しかし、自民党首に就任した高市早苗氏は「政治とカネ」問題への取り組みを放棄した。

連立パートナーの公明が働きかけたが高市氏が拒絶。

連立組換えになった。

自維連立の最優先課題は「政治とカネ」への対応だったが自維連立は「政治とカネ」対応を放棄。

問題を筋の悪い「議員定数削減」にすり替えた。

メディアが機能しているなら、この対応で新内閣が吹き飛んでもおかしくなかった。

ところが、メディアは「政治とカネ」問題を放り投げた高市新内閣をまったく攻撃しなかった。

臨時国会で衆院予算委員会が初めて開かれたのが11月7日。

ここで飛び出したのが「高市台湾有事存立危機事態発言」。

台湾有事が発生した場合の日本の対応について問われ、高市氏は

「台湾有事が、戦艦を使って、武力の行使もともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケース」

と述べた。

「台湾有事が生じたときにいかなる事態が生じたかの情報を総合的に判断しなければならない」

と述べておけば問題は生じていない。

「台湾有事が生じればどう考えても存立危機事態」発言は

日中友好を根底から覆し、日中間の外国文書の積み重ねを破壊するもの。

中国政府が猛烈に反発するのは当然。

非のある高市首相が発言を撤回するしかない。

ところがメディアが高市発言を批判せず、全面擁護に回っている。

18兆円の補正予算。

規模は大きいが、すべての国民に行き渡る財政支出は極めて小さい。

利権まみれ、軍事まみれのバラマキ予算だ。

メディアは補正予算の中身を厳しく批判すべきだがまったくしない。

この状況下での世論調査結果は歪んだものになる。

国民は正確な情報を伝えられずに単に特定方向に誘導されているだけだ。

続きは本日の
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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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