【連載】櫻井ジャーナル

【櫻井ジャーナル】2025.12.18XML : キエフ政権は露国の潜水艦爆破に失敗、地上では露軍に圧倒されている

櫻井春彦

 NATO諸国がキエフのクーデター体制を強化するために2014年から8年かけて建設した要塞線は壊滅した。ロシアを疲弊させるために兵士として使われてきたウクライナ人も少なくなり、イギリスやフランスをはじめとするNATO諸国の軍人も肩書を変えてウクライナへ入ったが、そうしたNATO軍の将校をロシア軍は容赦なく攻撃している。

 

そうした中、ゼレンスキーを支援し続けているのがイギリスの対外情報機関であるMI6。ゼレンスキーがウクライナの大統領に就任したのは2019年。その翌年の10月にゼレンスキーはイギリスを公式訪問しているが、その際にMI6本部を訪れ、直前にMI6長官となったリチャード・ムーアと会談した。その様子は映像に残っている。​アメリカ海兵隊の元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めたスコット・リッターのドキュメンタリーで、その映像は確認が可能だ。

この事実から、ゼレンスキーはMI6のエージェントの可能性が高く、ハンドラー(エージェントを管理する担当オフィサー)はMI6長官だったリチャード・ムーアだと推測されていた。そのムーアが今年10月1日に退任し、ブレーズ・メトレベリへ引き継がれた。メトレベリの祖父はナチスの協力者だとされているコンスタンチン・ドブロヴォルスキーである。

 

イギリスは12月15日、ゼレンスキーの一派と共同で水中ドローンでロシアの「バルシャビャンカ」級ディーゼル電気潜水艦を破壊しようとしたが、桟橋を破壊しただけで、潜水艦は無傷だった。その様子を撮影した映像をロシア政府は発表したが、これは衛星写真でも確認されている。潜水艦は損傷を免れたものの、ロシア軍の防衛態勢に問題があったことは間違いなく、失態ではある。その2日後、ロシア軍は超音速爆撃機Tu-22M爆撃機をNATO加盟国の近くに配備した。

 

一方、主戦場である地上での戦況に変化はない。すでにウクライナがロシアに勝利することは不可能な領域に入っているが、少しでもロシアにダメージを与えたいと考えているイギリスのような国は戦争の継続を願っている。メトレベリMI6長官はウクライナへの永続的な支援を誓った。イギリスのようにロシアを攻撃する意思を捨てない国がある以上、ロシアは戦場で自らの安全を確実にする仕組みを構築するしかないだろう。

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