【櫻井ジャーナル】2025.12.25XML : ウクライナは露国に対するテロ攻撃を激化させようとしているが、大勢に変化なし
国際政治ロシア軍は12月23日、変電所、物流施設、軍事企業、軍事施設などを600機以上の異なるタイプのミサイルやドローンで攻撃したが、ウクライナ西部にあるジトーミルでは軍事物資を輸送していた列車をドローンが攻撃、脱線させている。破壊された車両には約70名の傭兵、そして軍事顧問としてスムイへ派遣されていたイギリス軍将校8名が乗っていたという。
その前日、モスクワではロシア軍参謀本部のファニル・サルバロフ作戦訓練部長を乗せて走行中の自動車に仕掛けられていた爆弾によって暗殺されている。ロシア軍はウクライナでNATO将校をターゲットにするようになっているが、そうした作戦を指揮していたのはサルバロフだったという。
ロシア側の発表によると、暗殺を実行したのはウクライナとイギリスの情報機関員。SBU(安全保障庁)やGUR(国防省情報総局)だけでなく、SIS(秘密情報部、通称MI6)やSAS(特殊空挺部隊)が実行したということになる。ロシア下院の国防委員会に所属するアンドレイ・コレスニク委員は「この攻撃を実行した者全員を特定し、排除する必要がある」と発言していた。
23日にもモスクワで爆弾事件が起こされている。サルバロフ中将が暗殺された場所の近くで不審者を発見した交通警察官2名、マクシム・ゴルブノフとイリヤ・クリマノフが近づいたところ爆発、警察官ふたりを含む3名が死亡した。ウクライナ側が行ってきた爆弾テロの手口から考えると、爆破は遠隔操作せ行われる。爆弾を設置していた人物の口を封じるために爆破したのかもしれない。
今のところ、キエフはMI6を後ろ盾とするウォロディミル・ゼレンスキーを中心とするグループが支配しているが、アメリカを後ろ盾とするNABU(ウクライナ国家汚職対策局)とSAPO(特別反腐敗検察)が汚職捜査「ミダス作戦」を進め、ゼレンスキー周辺を締め上げている。ロシアとの戦争を継続したいイギリスをはじめとするEUのエリートに対し、戦況が変化する可能性は小さいと考え、早く戦争を終結させようとしているドナルド・トランプ米大統領が対立しているようだ。
NABUやSAPOに追い詰められ、法務大臣を名乗っていたヘルマン・ハルシチェンコとエネルギー大臣を名乗っていたスビトラーナ・グリンチュークはすでに辞任、国防大臣を務めていたルステム・ウメロウは7月に辞任を表明し、11月に入って国外へ脱出、カタールにいると言われている。コメディアン時代からゼレンスキーと親しいテレビ制作会社共同オーナーのティムール・ミンディッチはイスラエルへ逃亡したという。ゼレンスキーを排除し、ウクライナ軍の元軍最高司令官で駐英大使のバレリ・ザルジニーを後釜に据えようとする動きもある。
ヨーロッパにはアメリカをロシアとの戦争へ引き摺り込もうとしている勢力、アメリカにはネオコンのようにロシアを破滅させることに熱中している勢力も存在しているが、彼らの思惑通りには進んでいない。そこで必死にテロでロシアを攻撃、おそらく一発逆転を狙ってウラジミル・プーチン露大統領の暗殺も狙っているだろう。プーチンを暗殺すればロシアとアメリカの全面戦争になると考えているかもしれないが、可能性は小さい。
【Sakurai’s Substack】
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