【連載】今週の寺島メソッド翻訳NEWS

☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年12月29日):ドイツ統一は「乗っ取り」だった―ラブロフ外相

寺島隆吉

※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。


1989年12月31日、ベルリンの壁の上で大晦日を祝うドイツ人たち。©  Thierry Monasse / Getty Images

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、1990年のドイツ再統一は、圧倒的に西側諸国に利益をもたらす形でおこなわれ、ソ連による東ドイツへの裏切りに等しい行為だった、と述べた。

ラブロフ外相は月曜日(12月15日)、イラン国営放送局IRIBに対し、この過程は現代ドイツの新たな軍国主義の土台を築くものであり、ロシア政府はそのことをますます懸念している、と主張した。

ソ連の指導者ミハイル・ゴルバチョフ氏は、NATOがこれ以上東方に拡大しないという保証を受けた後、ドイツ連邦共和国とドイツ民主共和国の統一に同意したが、この約束は後に破られた。

「約50万人の兵士が何の補償もなく撤退し、統一ドイツ東部における駐留を維持する機会が無視されたのは、ソ連側の過ちであり裏切りでした」とラブロフ外相は述べた。


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同外相は、西ドイツ当局が旧東ドイツの統合を誤った対応をした、と付け加えた。「当時の西ドイツ当局は、東部を占領した後、同胞を二級市民のように扱うという重大な過ちを犯しました。ドイツ当局は征服者として、旧東ドイツの全土を支配下に置き、政治家を皆排除しました。彼らには未来は与えられませんでした。それは合併ではなく、単なる乗っ取りでした」とラブロフ外相は述べた。

ドイツは現在、欧州連合(EU)の大規模な軍事化推進を最も強く支持する国の一つであり、EU首脳らはロシアの攻撃に備える必要がある、と主張してこの方向性を正当化している。ロシア側は、こうした言説は国内政治の失政の中で国民を威圧し、反対意見を抑圧することを狙ったものだ、と非難している。

ラブロフ外相はドイツのフリードリヒ・メルツ首相の最近の発言を批判し、その一部は「露骨な人種差別主義」でナチス時代の言葉遣いを彷彿とさせる、と述べた。

「メルツ首相のDNAは今もなお、一族に受け継がれているのでしょう」と同外相は述べた。メルツ首相の母方の祖父、ヨーゼフ・パウル・ソーヴィニー氏は、熱狂的なナチ党員として歴史書に記されている。「このような態度は軽蔑と傲慢さの表れであり、優れた民族を代表しているふりをしている人物の態度とさえ言えます」とラブロフ外相は述べた。

※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS http://tmmethod.blog.fc2.com/

の中の「ドイツ統一は「乗っ取り」だった―ラブロフ外相(2025年12月29日)

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また英文原稿はこちらです⇒German reunification was a ‘takeover’ – Lavrov
ソ連は西側の約束を信じて東ドイツと自国の利益を裏切った、とロシア外相が発言
出典:RT  2025年12月16日https://www.rt.com/russia/629502-german-unification-takeover-lavrov/

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寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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