植草一秀【連載】知られざる真実/2025年12月31日 (水) 2025年の10大出来事7~10位
社会・経済2025年が間もなく幕を閉じる。
1年を振り返り記憶すべき10の出来事を記しておきたい。
残念ながら明るい出来事が少なかった。
日本では日経平均株価が5万円を突破したが庶民の生活は苦しさを増した。
株価が映すのは大企業の利益動向。
こちらは光だが庶民の生活は影だ。
光の裏側にある影を見ることが政治の役割である。
10の出来事を第10位から振り返ることとする。
第10位=蓋棺録(がいかんろく)
大切な方が逝去された。
謹んで哀悼の誠を捧げたい。
1月28日に森永卓郎氏が逝去された。
最後まで気丈に活動を継続された。
良心派の発言者がまた一人亡くなられた。
不正を告発する遺志を受け継いでゆかねばならない。
「ガーベラの風」を支えてくださって来た元日本医師会会長の原中勝征氏が7月11日に逝去された。
著書『国民を幸せにする政治 医療現場からの訴え』(講談社)は遺作になった。
原中氏2009年に誕生した鳩山由紀夫内閣の時代に日本医師会会長に就任。
「国民を幸せにする政治」こそ政治のあり方の原点である。
10月17日に村山富市元内閣総理大臣が逝去された。
30年前に発出した「村山談話」は戦前の「侵略」と「植民地支配」を明記。
「痛切な反省」と「心からのお詫び」を表明した。
近隣諸国との和解を成立させる日本の原点であり、村山談話の継承と発展は日本国民としての責務である。
わが恩師の一人である佐和隆光京都大学名誉教授も5月に逝去された。
謹んでご冥福をお祈り申し上げる。
第9位=ドジャース・ワールドシリーズ連覇
2000年にニュヨーク・ヤンキースがワールド・シリーズ3連覇を達成して以来、25年ぶりの快挙をドジャースが成し遂げた。
山本由伸、大谷翔平、佐々木朗希の日本人3選手がシリーズ連覇に大きな貢献をした。
シリーズ敗北の危機を何度も乗り越えての神がかり的なシリーズ制覇だった。
第8位=韓国尹錫悦大統領罷免
2024年12月3日の非常戒厳宣言に対して韓国議会が大統領弾劾を発議。
25年4月4日、憲法裁判所は尹大統領に対して裁判官の全員一致で罷免を宣告。
同日付で尹大統領が失職した。
尹大統領罷免は韓国の民主主義が高度に機能していることを示す証左。
日本においても政治停滞を打破するための政治刷新が求められているが、民主主義が機能せず、旧態依然政治が継続している。
第7位=クマ騒動
クマに人が襲われる被害が相次ぎ、メディアが大々的に報道した。
環境省は本年4~11月のクマによる被害者数は21都道府県の230人(速報値)だったと発表。
過去最悪の被害が記録された2023年度の年間被害者数219人を8か月で上回り、クマに襲われたことによる死者も23年度の6人から13人へと増加。
過去最悪の被害は事実だが、メディア報道の拡大がその比でないところが最大の注目点だ。
被害対策として鳥獣保護法が改正されて9月に施行され、市街地での猟銃使用を可能とする「緊急銃猟」が始動した。
背景には日本の住宅近隣林野における生態系の急激な変化があると考えられる。
緊急銃猟という「対症療法」ではなく生態系の再構築という「対因療法」が求められている。
地球は人間のためにだけ存在するものでない。
生態系の中に人間が居住しているという原点を見落とすべきでない。
続きは本日の
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植草一秀
植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050


















