【特集】日航機123便墜落事件

日航123便墜落事故(第29弾):朝日新聞大阪本社はテレビのテロップで事故を知った

市民記者:小幡瞭介(おばた りょうすけ)

今回の記事では、朝日新聞大阪本社はテレビのテロップで事故を知ったことがわかる資料を紹介する。

『新聞うちあけ話』(朝日新聞大阪本社編、朝日新聞社発行)という本がある。同書のあとがきによると、同書に出てくる登場人物は仮名だが、内容は実話であるとのことだ。同書の25ページには、事故当日の朝日新聞大阪本社内の様子が書かれている。その内容は以下の通りである。

≪そして、八月十二日。四月に整理部に来て、やっと一人立ちした細川は、この日も自信なげに社会面の席に座った。東の空で乗客乗員五百二十四人を乗せた日航ジャンボ123便がダッチロールを始めたころだった。

「何飲む」。「アメリカンで」

デスクがとってくれる仕事前のお茶をすすり始めた細川の目に、「レーダーから機影が消えた」というテレビのテロップ。

「えーっ」。隣の社会部、通信部も騒然となった。五百人、大阪行き、お盆前……。「みんな呼び出せ」「広告をはずして、紙面増段や」。機敏に動くデスクや先輩の後ろ姿を見ながら、細川の全身から血が引いた。「どうなるんやろ」。ジャンボの行方なのか、自分がつくる紙面のことなのか。

「レーダーにもう一度映ってくれ」。本当に祈った。≫

上記の記述から、朝日新聞大阪本社はテレビのテロップで事故を知ったことがわかる。

また、同書と同じく朝日新聞社発行の『日航ジャンボ機墜落 : 朝日新聞の24時』には以下の通り書かれている。

17~18ページ

≪七時十三分、東京本社五階編集局の各所に配置されている時事通信のファクスから、至急報を知らせる「プ、プー」という音とともに、フラッシュ(速報)が飛び込んで来た。簡潔に一行。「東京発大阪行の日航123便がレーダーから消えた」とあった。ほぼ同時に、少なくとも四ヵ所で、それは目撃された。社会部、電波報道部、写真部、そして外報部。≫

19ページ

≪時事ファクスは、新聞の製作上参考情報として、朝日新聞社は送信を受けている。≫

「朝日新聞社は送信を受けている」とあることから、朝日新聞大阪本社には東京本社と同様に時事通信のファックスが設置されていた可能性があり、そうであるならば、朝日新聞大阪本社は19時13分の時事通信のフラッシュよりも前に、テレビのテロップで事故を知った可能性が高い、ということがわかる。

『日航ジャンボ機墜落 : 朝日新聞の24時』の17ページには以下の情報も書かれている。

≪日航123便の「行方不明」を伝える第一報が、朝日新聞東京本社四階、記事入力部の漢字キーボードから打ち出されたのは、十二日午後七時二十五分だった。九行、百十四字。打ち出された原稿は、自動的にコンピューターに入力され、大阪、西部(北九州)、名古屋各本社にも届いた。≫

この情報から、仮に事故当時、朝日新聞大阪本社には時事通信のファックスが設置されていなかったとしても、朝日新聞大阪本社は「19時25分に東京本社が伝えた第一報」よりも前にテレビのテロップで事故を知った可能性が高い、ということがわかる。

いずれにせよ、朝日新聞大阪本社は、一般的にはテレビにおける第一報だったとされている19時26分のNHKの速報(松平定知氏による口頭アナウンス)よりも前に、テレビのテロップで事故を知った可能性が高いといえるだろう。

朝日新聞大阪本社でテレビのテロップが目撃された時刻は何時何分ごろだったのか。テロップが流れた時刻が18時台だったのであれば、123便は墜落時だけでなく迷走中にもレーダーから消えていたことになる。

朝日新聞には、事故当日のより正確な情報を発信していただきたい。朝日新聞のジャーナリズム魂や良心に期待している。

【参考文献】

朝日新聞大阪本社. 新聞うちあけ話. 朝日新聞社, 1995, p.24-27, p.228-230.

朝日新聞社会部. 日航ジャンボ機墜落 : 朝日新聞の24時. 朝日新聞社, 1985, p.17-19, 国立国会図書館デジタルコレクション, https://dl.ndl.go.jp/pid/12275384(参照 2026-01-13)

東京ニュース通信社. レポートスペシャル テレビ各局が総力戦で臨んだ日航機墜落大惨事. 週刊TVガイド. 1985, 8月30日号, p.26-27.

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。

ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内

「独立言論フォーラム(ISF)ご支援のお願い」

市民記者:小幡瞭介(おばた りょうすけ) 市民記者:小幡瞭介(おばた りょうすけ)

ご支援ください。

ISFは市民による独立メディアです。広告に頼らずにすべて市民からの寄付金によって運営されています。皆さまからのご支援をよろしくお願いします!

Most Popular

Recommend

Recommend Movie

columnist

執筆者

一覧へ