【櫻井ジャーナル】2026.01.18XML : 米軍がマドゥロ大統領を誘拐する際、ベネズエラ政府の誰が彼を裏切ったのか
国際政治アメリカのドナルド・トランプ政権はアメリカ陸軍の特殊部隊デルタフォースを使い、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を誘拐したとされている。マドゥロをベネズエラ国内にとどめおくことは勿論、殉教者にしたくなかったのかもしれない。
マドゥロを誘拐するため、デルタフォールはヘリコプターで送り込まれたようだが、その際ベネズエラ側の防空システムは機能しなかった。そこで、誘拐事件の直後から3つの可能性が指摘されている。ベネズエラ軍が無能なのか、ベネズエラの政府や軍の中枢に裏切り者がいるのか、交渉するとしてアメリカ政府がカラカスへ送り込んだグループが交渉団ではなく特殊部隊だったのではないか、というものだ。裏切り者がいた可能性が高い。
マドゥロ大統領が誘拐された後、デルシー・ロドリゲス副大統領が暫定大統領に就任、この暫定大統領はベネズエラの情報機関と大統領儀仗隊を率いていたハビエル・マルカーノ・タバタ少将を暫定大統領は反逆罪で逮捕するように命じた。
マドゥロ大統領に忠誠を誓っていたタバタ少将はベネズエラの議事堂内で逮捕されたが、その際に銃撃戦があったとされている。ロドリゲスがトランプの脅しに屈したという見方もある。
タバタが大統領を守れなかったことは事実だが、アメリカ政府と交渉していたのはタバタでなくロドリゲスだとアメリカのメディアは報じている。また大統領が誘拐された後、ロドリゲスはアメリカのマルコ・ルビオ国務長官に電話をかけ、作戦の進捗状況を尋ねたとも伝えられている。彼女が国民に向かって演説したのは電話の後だという。また、事件後、数百人の政治犯の釈放が発表された。
マドゥロはニューヨークで麻薬テロとアメリカへのコカイン密輸の罪で起訴されたが、南アメリカから北アメリカへコカインを密輸してきたのはCIAにほかならない。このことはアメリカのネットワーク局も伝えていた事実だ。
ノーベル平和賞を受賞したマリア・コロナ・マチャドは西側世界で誉めそやされているものの、ベネズエラで全く人気のない人物で、マドゥロ政権が崩壊しても彼女が大統領になることはできない。
ネオコンに属すキューバ系のマルコ・ルビオ国務長官もマドゥロ政権の崩壊を望んでいたひとり。彼の姉が結婚した相手のオーランド・セシリアは1987年に麻薬取引の容疑で逮捕されている。セシリアは1983年にペット・ショップで働き始め、マルコもそこで雑用を任されていた。ルビオも働いていたそのペット・ショップは麻薬業者のフロント企業で、セシリアは1989年に懲役35年の判決を受けているが、ルビオは問題にされなかった。そのルビオは現在、キューバの体制転覆を目指している。
ルビオと同じネオコンのエリオット・エイブラムズはオットー・ライヒやジョン・ネグロポンテと同様、ベネズエラの体制転覆を目論んでいた。ベネズエラで1998年に実施された選挙で勝利したウゴ・チャベスはアメリカが支配する仕組みを壊した。その時代に副大統領だったのがニコラス・マドゥロにほかならない。
そこでジョージ・W・ブッシュ政権はチャベス政権を倒すための秘密工作を開始、その中心にはイラン・コントラ事件に登場したエイブラムズ、キューバ系アメリカ人で1986年から89年にかけてベネズエラ駐在大使を務めたライヒ、そして1981年から85年までのホンジュラス駐在大使を務め、2001年から04年までは国連大使、04年から05年にかけてイラク大使を務めたネグロポンテがいたわけだ。その人脈にルビオも含まれている。
デルタフォースはマドゥロを誘拐する際、警護を担当していたキューバ人のチームを皆殺しにしている。DEW(指向性エネルギー兵器)が利用されたとも言われている。電磁波エネルギーか音波エネルギーが使われ、警護兵の体の自由を奪った上で射殺したとも言われている。西側諸国では、こうした兵器を国内の反乱を鎮圧するために開発してきたのだが、NATOはウクライナで戦闘用の兵器として実験している。
マドゥロ大統領は石油インフラを破壊したまま放置し、再建しようとしなかったと批判されてきた。アメリカが仕掛けた経済戦争のため、インフレ率は高く、国民の生活は厳しいのだが、マドゥロが適切な対策を講じなかったとも言われている。チャベスの理想からマドゥロは乖離、チャベスを支持していたグループとの関係は悪化していたと言われている。チャベス支持者のひとりがデルシー・ロドリゲスにほかならない。
マドゥロ誘拐はいくつかの勢力による策略が交錯しているようにも見える。
【Sakurai’s Substack】
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