第4回 長崎被爆体験者に人権の光を!正当な処遇を!
核・原発問題・日本政府の追随
「残留放射能は無い」の虚偽を日本政府は全面的に受け入れ、アメリカに追随しました。
①「被爆者医療法」⇒「被爆者援護法」の被爆地域(法第一条1項)(被爆者定義)から『内部被曝』を排除。被爆地域は初期被曝の外部被曝のみにより定義されています(内部被曝を排除)。これに対し,内部被曝を考慮すると「水平に広がる原子雲」の展開範囲:およそ「半径18km」が相当なのです。
②国連にも「放射線被曝で苦しむ者は皆無」と報告。
<被曝現実=広範囲の地域に渡る内部被曝被害>
現実はおよそ全ての原爆被害者:被爆体験者は内部被曝による健康被害を被っているのです。現実を否定することができずに、政府は「内部被曝」を拒否したまま(被爆地域を外部被曝のみに制限したまま)、対応したのが、被爆者とは一線を画した「特例受診者」制度。過った認識(内部被曝拒否)を固定したままの差別制度なのです。
・被爆者認定制度の構造:線引き差別制度
(1)制度
被爆者は援護法第一条に規定される(4つのカテゴリー:指定地域、入市被曝、教護等被爆、胎内被曝)。
特例受診者は、第一種または第二種健康診断受診者証を交付された者で特例として健康診断を受けることができる。
(2)特例受診制度
<第一種健康診断受診者>
広島では黒い雨「宇田強雨域」、長崎では図中青および緑で示す地域。
第一種健康診断受診者証を交付された者は、特定の疾病の状態にあると認められた場合、被爆者健康手帳へ切り替えができる。
特定の疾患とは:
造血機能障害(再生不良性貧血、鉄欠乏性貧血など)
肝臓機能障害(肝硬など)
細胞増殖機能障害(悪性新生物、骨髄性白血病など)
内分泌腺機能障害(糖尿病、甲状腺の疾患など)
脳血管障害(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞など)
循環器機能障害(高血圧性心疾患、慢性虚血性心疾患)
腎臓機能障害(慢性腎炎、ネフローゼ症候群など)
水晶体混濁による視機能障害(白内障)
呼吸器機能障害(肺気腫、慢性間質性肺炎など)
運動器機能障害(変形性関節症、変形性脊椎症、骨粗鬆症など)
潰瘍による消化器機能障害(胃潰瘍、十二指腸潰瘍など)
<第二種健康診断受診者>:長崎被爆体験者
第1種の線引きが現実に合わないから、広島では広範囲「黒い雨」降雨域の、長崎では「被爆地域見直し」として適用範囲の拡大が必然的に現れました。
長崎では「第二種健康診断受診者」制度が作られ,長崎被爆体験者と呼ばれました。
内部被曝を隠蔽してきた体制が「被爆者」と「健診特例者:第一種。第二種」の体制なのです。
その犠牲者を作り出してきた構造のうち、広島の差別構造は今回の「黒い雨控訴審判決(最終判決)で弾劾されました。
残りは長崎です。
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1943年出生、長野県松本育ち。祖国復帰運動に感銘を受け「教育研究の基盤整備で協力できるかもしれない」と琉球大学に職を求めた(1974年)。専門は物性物理学。連れ合いの沖本八重美は広島原爆の「胎内被爆者」であり、「一人一人が大切にされる社会」を目指して生涯奮闘したが、「NO MORE被爆者」が原点。沖本の生き様に共鳴し2003年以来「原爆症認定集団訴訟」支援等の放射線被曝分野の調査研究に当る。著書に「放射線被曝の隠蔽と科学」(緑風出版、2021)等。