【特集】統一教会と国葬問題

防衛省が極秘調査していた、「安倍暗殺」に残された謎を追う

片岡亮

・記者たちの間に出回っていた〝噂〞

S氏の言うとおり、“第三者による暗殺”説を探るには、その目的を考える必要があるだろう。しかし、その手がかりが全くないわけではない。以下、筆者が断片的に得た情報を、いくつか記しておきたい。

その一つは、安倍氏が近年になって、セキュリティにこだわっていたとの話だ。2017年に衆院選で自民党が大勝、2019年には歴代最長政権となった安倍首相は、翌年8月、唐突に「持病の潰瘍性大腸炎が再発」したとして辞任した。実はこの最後の在任1年ほどの間に、本人が身辺警護の強化を求めていたというのである。

これは、自民党に近い産経新聞の記者も認めて、こう語る。

「退任後も、安倍さんの指示で渋谷の私邸付近に警視庁バスが24時間待機、バリケードまで設置して警察官が終日立っていました。元首相といえど、ここまでの私邸警備は過去に見たことがなかったですね。なにしろ毎日10人ぐらい警官がいて、年2億円もかかっていると一部で批判記事が出たほど。安倍邸から近い麻生太郎元首相邸の方は警官ひとりが配置されていただけなのを見れば、いかに緊張状態にあったかがわかります」。

さらに気になるのが、一部記者たちの間に飛び交っていたある噂だ。なんと「外見ソックリの影武者がいる」とまことしやかにささやかれていたのである。

まるで都市伝説だが、これは全国紙のカメラマンや報道記者らが「あとで写真を見返すと、外見が安倍さん本人に見えないものがある」と言い出したことがはじまりだという。その写真を、出所がわからないよう一部、トリミングしたものを筆者も手に入れた(右下写真)が、たしかに「ソックリな別人」と思わせるものだった。

「影武者」として一部記者らの間に出回った写真の一枚。

 

「要人の警備上、影武者を用意するのは海外ではよくある。調べてみようと思ったけど、公にすれば国益に反するので指摘できなかった」
とカメラマン。

この噂にからんでは、前出の産経記者も、5年前に奇妙な出来事に遭遇したという。2019年9月、解散総選挙の1カ月前のことだ。

「解散について安倍さんに一言コメントをもらおうと、料亭に入るところを先回りして待っていたんです。結局、安倍さんが来てもノーコメントで素通りされたんですが、あとから来た別の記者が『安倍さんはあと15分で到着する』と言うんです。『いや、もう店に入りましたよ』と反論したんですが、実際に15分したら、また安倍さんが車で到着して店に入った。つまり、同じ人が2度も店に入るのを見たんです」。

彼が後で官邸の記録を確認したところ、2度目に安倍氏を見たときの時刻が公式となっていて、これは通信社の報じる行動記録とも一致していた。で安倍氏の影武者といわれた写真のひとつは、先に見た人物は誰だったのか。

「実は、こうした話はほかでもあって、記者の中には“影武者説”を確定事項のように話す人もいました。野党議員の関係者に、密かにその影武者役の素性を調べた人までいたほど。そして、安倍役をしていないときの私生活写真まで手に入れたというんです。もっとも今の時代、写真を加工するのは簡単なので、本気で相手にされなかったようですがね。そんな業界の内輪の噂があるなかで事件が起きたので、亡くなったのは影武者の方では…と頭をよぎってしまいましたよ」(前出記者)。

馬鹿げた話かと思われるかもしれないが、安倍元首相の“影武者説”は、今回の事件に際しても、ネットの一部で話題になった。

しかし、そもそも裏のとれない話だけに、ネットの有象無象に紛れてしまった感がある。

たとえば桜田義孝元五輪相が2020年9月にTBS番組に出演中、安倍氏について「急になくなられ…あ、あ~辞められちゃったので」と言い間違えたことや、2カ月前に吐血していたとの報道があったことから、「安倍さんはすでに病死していたが、参院選のために影武者を活動させた」といった自説を披露する人々がいて、ガセ扱いに消えたのである。

一方、セキュリティ強化については、こんな話もある。3月、安倍元首相はマレーシアを訪問し、現地で通称「6つ星」といわれる高級ホテルに宿泊した。そこでもマレーシア側の関係者が「最大級の警護を用意したが、さらに追加の警護要望があった」と明かしている。

ホテルはほぼ貸し切り状態だったのに、宿泊フロアや部屋番号を極秘にしたり、滞在中に部屋を変えたり、かなり神経質だったというのだ。

その安倍氏は皮肉にも、奈良県警の緩い警護のために命を落とした。

A news headline written in Japanese as “guardian”

 

その日から日本は一変した。統一教会問題が噴出し、安倍氏の圧力が減退したせいか、東京地検が東京五輪スポンサー選定を巡る汚職事件に着手。安倍氏と緊密な関係にあった電通関係者への捜査が始まった。安倍氏に近い警察トップも引責辞任した。自民党議員の秘書はこう口にしている。

「重しがなくなりフタが外れた状態。これからも“臭いモノ”が噴出していくでしょうし、それを政局利用する人がすでに出始めている。こうなることを望んでいた人がいたならば、“陰謀論”も笑えませんよ」

一方で、安倍氏自身の疑惑である森友事件などは検証がストップ、闇に葬られてしまった現状がある。

第三者犯行説と影武者説は、表立って検証されることはないだろう。しかし、残された“謎”を説明できるのかといえば、誰も答えられないのだ。

(月刊「紙の爆弾」2022年10月号より)

 

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片岡亮 片岡亮

米商社マン、スポーツ紙記者を経てジャーナリストに。K‐1に出た元格闘家でもあり、マレーシアにも活動拠点を持つ。野良猫の保護活動も行う。

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