米国マスコミが自主検閲で隠してきた重大ニュース プロジェクト・センサード〔検閲報道発掘プロジェクト〕の最新発表 2021年Top 25

佐藤雅彦

2021年の春先に選考作業が始まり、11月末日に公表された〝マスコミ黙殺報道〞トップ25をここに紹介する。

【第1位】薬価の高騰が続いているせいで、患者が処方薬を充分に買えなくなり、早死にする高齢者が米国では今後10年で110万人以上も生じ、2030年までに「コスト・リレイテド・ノン=アドヒアレンス(CRNA、出費困難による服薬指示の無視)」が糖尿病・インフルエンザ・肺炎・腎臓病を凌いで国民の死因の第1位になる。

【第2位】世界的規模での脱税や租税回避活動を記録した『パナマ文書』や、〝マネー・ローンダリング〞活動を記録した『フィンセン文書』の暴露によって、近年、大企業や大金持ち、政治家や、果ては政府機関に至るまで、富と権力を牛耳る者たちがグローバル規模での〝犯罪舞台〞で展開している金融犯罪が次々と暴かれている。しかし、これらの不正を追及している世界中のジャーナリストたちが、〝名誉毀損〞で訴えられたり(SLAPP)、「警告文」の形の脅迫状を送りつけられたり、SNSで公然と誹謗中傷されたり、衆人環視のインターネット上で〝挑発〞されてうっかりそれに応えようものなら組織的な信用失墜宣伝や人格攻撃を受けるという「はえなわ釣り(トローリング)」の餌食にされたり、実際に身体的暴力を受けるなどの、陰湿な脅迫と攻撃を受けながら、苦闘している。

【第3位】労働組合員の一部が中央執行部からの制動を無視してストライキを行なう「山猫ストライキ」は、労組の統制を乱すものと見なされて、〝体制に飼い慣らされた既成の労働運動〞からはとかく評判が悪い。しかし、新型コロナ流行下で〝エッセンシャル・ワーカー〞たちによる山猫ストライキが2020年の春以来、全米で激増し、歴史的な高揚を見せている。たとえば21年3月24日には全米1100カ所で山猫ストが行なわれていた。

【第4位】炭酸ガスを過剰放出して気候変動を助長し、発展途上国に危害を及ぼしてきた「気候変動〝債務国〞」すなわち米国・ロシア・ドイツ・英国・日本などの〝経済先進国〞は、大気という〝全人類が平等かつ公正に享受すべき公共資源〞を独占「植民地」支配している。

【第5位】マイクロ・プラスティックス(微細プラスチック粒子)や、フッ素系の界面活性剤のような有毒化合物が、今や北極海も含めた全世界の海洋をあまねく汚染しつつあり、海洋生態系の破壊と、海産食物の毒物汚染が進行している。

【第6位】イスラエルによる国際法違反の対パレスチナ弾圧政策を止めさせるために05年以来、世界中で展開されている、「BDS=ボイコット・ディヴェストメント(投資撤収)・サンクションズ(共同制裁)」運動に脅威を感じた親イスラエル勢力が、14年に《カナリー・ミッション(密告大作戦)》を自称するインターネット匿名サイトを立ち上げて、BDS運動に賛同する人々を「ユダヤ人への人種憎悪をむき出しにして暴れる過激派」だなどとインチキな誹謗中傷を行なって個人攻撃し、イスラエルや米国の政府当局がこれを受けて弾圧を行なう〝分業体制〞が出来上がり、シオニストの非人道的な違法行為への批判を封じる〝民主主義への脅威〞となっている。

【第7位】労働組合つぶし専門のコンサルタント会社から漏出した秘密ファイルから、グーグル社の〝組合つぶし〞の手口が明らかになった。

【第8位】米国の巨大製薬企業ファイザー社が、南米の国々の政府に対して、新型コロナワクチンを供給するための条件として、副作用被害をめぐって今後生じうる損害賠償請求訴訟への〝担保〞として、連邦準備銀行や軍事基地や大使館建物のような〝国家主権〞に関わる重大な国有財産を差し出すように要求し、〝貧しい国〞の足下を見るような〝弱い者いじめ〞の商談を進めている。

【第9位】米国では警察犬が〝有色人種への攻撃用兵器〞として乱用されている。

【第10位】米国では20世紀中に32州で少なくとも6万人の人々(=有色人種、未決・既決の囚人、精神病者や障害者)に、本人の同意なしに強制不妊手術が行なわれてきたが、この種の強制断種は今も続いている。

 

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佐藤雅彦 佐藤雅彦

筑波大学で喧嘩を学び、新聞記者や雑誌編集者を経て翻訳・ジャーナリズムに携わる。著書『もうひとつの憲法読本―新たな自由民権のために』等多数。

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